シリコンバレーお仕事事情

Cataphora

Oracle本社は101という高速の出口を出てすぐのところにある。その出口を降りたところの信号の脇にぽつんとあるのが、このゲリラっぽい広告。

First Class Software Engineers Wanted! Cataphora

と書いてある。Cataphoraという会社の求人看板。もう2ヶ月以上ここにあるはず。果たしてこんなものを道端にたてるのが合法なのかは不明だが、よっぽどソフトウェアエンジニアに不自由していることはわかる。

同社のホームページを見ても、CareersにはScientistからQAまでいろいろなタイプのエンジニアが募集中となっている。「とにかく人手不足~」ということなのであろう。

以前「シリコンバレーのソフトウェア会社は高給でしかもエンジニアが優遇される」というエントリーを書いたが、コメントで「シリコンバレーで仕事を探すにはどうしたらよいか」という質問があった。

答えは、こうした求人に応募するんです。「コネがないとだめ」と言われるが、職探しが買い手市場から売り手市場に急速に変わりつつある今日この頃、決してそんなことはない。普通に応募しても、スキルが合えば、面接のお誘いがかかるはず。

いろいろな会社の求人情報が集結しているところとしては、Monster.comなどの、求人サイトもあるが、シリコンバレーの仕事だったらCraigslistがgood。

ちなみに、Craigslistは、仕事から車から住むところから恋人まで、何でも見つかる掲示板。会社だったら、ここで求人するもよろし。・・・・ということを、日本から来るいろいろな方に言い続けているのだが、いまいち信用されず、
「・・・で、中古車情報はどこにあるんでしょう」
みたいな質問を重ねて受ける。Craigslistはひたすらテキストが羅列してある地味な掲示板なので、本物のぴかりと光る情報がこんなところにあるとは信じがたい模様。あと、日本だと、掲示板ってあまりリアルには利用されてないみたいだし。(日本では、無料のオンライン掲示板でBMWを売ったりポルシェを買ったりしないですよね、多分。どうでしょうか?でも、CraigslistだったらOK。)だまされたと思ってCraigslistをトライするよろし。

***

ちなみに、冒頭の「エンジニア求む」のCataphoraは、裁判の際の証拠探しのために、Eメール等のデータを探しまくる、という会社。サイトに寄れば、外部からのファンディングを受けることなく成長中で、全米にセールスオフィスを構えているそうな。

米国の裁判では、discoveryという日本にないプロセスがある。訴える側が、訴えられる側の情報を家捜しできる、みたいな感じで、とにかく有無を言わせずありとあらゆるデータを探し回ることができる。(discoveryの概要を日本語で説明しているページをこちらに発見したので、興味ある方は参照ください)もちろん、電子データを縦横無尽に探しまくるのは相当大変なので、専業の会社がたくさんあるのであった。

Oracle
こちらはOracle。横から見てもディスクドライブっぽいが、上から見ると、さらにハードディスク状。(Google Mapsで、「500 Oracle Pkwy, Redwood City, CA」と入れて、Satellite図を拡大して見てください)
噴水は、消防署のホースを上に向けてどどどっと出している感じ。風情はないが、非常に雄雄しい。

シリコンバレーお仕事事情」への8件のフィードバック

  1. はじめまして。カエル王子ブログからやってきました。
    クヌギと申します。
    この記事とは直接関係がないのですが、私のブログ(5月4日付の記事)にリンク(About meのページ)を載せたので報告いたします。
    私には別世界の話にわくわくします。私もわくわくするようなまた別の世界(暮らし)を築こうと励まされました。
    では。

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  2. それほどシリコンバレーが人手不足とは、驚きました。東京も人手不足っぽいんですけど、日本企業だと、IT分野は労働時間が長いし、なんか、そっちみたいな、明るい雰囲気がないんですよね。
    やっぱり、こっちのIT企業の多くの業務は海外のIT製品のリセールが多いですし、ネットワーク構築ぐらいしか、純日本製サービスってなさそうだし。マスターのプログラムが終わったら、自分もそっちに行こうかな、あんまり経験はないけど。NYCも好きですけど、金融の街だから、ITの仕事は少なそうだし。
    そういえば、自分の母がサンノゼ生まれですけど、往時の日系移民が農場を開墾した時とは、隔世の感ですね。
    いずれにせよ、景気が回復して良いですね。2001年ごろはひどかったですもんね。

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  3. Chikaさん、はじめまして。
    いつもアップデートを楽しみにしております。
    私は東京の大手渉外法律事務所に翻訳専業で勤めています。
    写真の求人広告主のCataphoraという会社、こんなビジネスが成り立つとはさすがはアメリカ!
    私のいる事務所では、emailサーチは新人弁護士の仕事です。
    外資系企業が、デキが悪くてやめさせたいと思っている社員のアラ探しを依頼してくるわけです。(その他、不祥事の内部告発があったので真相を探りたい、という場合もあります。)
    弁護士の働いた分はタイムx固定レートでチャージされるので、
    こんな会社が日本にもあれば、クライアントはかなりのコストを削減できそうです。
    やめさせたいとなるとここまでやるのか、というのを見てますと、
    まじめに仕事しなきゃイカンという気にさせられます。
    よからぬことは職場の記録に残してはだめですよ、皆様。

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  4. Bahiana-san, 日本でも需要があるということですね。でも、Discoveryは日本ではできないのでしょうね? そうするとなかなかtoughな仕事ですね。Cataphoraが日本へ進出か、誰かが起業するか。suggestionに従い、気をつけます。
    Chika-san, Cataphoraの募集サイトを見ました。この程度の要求条件ならば現状でも十分見つかるはずだと思います。確かに10月まで新規H1が現在出ないのは厳しいですが。会社の状態を調べるのに、人材募集の様子を参考にしますからとりあえず出しておくっていうのもあるかもしれません。って、ちょっとへそ曲がりな見方ですが。
    ちなみに、Craigslistは愛用してます。

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  5. ご無沙汰でございます。
    その会社いいかも。証拠は大抵自分に都合のいい文脈で提出されますから、防御として自分サイドでもリサーチしておかないといけないですしね。
    私のイスラエルの訴訟では、ジョージワシントン大学の教授をExpert Wittnessとして呼ぼうと依頼したときに「Discoveryなら協力できないよ」と言われました。emailはもちろん手帳まで差し出さなければいけなくなることもあるらしいですから。
    相手に探し出されたemailで、
    It is not usual…と書こうとしたメールにスペルミスがあって(Is is not unsual)これを引っ張り出されてunusualと解読(!)されました。まったく正反対の意味になってしまいますもの。(真意を述べて事なきを得ましたが)

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  6. 「東京の人手不足」はちょっと違うと思うな。「きつい(神経をすり減らす頭脳労働な上に労働時間が長い、拘束時間がもっと長い、生活が不規則)、汚い(正論をいう人は生きていけない)、危険(デスマーチに巻き込まれたら命の危険も)」の3K職場なので、後継者のなり手がいないだけですよ。おまけに年々福利厚生がカットされたり、『成果主義』という名の給料カットが行われたりして将来性もない。
    私だって他の才能があったなら、こんなアコギな業界からはとっくに足を洗っていることでしょう。

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  7. Chikaさん、こんにちは。
    その立て看板での求人も、CraigslistでのBMWやポルシェの売買も俄かには信じがたいけど、シリコンバレーに暮らしていると「それも全然普通」っていう感覚になっちゃいますよね。わかります。
    それに職探しの売り手市場もすごく実感します。だって、現地校クラスメートのパパがこの2年で4社目の会社なのですが、簡単に見つかるうえに、どんどんお給料がアップしているようですもの。めちゃくちゃ羽振りがいいです。日本のIt業界にいた私としては、めちゃくちゃ羨ましいです。
    ところで、私のブログにChikaさんの過去記事リンクさせていただきました。事後報告で申し訳ありません。

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  8. 以前、そちらの日系のIT企業(パッケージソフト)開発についてました。
    今は南カリフォルニアのユーザー企業のIT部門です。
    会社がCLOSEしたときはかなり悪かったとは思うのですが
    いまはそんなにいいんですね。
    シリコンバレーにはもどりたいですね。
    ただITといっても日本語が日本のビジネス習慣、ソフトであれば日本の慣例、役所の規制の壁を逆利用してそれをわかっていたうえで
    それを武器の1つにしないと、結局 多くのエンジニアのなかでONE of THEMになってしまいまた景気が悪くなるとほうりだされるかもしれませんね。

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