eBayと放送禁止用語

eBayが、N-word(ニグロに類する言葉)追放に向けて一歩前進。オークションに出すものの説明でN-wordをインプットするとポップアップスクリーンで警告される。
こちらは、超ローカル新聞のSan Mateo County Newsの記事

When a seller uses the n-word in an item description, a new box will automatically pop up on the computer screen. It will tell the seller that the listing contains a word which may be “highly offensive to many in the eBay community”

ということ。でも「禁止」ではない。歴史的に意味のある書物などで、タイトルにN-wordが入っているものもあるからとのこと。要は、N-wordが正しいcontextで使われてればOKなのである。

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日本の出版物向けに「黒人」と書いたら、「アフリカンアメリカン」としてください。といわれて、そんな長い呼び名を何回も使ったら全体の文字数がオーバーしてしまうので、ある章を丸ごと削除したことがあった。黒人差別問題の本拠地、アメリカでも新聞なんかではblackという表現をよく使っているのに。正直なところ「羹に懲りて膾を吹く」って感じだよなぁ、と思った。

「黒人」以外にも、日本には様々な「放送禁止用語」がある。身体障害・精神障害関係は相当まずいようだ。「サイコパス」も使ってはいけない言葉らしい。今にHitchcockのPsychoは上映禁止になるかもしれないから、早めに見ておいたほうがいいかも。

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禁止用語に関しては、昔作家の筒井康孝がたいそう憤慨して書いたエッセーを読んだことがある。当時、「・・・に不自由な人」という言いかえがはやっていたらしく、ちょっと正確な表現は忘れてしまったが、例で言うと「めくら」を「視力に不自由な人」という感じに書き直しさせられたらしい。で、「今に『サラリーマン』は差別用語だから『小額の金銭に不自由する人』と呼ばなければならなくなるだろう。しかし、正確に表現すればするほどつらさが増すではないか」という類のことを書いていた。

昔同じ会社の人でちょっと大きめの人がいた。真夏に大勢で1台のタクシーになることがあって、「自分が隣に座ったら暑いだろうから助手席に乗る」と宣言。

その前に一度、確かNHKの番組で「太っている人の周りは涼しい」ということを証明するのを見たことがあった。小さな密室を2つ用意して、それぞれに太った人数名、痩せた人数名を閉じ込めしばらくそのままにする。太った人たちは、みな汗だくで苦しそうで見るからに暑苦しい。痩せた人たちは、淡々と世間話などしてて涼しげ。しかし、室温を測ってみると、太った人たちの個室の方が涼しいのである。痩せている人は、エネルギーを体外にどんどん発散させるから痩せており、太った人はエネルギーを溜め込むから太っているのだから、という説明。エネルギーはもちろん熱となって放散されているのである。

それをタクシーの中で説明したら
「そうか、じゃあ僕は『実はそうではないが、見た目だけが暑苦しい人』なのか。でも、そういう風に正確にいうとなんだか余計逃げ場がないな」と苦笑していた。

放送禁止用語置換ルールに従えば、「涼しげな見た目に不自由する人」となるのだろうか。

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ちなみに、N-wordに相当する日本人の呼称はいわずと知れたJAPだが、これが日本人の蔑称と知らない若い人も結構いる。むしろ「Jewish American Princess」の略の方がよく知られているかも。「鼻持ちならないわがままなユダヤ系アメリカ人の若い女性」という意味。もちろん、本人に向かっていったら張り倒されます。

eBayと放送禁止用語」への1件のフィードバック

  1. 禁止用語とは

    洋画のサブタイトルでDeafという言葉が付いているものがありましたので、日本語でズバリ書いていいものかどうかをGoogleってみました。
    ”禁止用語”を検索してまず、表示されるのが「差別語」と「放送禁止用語」です。
    放送禁止用語とは人に不快感を与えるような言葉を自主規制しているのであって、放送禁止用語のリストなるものは存在しないようです。 自粛する場合と表現上であえて強調する場合があるようです。 最近はわざと卑猥な言葉を発してピー音を入れて楽しんでいるかのような番組もあります。 ピー! …

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