Kill Bill….日本の未来 その1

体調が悪い。人と会っている間は、結構元気なのだが。テンションがあがっていれば大丈夫ということは、気のせいか?

もとい。

先日、村山さんのBlogに書いてあったKill Billをみた。Quentin Tarantinoの新作だ。Pulp Fictionよろしく、時系列をあえてかき乱した構成になっている。

4語で映画批評をするFour Word Film Reviewから借りれば、”Quentin’s live-action anime”。設定的にはCharlie’s Angelsチックである。Charlie’s Angelsは男性のボス率いる正義の味方の女性チームだが、Kill Billは男性のボスが率いる女性暗殺隊だ。

私がまず思ったのは「これはTarantinoのCinema Paradisoである」ということ。Cinema Paradisoは、死ぬほど映画好きの少年が、映画監督として成功するが、その子供時代の思い出は郷愁に満ちているもののほろにがく、本当に欲しかったものは手に入らないという切なさを描いて、カルト的ファンを多く持つ映画だ。(予告編がここでみられる)Cinema Paradisoの中では、子供の頃にわくわくしてみたあまたの映画へのノスタルジーが描かれるが、Kill BillはTarantinoが
「そんな映画もあんな映画も、こーんな映画もみたぞ。どれも、ものすげー面白かったぞ!どこがどう面白かったか、俺の解釈を見せてやろう。どうだ!」
とほくそえみながら遊びながら、かつ真剣にエンターテイメントとして作った、という感じだ。

「そんな映画・あんな映画・こんな映画」の中身には、映画については超シロウトな私がわかった範囲だけでも、こんなジャンルが入っている
1)マカロニ・ウェスタン
2)日本のやくざ映画
3)日本の時代劇
4)日本のカルト系アニメ
5)カンフー映画

1)については、アメリカではスパゲッティ・ウェスタンという。なぜスパゲッティがマカロニに変身したかについては、スパゲッティでは響きが軟弱ということで故淀川長治氏が改名したという噂だが、それはともかくとして、イタリアで作られた西部劇、である。オリジナルのアメリカ西部劇が勧善懲悪的なのに比べ、一癖ある悪人だが憎めないところがあり、それなりのモラルを持ち、クールな主人公が多い。イタリア人監督のSergio LeoneがClint Eastwoodを主人公にして作った3部作が有名。
(ちなみに、この3部作の一作目、 A Fistful of Dollars(荒野の用心棒)は黒澤明のパクリというのが、国際的評価)

Kill Billでは、悪人だが独特のモラルとクールな魅力を持ち、滅法強い主人公をUma Thurmanが演じる。人物の登場の仕方なんかもマカロニウェスタン的。

2)と3)で日本のやくざ映画・時代劇のなごりは、派手な紛争、立ち回り、殺陣などに明らか。雪の日本庭園で日本刀で戦ったりとか。

4)のカルト系アニメの影響として、異常な血まみれさ加減、常軌を逸した狂人的キャラクタ(残忍な17歳のコギャル殺人鬼とか・・・・)などに濃厚に現われているのに加え、途中で回想シーンとして本当にアニメが挿入される。

横田基地を舞台に、日本刀で女子高生が吸血鬼退治をするというストーリで、工藤夕貴が声優のBLOOD-THE LAST VAMPIREというアニメがある。このあたりがかなり近いか。ちなみに、Blood…は、ShrekのCGなどで知られるPDIでエンジニアをしている知り合いが「口角泡を飛ばす」という感じで「すばらしいアニメだ」と絶賛していたのでDVDを買って見た。チミドロ系でクラーイ日本の漫画・アニメに慣れている私にはやや退屈と思われたのだが、突然見ちゃった外国人には刺激が強いんだろうか。

5)は、戦いシーンでごらんあれ。

実際、Tarantinoはこの映画を作るに当たって、俳優たちに、日本映画やら香港映画などなど、総計75本を見せたとのこと。

この映画を見た後、ついついマカロニウェスタンのThe Good, The Bad, The Uglyと、極道の妻たちを借りてみてしまった。Tarantinoの解釈で、上記1-5のジャンルそれぞれの面白さのエッセンスをひたすら見せられたので、ついつい原典が見たくなってしまったのである。

で、これがどう日本の未来と結びつくと思ったかはまた改めて・・・。

Kill Bill….日本の未来 その1」への7件のフィードバック

  1. 初めまして、カロリと申します.
    ニューシネマパラダイスのリメイク版が出ていたのですね.
    知らなかった!好きな映画だったので新しい方DVD借りてみようと思います.
    日本の未来とどうつながるのか気になるなあ〜
    また寄らせていただきますね.
    では♪

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  2. 友人がかつて「パルプ・フィクション」を見て、サミュエル・L・ジャクソンが殺しの前口上を長々と述べるのシーンで「あれ絶対『影の軍団』の千葉真一の真似だよ!」と叫んだので「何でタランティーノがそんなの見てんの」と一笑していましたが(映画の封切時は彼が「ソニー千葉おたく」であることはそんなに知られていなかった。)、彼の自伝でそれが図星であったことがわかり、びっくりしたことがあります。

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  3. Kill Bill

    先週、映画「KILL BILL」をDVDで観ました。タランティーノもユマ・サーマン も好きなのに、公開からこれまでの間、観ることができなかったのは、悲劇です! 感想、書きました。

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  4. キルビル1は観ましたが、キルビル2を観る気にはなりませんでした。バイオレントなシーンが多すぎるので、1を観ている途中で気分が悪くなりました。日本の侍が仇をとりに行くというような映画ですよね?ストーリーや演出を含め、すべてがちぐはぐな映画だと私も思います。

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  5. 鈴木-san,
    Kill Bill2はチミドロじゃないですよ。ただ、Tarantino特有の回りくどい語りがたくさんあるので、そういうのが苦手な人はダメかも。
    Kill Bill1, 「ストーリーや演出を含め、全てがちぐはぐ」とは私は全然思わなかったんですが・・・・。中々スタイリッシュでコンテンポラリーでクールな映画だと思いました。

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  6. ちかさん、
    2は血みどろではなかったのですね。
    じゃあ機会があったら観てみようかな。
    私が1を観た時感じたのは、武士道のような世界を
    表現したいのか?と思ったため、ユマサーマン
    が燃えろドラゴンかなにかのブルースリーに見えてしまったり、
    片言の日本語を話すやくざの姉御が出てきたり、
    なんともちぐはぐさを感じてしまったのですが、
    あれはあくまでもハリウッド映画として観るべきなのでしょうね。

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