Super Bowlとlocalism

今日は1年に1度の、全米が熱狂するSuper Bowlの日であった。毎年、友人の家に集まって見るのだが、今日は風邪でダウンして家でお休み。今回は、ベイエリアからOakland Raidersが出場するということで、この1週間みなソワソワ。新聞の1面に「Raidersのロゴのアイパッチ柄フェイス・ペインティングの方法」が大見出しで出る浮かれぶりであった。

なぜこんなに熱狂するかというと、地元の誇りがかかっているから。

アメリカは広く、個々の州や都市はそれぞれに特徴的。日本のように一部の大都市に全ての産業が集中しておらず、各々の州の各々の都市がそれぞれに産業を持ち、独立して機能している。日本が東京という巨大ホストコンピュータを核としたネットワークとすれば、アメリカは分散処理のサーバがあちこちに散らばるネットワーク。そういえば、昔とあるルータを日本で売ろうとしていた時「都市の間に網の目上にネットワークがひかれているアメリカと違って、リニアに都市が結ばれている日本ではルータの必要性・優位性が少ない」と言われたこともあった。

もとい、アメリカは、United Statesという名前がまさに体を現していて、個々の州がひとつの国だと思った方が理解しやすい。

個々の州の自治権がどれくらいあるかというと、例えばCaliforniaのすぐ上のOregon州は消費税が0(Californiaは7%超)。そのまた上のWashington州はincome taxがない。(マイクロソフトはWashington州にあるが、これはincome taxがないことをインセンティブにするため、という噂)Californiaの東隣のNevada州は、砂漠で元々ほとんど何の産業もなかったが、ギャンプルと売春を法的に認めることで、快楽の首都に(Las VegasもNevada)。(ただしCountyによっては売春は非合法。詳しくは(?)個人的に研究を重ねた人のまじめなFAQページに・・・

さて、地元のスポーツチームに、異常なまでの愛着と情熱を持つ人はアメリカ人にたくさんいる。テレビでスポーツを見てばかりいるダンナを持った妻を「Sports Widow」と呼ぶくらい。命を懸けて応援しているので、大きなゲームがあると、興奮したファンが暴動を起こすのはもはやごく普通のことと化している。先週も、RaidersのSuper Bowl行きが決まった試合の後は、熱狂したファンがOaklandで車や店に火をつけて、催涙ガスを使う騒ぎとなった。今日は400人の警官が警備に当たり、逮捕者を入れる仮設収容所も2箇所設置。テレビ局はヘリコプターをOakland上空に飛ばして暴動を待つ。今ゲームが終わって1時間ちょっと、というところだが、ちょうど生中継で催涙ガスが撒かれている様子がニュースで流れている。

こうした暴れん坊が出ることに慣れているアメリカでは、ワールドカップ・サッカーをホストしたときも、特に普段を越える警備は話題に上らなかったようだ。「フーリガン?銃でその辺を乱射したりするのか?ところ構わず放火したりするのか?そうじゃなかったら、まぁごく普通のアフターゲームの騒ぎだな」というのが、私が聞いたアメリカ人の意見である。タフだなぁ。

ちなみに、Oakland Raidersは大差で敗れ去ってしまった。中継でも「nightmareのような」という言葉が頻出。ただでさえへこんでいるベイエリアの景気に影響しなければ良いのだが。

Super Bowlとlocalism」への2件のフィードバック

  1. 東京は便利な都市ですが、なかなかコミュニティとか郷土愛が芽生えにくい土地ですよね。
    地元チームといっても巨人は全国区だし、サッカーは最近 J League の在京チームも今ひとつ元気が無いし。
    皆でサポートできるチームがあるのは逆にうらやましい気がします。
    on, off and beyond で新装開店の Chika Blog の今後の展開、楽しみです。Profile Page も相変わらず、Chika 節にあふれていてさすがです。
    (beyond も時々書いてもらえると嬉しいですね。リアルな夢の話とか、お得意(?)の心霊話とか(笑)。)

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  2. 東京はそれぞれの区を独立自治区にすると盛り上がるかもしれないですね。
    あ、それと私のbeyondは、ひ・み・つです。

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