グーグル世界制覇の野望

日経産業の10月28日に掲載していただいたコラムです。

「世界制覇」っていうと、なんだか「フォッフォッフォッ」と笑ってそうですね。要約すると、「ASP+広告費」が次のビジネスモデルです、グーグルはその新しい世界での王様化を狙ってます、という話です。11月1日にはマイクロソフトがオンラインでソフトを提供する(つまり昔の呼び名で言うとASP)Liveを発表したので、それなりにタイムリーだったかも。

ちなみに、これ、最初書いた時ものすごく長くなっちゃって、苦労して1500字ちょっとにしたんで、わかりにくいかなー・・・・。

*******以下掲載文*******

米検索大手グーグルの上場から1年が過ぎ、その「世界制覇の野望」が明らかになりつつある。

グーグルは創業7年で売上高が3千億円を超し、毎日10人ずつ人材を採用。9万平方メートルを越える敷地に新社屋を建設する。さらに、この9月には、新たに41億ドルの資金調達を実施すると発表した。これで手持ち資金は70億ドルとなる。

これだけの資金を何に使うのか。海外進出や企業買収など様々な戦略が考えられる。実際にそうした計画が進められているのは、同社が次々に公表する提携や新事業からも明らかだ。IT(情報技術)産業がパラダイム(規範)シフトを迎えるなか、同社が新たなパラダイムのインフラとなるという壮大な野望が透けてみえる。

▼ユビキタス化

有線、無線を含め、自在にインターネットにアクセスできるようになれば、個々の端末でソフトを利用する必要性は薄れる。すべての情報はデータセンタ内に集約されたサーバー上で処理され、端末はそれにネットを介して接続するだけで事足りる。もしそうなれば、マイクロソフトが君臨する「高機能な端末の上で動くソフト」の必要性が劇的に低下する。

グーグルはネット接続が空気のように無料で遍在する環境を生み出すため、「ダークファイバー」と呼ぶ通信バックボーンを購入。また、電力線を使ったネット接続を提供する企業に出資し、無料で無線ネットを提供する試みを始めている。

マイクロソフトの“ドル箱”である文書作成や表計算などアプリケーション(業務用)ソフトをネット経由で提供する計画が視野に入っているのは間違いない。最近発表したサン・マイクロシステムズとの提携もその一環と想定されている。

▼商取引のプロセスに組み込まれるIT

グーグルのサイトに行き、何かを検索すると、必ず小さな文字広告が登場する。それはごくさりげないものだが、検索キーワードに適した内容の広告なので、検索者の興味に即している。検索者が広告をクリックすると、ごく小額ではあるがグーグルに広告料が落ちる。この一見地味な仕組みが、グーグルの数千億円の売り上げの源泉だ。

最近は、地図を利用した地域特化型の検索も登場。広告主は、特定地域に住む人だけをターゲットとすることも可能になった。

一方、グーグルの提供するサービスはほとんど無料だ。検索のほかにも、2ギガ(ギガは10億)バイトを超す膨大な容量を持つ電子メール「Gメール」、写真管理の「Picasa」、世界の衛星写真が自在に見られる「グーグル・マップ」や「グーグル・アース」など、すべてがただで利用できる。

従来、ソフトとして有料で売られてきたこうした機能を、グーグルは広告収入を生み出すためのインフラにしてしまった。機能の脇にそっと広告を載せ、その広告料で儲かるから、機能を売る必要はない。

グーグルはウェブサイトや地図などの情報と、情報を処理するためのソフトをバンドルしてワンパッケージにした。そして、情報を必要とする側ではなく、そうした人々に製品情報を届けたいと望む側から対価を受け取るというビジネスモデルにより、高度な情報とIT機能を無料で提供できるようになった。

無料で手に入れられる情報を有料で買う人はいない。つまり「ITを売って利益を出す」時代が終わり、「ITを使って利益を出す」時代が始まるのである。

IT業界の巨人、マイクロソフトは「ITを売って儲ける時代」のインフラ企業として君臨してきた。グーグルはそのマイクロソフトを超える存在になるのだろうか。

グーグル世界制覇の野望」への13件のフィードバック

  1. グーグル世界制覇の野望

    渡辺千賀さんのブログを見て一言。10月28日の日経産業新聞の記事等をベースにコメントされています。
    これまでの殆どの企業は「ITを売って利益をあげて」いましたが、グーグルは間違いなく「ITを使って利益をあげる」ビジネスモデルを確立した会社ではないでしょうか。
    ちなみに、10月31日の日経ビジネスでも当社とアマゾンの特集を組んでいて、米国の若手ジャーナリストの予想「2008年、米グーグルと米アマゾンが合併し「グーグルゾン」が誕生」等興味深い内容の記事となっています。
    http://www

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  2. はじめまして。
    渡辺さんの最初の会社の後輩です。
    いつもすごく興味深く読ませていただいております。
    本日の日経夕刊に「米グーグルの時価総額が千億ドル(約十一兆六千億円)を突破した。」とあって、自分の所属する会社(現在、過去最高益更新中)と比べたら…3:1
    時価総額が企業を測る物差しだとすると、ここで違和感を感じるべきなのか、当然と感じるべきなのか、わからないところです。
    TKS

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  3. ShinGO-san,
    うーむ、私も、グーグルが280ドルのときに株を買うか悩んで、「イヤーいくらなんでも高いよな」と思っていたらあっという間に380ドルまでなって、違和感感じまくりです。こんなコラムかいてる暇があったら280ドルのときにどーんと買えよ、って感じですね。ははは。世の中はわかりません。

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  4. あれ、トラックバック出来ないのですが….?
    まず第一声に「chika-chanにトラックバックぅう。」と書きたかったのに。マジで本当に
    この記事を(http://d.hatena.ne.jp/shuichi16/20051105)
    それとは、別に最近、定額の通信費を払うだけで無料でインターネットするというのに少し疑いを持つようになってしまいました。
    なぜなら、グーグルなどは、普通のユーザーに対しては無料でサービスを提供していますが、だけどソコにはやっぱり別の所から、主にビジネス側から広告料を徴収しているカラクリがありますし。それに、お金は天から降ってくる訳でもないので、グーグルの収入は、巡りに巡ると自分に行き着くんじゃないでしょうか?
    だとしたら、ユビキタス社会が来て、至るところに無線LANが配備され、インターネットがボクたちにとって、空気の様になくてはならない存在になったら、(グーグルの様な仕組みを持っている企業から)空気に税金を課せられている気になってきます。とフシダラな妄想を書き連ねてみます。

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  5. shuichi-san,
    Trackbackできませんでしたか・・。Trackback受付OK、となってるんですが。うーむ。。今ちょうどTypepadがサーバーの移行をしているらしく、そのせいかも。ちなみに、私の過去エントリーもなぜか右のバーのOn, Offというところから消えてしまって、rebuildしても直らないんですよね。。ま、気長に待ってください。。

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  6. やっぱり、出来ませんでした。はてなと相性が悪いのかな?
    >今ちょうどTypepadがサーバーの移行をしているらしく
    くっそー、こうなったら意地でもトラックバックしてやるぅ!!1!ぬ

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  7. がんばってー♪
    ちなみに前のコメントで頂いていた
    「グーグルの収入は、巡りに巡ると自分に行き着くんじゃないでしょうか」
    ですが、
    本質的にはそうですが、実際のところ、グーグルが奪うのは、現在例えば広告代理店とか、メディアとかが稼いでる分(プラス、非効率なリテールも入るかな)のパイで、消費者が損するわけではないと思います。
    その手の流通の非効率(広告も流通の非効率の一つだ!)がそぎ落とされた後は消費者の懐が狙われるとは思いますが、それはまだまだずーっと遠い将来のことでは。

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  8. 日経産業新聞のコラム見て、このブログに来ましたー。いつも、的確にネット世界の潮流を読み取って、分かりやすく書いてあるので、重宝しています。ITを売って儲ける時代から、ITを利用して儲ける時代へ。上手な表現だと思いました。これからも面白い記事、書いてください。待ってまーす。

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  9. Googleのモデルは民放テレビ

    日本滞在中にブログをほとんど読まなかったため、RSSフィードが大賑わい。少々古くなったが On Off and Beyond 「グーグル世界制覇の野望」とそのコメントを読んで思ったこと。…

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  10. 未来の話2

    IT化の波が押し寄せてます。
    いまさらIT化?とかいわれそうですけど、まだまだこれからITを軸に変化が続いていくと思われます。
    特に注目すべきはgoogleの動向。ネット上で最も重要な”検索”という分野で独占的なシェアを持っています。
    さらに、無料で高付加価値のサービスをどんどん打ち出し、既存のサービスをどんどんぶち壊していってます。
    どんなサービスを行っているかは<a href="http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/50103228.ht

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  11. グーグル&時価総額のKeyWordでここに辿り着きました。
    この記事は、1年半前、2005年11月2日ですね。時価総額の最新版を調べていて、計算方法が解からずにサイトを調べたのです。でもどこのデータもまちまちなのです。だってそうですよね、毎日Googleの株価は上がるだけ。そして評価額もあがる。さて2007年2月16日現在の数値は何なんだろう。何とか勉強してやっと解かりました。
    YahooFinanceで、MarketValueを次のように言っています。
    Google : 17兆円
    Microsoft: 35兆円
      1$=120円にて計算
    感想: 凄いだけのため息
       グーグル&時価総額の検索だけでは
      Google時価総額、5,000億円に達した
         1兆円を越した
         インテルを越した
        Microsoftに近づく勢い 5兆円などなど
    のキャッチフレーズがたくさんありました。
    しかし、2月16日付け(日本時間)のYahooFinanceを読んだら上記の数値になります。またまたため息。お疲れ様です。

    いいね

  12. グーグル&時価総額のKeyWordでここに辿り着きました。
    この記事は、1年半前、2005年11月2日ですね。時価総額の最新版を調べていて、計算方法が解からずにサイトを調べたのです。でもどこのデータもまちまちなのです。だってそうですよね、毎日Googleの株価は上がるだけ。そして評価額もあがる。さて2007年2月16日現在の数値は何なんだろう。何とか勉強してやっと解かりました。
    YahooFinanceで、MarketValueを次のように言っています。
    Google : 17兆円
    Microsoft: 35兆円
      1$=120円にて計算
    感想: 凄いだけのため息
       グーグル&時価総額の検索だけでは
      Google時価総額、5,000億円に達した
         1兆円を越した
         インテルを越した
        Microsoftに近づく勢い 5兆円などなど
    のキャッチフレーズがたくさんありました。
    しかし、2月16日付け(日本時間)のYahooFinanceを読んだら上記の数値になります。またまたため息。お疲れ様です。

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