州知事選挙

現州知事のGray Davisのrecallに伴い、その後釜を狙う選挙に100人以上(!)が立候補している。20の学生から、蝋燭職人から、I’ll be backのSchwarzeneggerまで、もう何がなんだか。今のところ一番有力視されているのはRepublicanのSchwarzeneggerとDemocratのCruz Bustamanteである。Bustamanteはその名の示すとおりヒスパニックで、ヒスパニックの多いカリフォルニアでは有力。だが、Schwarzeneggerも「貧しい移民からのし上がった」というイメージで同じ層に訴求しようとしている。
(とhないうものの、Schwarzeneggerは移民してきたとき既にボディービルで有名、かつジムのオーナーでもあったらしく、「貧しい移民」というのは単なるイメージに過ぎないようだが)

一方、去年に続き今年も州知事に立候補したRepublicanのBill Simonが昨日(土曜)にこれ以上の選挙活動を断念。DemocratのDavisから、Schwarzeneggerという裏技でなんとしてでもカリフォルニア州知事の座を取り戻したいRepublicanが、票が割れるのを嫌ったということもあるし、人気投票調査で8%しか得票できなかったということもあるようだが、いずれにせよ、笑顔がわざとらしくて気持ち悪い立候補者が一人減った。(人気調査では、Cruzが35%、Schwarzeneggerが22%だった)

ちなみにSchwarzeneggerの生い立ちを追った記事はARNOLD SCHWARZENEGGER AS … THE CONTENDERへ。

SchwarzeneggerとBustamanteという、発音の難しい移民そのもののラストネームがトップを競い、Simonという普通の名前が脱落、というのは、Californiaを象徴する出来事といってもよいのでは。これほど人種、民族が全ての社会階層で交じり合った場所も珍しいだろう。例えば東京都知事選で、キムさんとチャンさんが人気を争い、山田さんが脱落する、というようなことは、まずあと30年くらい起こらないだろう。

交じり合った、といえば、San JoseやPalo Altoが含まれるSanta Clara Countyでどんな人が家を買っているか、というWho’s Buying?という記事があったが、2003年にSanta Claraで家を買った人の名前を多い順に10個挙げるとこうなるそうだ。
1. Nguyen, 2. Tran, 3. Lee, 4. Garcia, 5. Pham, 6. Le, 7. Kim, 8. Martinez, 9. Gonzalez, 10. Lopez
1,2,5,6はベトナム人、7は韓国人、4,8,9,10はヒスパニック。3のLeeは普通の白人のこともあるが、ベトナム人、韓国人、中国人のケースもある。多分後者では。

州知事選挙」への5件のフィードバック

  1. そもそも、San JoseやPalo Altoという地名そのものが、英語の発音じゃないですからね。ヒスパニックにしてみれば、自分たちの土地、という感覚が強いかもしれませんね。
    しかし、who’s buyingで40%の姓がvietnameseというのは、自分の予想に反していました。中国姓がもっと多くなるのか、と。もう中国系は家を買うのは一段落してしまったということなのでしょうか?

    いいね

  2. ベトナム系は、ベトナム戦争後にまとめてやってきたのですが、その時子供だった人たちが今30台で、がんがん家を買っているというデモグラフィックがあります。加えて、ベトナム人の友人情報に寄れば「San Joseは、全米でも1-2を争うベトナム人人口」なんだそうです。とにかく、たくさんいるんですねぇ。。。。。。。

    いいね

  3. はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。
    アメリカの生活の話生々しくて面白いです。
    さて、ベトナム姓が上位だったと言うのは簡単に頷けます。と言うのもがNGUYENとTRANとLEとPHAMという苗字でベトナム国民の90%以上を占めてしまうからです。(ちなみに阮朝の阮、陳朝の陳、李朝の李でほとんど王朝の名前。)
    ベトナム人ははじめは家族全員で6畳一間のぼろアパートで切り詰めた生活をしていつの間にかどっカーンと家を買います。埼玉に住んでいるベトナム人も両親、お嫁さんを呼び寄せて自分は印刷工場で働いて、両親は自動車組立工場で働きながらで3年後には埼玉に一戸建ての家を立ててしまいました。
    発泡スチロールの箱に、唐辛子や、ハーブなど食材に必要な種をベトナムから持ってきて駐車場でぼうぼうに育てては毎回食事に使い、部屋にはどっかんと大きな段ボール箱に武富士のほポケットティッシューがどっさり入っていてそれをみんなで使っていました。(クリネックスのようなティッシュは使わない)
    私が消費財と食費にお金をかけている間に、ちゃっかりと財産と呼べるものを作ってしまうのは彼だけではなく、難民として来てエンジニアになった同年代の友人も奥さんとしっかりためてオーストラリアのシドニー郊外に、3000万の家を建てて、もう一軒家を建てて家賃収入を得てリタイアしたらそっちにすむそうです。
    厳しい環境に育った人たちはすごいですね。何が財産なのかをしっかり見分けている。。
    そういえば日本に住むベトナム人である程度成功を収めた人は将来オーストラリアに住みたいと言う人ケースが多いです。
    「働いても働いても豊かになった気がちっともしない」とのこと。かといって、日本で2,30年過ごしてやっと適応した今になって、またアメリカの熾烈な競争社会でやっていくのはたまらない。。とのこと。
    ヨーロッパは階級意識や排他主義が強く、そういう意味ではオーストラリアは比較的気性に合っているようです。
    そうそう、ベトナムに入国するときの入国カードの手荷物の欄にはHUMAN ASH(要は遺骨)をチェックする欄があるのですが、年老いて、結局故郷に戻ることなく死んでいく両親の骨を戻しに戻ってくる人々がかなりいるからでしょうか。
    自分に見切りをつけて、着のみ着のままでボートで外国に渡る。その数が世界各地に200万人近くいる。そんな人たちのど根性はやっぱりすごいなと思います。

    いいね

  4. >NGUYENとTRANとLEとPHAMという苗字でベトナム国民の90%以上を占めてしまう
    常々思うんですが、実は日本って苗字の種類もファーストネームの種類もものすごく豊富なんじゃないでしょうか。
    >厳しい環境に育った人たちはすごいですね。何が財産なのかをしっかり見分けている。
    これはアメリカに暮らしていてもそう思います。アメリカ人というと、「貯蓄もしないでクレジットカードで借金しまくって享楽的生活を送る」というイメージがありますが、そういう人も一杯居る反面、しっかり蓄財して若い頃から、不動産やらなにやらあれこれ投資して資産運用している人も結構います。
    日本は今まで年金・医療保険が豊富だったから、老後の心配はあんまりしなくてよかったので「その年の損益だけを考えるPL人生」でもよかったですけど、老後のファイナンスの責任を自分で持たなければならなくなると「アセットベースで自分の資金力を考えるBS人生」にシフトしなければならないんだなぁ、と思います。
    日本でも、今後年金制度が吹っ飛び、医療保険も崩壊したりする可能性もあり、PL人生の送り方しか知らされないままに、実はBS人生の責任を負っているかもしれない今の20代・30代は厳しいですよねぇ。。。。

    いいね

  5. 上記
    自分に見切りをつけて__自国に見切りをつけて の誤り
    ****************************
    コメントに対するお返事ありがとうございます。確かに日本人の苗字も名前も、限りなく多いですね。。あんまり考えたことありませんでしたけど。。
    漢語表現である音読みと、大和言葉である訓読みとを自在にミックスしてできる上に、苗字なんて田-川-上-村-瀬-尾-根
    みたいにしり取り式に無限に広がっていくと言うのは確かに珍しい言語でしょうね。。
    (中国語の李とか陳とかに比べると田舎っぽい感じもしますが)一般民衆に苗字がつけられた時代とかも関係するのでしょうね。それにしても漢語と大和言葉とカタカナ表現で何でもかんでも取り込んでいくというのはフュージョンにしやすい言葉ですね。。
    >日本でも、今後年金制度が吹っ飛び、医療保険も崩壊したりする可能性もあり、PL人生の送り方しか知らされないままに、実はBS人生の責任を負っているかもしれない今の20代・30代は厳しいですよねぇ。。。。
    本当に、。海で囲まれているからあまり気がつかないものの
    ちょっと中国にでも出てみるとああ、これから日本はこの国の人たちと所得が同レベルになるまで競争していくことになるのか。。。恐ろしくなりますね。。。

    いいね

nob seki への返信 コメントをキャンセル