MBAのトホホ

Business Week9月22日号の記事、What’s an MBA really worth?。オンラインでは有料だが、このリンクのところに近々記事に関してのオンラインchatの書き起こし原稿が無償でアップされるらしい。(chat自体は9月15日に済んでいるが、こちらもまだ。)

昨日紙媒体のほうの記事を読んでクラーイ気持ちになった。92年にMBAを取得した人の平均年収、というのを見たからだ。Stanfordの場合、サラリーが26万5千ドル、ボーナスが30万ドルとなっている。合計で56万ドルだ。トップ30校全部の平均でも、それぞれ16万8千ドル、27万3千ドルで合計44万ドル。Harvardで21万5千ドル、63万2千ドルで85万ドル、Georgetownで13万7千ドル、57万5千ドルで71万ドルであります。

もちろん、データの信頼度に関してはいろいろと突付けるところがあって、トップ30校の卒業生トータル5700人中、4800人にコンタクトして、うち回答したのは31%だけ。人生イマイチな人は回答を避ける、ということもあろうし、嘘をついてるヤツだっているだろう。それに平均の求め方は、この手の統計ではより有効と思われるmedian(中央値:回答結果を大きいほうから全部並べて、真ん中の数字を取る)ではなく、average(全部足して、人数で割っただけ)だ。これだと、一部の人が莫大に稼いでいると、全体としてひどく高いほうに偏った結果になる。例えば、Georgetownの例では、一人がボーナス1100万ドルで、46人分の合計ボーナスの40%以上をたたき出している。あと、92年卒というのがバブルのいい時期にいい場所にいた、ということもある。例えば、私の友人で、30半ばで引退してゴルフ三昧という枯れた暮らしをしている人も、Harvard MBAの92年卒だ。

とはいうものの、やっぱり平均は平均。

92年卒といえば卒業して10年目をちょっと過ぎたあたりである。10年目といえばアメリカの大学はどこもreunionで世界から卒業生が集まる。私は5年目のreunionにおととし行ったのだが、「人生イマイチで行きたくないから行かない」と参加しなかったクラスメートも結構いた。(別に仕事だけではなく、異性関係、結婚関係、子供関係など、イマイチの理由はさまざまであったが。仕事がイマイチでも、それ以外でとってもシアワセなことがあって本人が納得できていればそれでOKなのだが・・・・。)

昨日の夜、このBusiness Weekの記事を読んで、「そうかー10年目のreunionに堂々と参加するには、年収56万ドルか、それに見合うシアワセを構築していないといけないんだな。うちは夫婦で卒業生だから二人合わせて112万ドル、1億3千万円かぁ。。。それでまだ『平均』だもんなぁ。ハードル高いなぁ・・・」と思ってしまったのであった。

とはいうものの今朝になって「うーむ、私は根が暗い」と思い直した。
1)へへん、こんな統計嘘だねと笑い飛ばす
2)まぁ、平均くらいの能力はあるはずだから、淡々とやってれば平均くらいは楽勝、と楽天的に捕らえる
などなど、様々な考え方があるはずで、10年めのreunionに堂々といけるか、などというセコイことでため息ついてしまうのは、あまりに暗い。(暗いのも、それはそれで努力の源泉でもあるのだが・・・)

ちなみに、記事は、「MBAは役に立つ」という論調。集計結果の一部を紹介すると、平均年齢38歳ちょっと、平均部下数93人、一番多い勤め先は投資銀行で22%。89%がもう一度選択するとしてもbusiness schoolに行くと言い、80%はもう一度同じ学校を選ぶとのことです。

MBAのトホホ」への5件のフィードバック

  1. こんばんは。MBAとはあまり?関係ないですが、
    少し関係ありそうな気がしないでもないので、
    『ほぼ日』で↓んな連載始まってましたのでお知らせです。
     ・シリコンの谷は今
      http://www.1101.com/siliconvalley/
    『ほぼ日』は↓んなのとか、
     ・オトナ語の謎
      http://www.1101.com/otona/index.html
    オトナの次はコドモとか、
     ・ガキの頃は、バカだったなぁ。
      http://www.1101.com/kodomo/index.html
    一方で↓んなのとか、
     ・続・会社はこれからどうなるのか?
      http://www.1101.com/iwai/index.html
    どれもこれもおもしろくてステキです。:p
    ……うーん、MBAのMの字の気配もありませんね。
    どうも失礼しました。:p

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  2. ぜんぜんMBAとは違いますが
    私信で生きてます報告を。元同僚のyujimです
    もうすぐ僕もalmnnusになりますです

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  3. Zoffyさん
    子供の頃は馬鹿だった・・・・ああ、私もいっぱいあります馬鹿話。ヒミツですが。
    森さん
    久しぶりです。来世は何に??

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  4. MBAのことですが、今朝、FedEXのコマーシャル見たら笑いが…
    今日が、この会社出勤初日のMBA若手白人男性氏の部屋に、やや小太り黒人女性が、ちょっとあなたの助けが借りたいのよ、とやって来る。彼が連れて行かれた部屋は、なんと商品発送部署。「ぼくシッピングはやらないんですけど」、「あら、簡単よ。FedExに発注するだけ」と女性社員。目前のコンピュータの画面にはFedExのサイトが映っている。この画面に発送先やらをインプットするだけの仕事だ。「でもボクMBAなんだけど」と答えると、「MBAね…」と彼女しばし沈黙吐息。で、いかにも仕方ないわね、といった感じで「じゃ、わたしがやってみせたげるから」と応える… といった思わず吹き出すコマーシャルでした。
    このコマーシャルそちらでもやっているのかなあ。

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  5. Fedex、確か以前も面白いコマーシャルやってましたよね。偉い人が言った意見は尊重されて、下っ端が同じことを言っても誰も聞いてない、という。。。
    今回のは、テレビをあまり見ないのでわからないのですが、多分こちらでもやってるのではないでしょうか?

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