CIAのベンチャーキャピタル

何事も思い立ったら行動に起こす国アメリカでは、CIAすら例外ではない。なんと、シリコンバレーのVC集積地、Sand Hill Roadにベンチャーキャピタルを持っている。その名もJames Bond映画からとったIn-Q-Telというお茶目なもの。ヘッドのLouieは”Mister Q”と呼ばれているとかいないとか。

サンノゼマーキュリーニュースの記事にあるように、年間予算$35Mと小ぶりなものだが、まぁ普通のファンドが3年かけて投資するとすれば、$100Mのファンドに匹敵する。投資対象はCIAの活動に役に立つもの、ということで、例えばknowledge managementのTacitとか、Stratifyとか。

不況のときは国家予算で乗り切る、というのはベンチャーの世界にも通用する法則。Oracleがその良い例で、不況の80年代に公共事業向けの受注で成長した。そのせいで、逆にVCからの出資を仰がずにすんだので、上場後CEOのLarry Elisonは超お金持ちになったのである。(「VCから出資してもらえなかったから、公共事業で食いつないだ」ともいえるが、まぁ塞翁が馬ということだ)

ちなみに、CIAのサイトはとっても役に立つ。世界各国の基礎情報が掲載されているページでは、それぞれの国が自国で行う国勢調査よりも早く人口やデモグラフィックの推定情報がでる。昔は「CIA FAQ」と称して「CIAは人を暗殺するんですか?」「いえ、そんなにしません」などという率直なことが淡々と書いてあって面白かったのだが、さすがになくなってしまった。残念。

なお、最近はCIAのみならず、米国の軍隊もベンチャーキャピタル的な予算を年間$25Mほど獲得。例えば、Soldier Nanotechnology(兵士用ナノテク)ということで、ハイテクな軍服素材開発などをしている。ベンチャー企業投資だけでなく、MITとのコラボレーションにも手を出している。

ダイナミックである。

CIAのベンチャーキャピタル」への6件のフィードバック

  1. In-Q-Telの他にspook系VCとして知られているものにSAIC Venture Capital Corpがありますね。この親会社のSAICは、40000人が働く大組織で政府関係の調達が主な売上げ。DoDとNSAとに深い関係があるといわれています。コンピューターセキュリティ、通信、無線関係に多く出資しています。また95年にSAICがInterNICを買ったときは一部で議論が起きてました。今ではInternetのdomain nameの管理はVeriSignがやっていますが、SAICはそこにも出資しています。

    いいね

  2. アメリカにはいわゆるSIerってあまりないのですが、SAICは数少ない日本的SIerですね。(つまり、システム構築だけではなく、自前のアプリも結構開発していて、しかも売り上げ規模が大きい、というシステム構築の会社、)ちなみに、アメリカも政府系のお役所仕事ぶりは目を覆うものがあります。例えば、NASAも90年代前半にTCP/IPではないネットワーク導入を決断、いまだにそれを使っているので、NASAのネットワークエンジニアの友人は他に得がたい特殊スキルを持った担当者として、全米を旅しながらネットワーク管理をしています。こういう類の顧客がいると、SIerもかなり安定した仕事ができますねよね。

    いいね

  3. ちなみにアメリカの政府系仕事の支払いサイクルはどうなっているのだろーか、と疑問が。というのは今、日本のお役所系のプロジェクトに関わっていて「支払いは年に一回4月のみ」というのを知って「この人たち頭おかしー」という気がしてるので。
    通常の会社なら(特にCaliforniaなら)給料は各週払い、それ以外でも週末〆の翌々週末払いくらいですよね。ということは、まさかとは思うけど年一回しか支払いがされなかったら、会社の経営ってどうなるわけ????

    いいね

  4. Sasuga Joi, you know eveyrone. In-Q-Tel’s investments have been watched with keen interest, since In-Q-Tel is supposed to promote the portfolio companies’ products among government agencies (military, CIA etc). Governments are the only ones that are spending MORE money these days, particularly for homeland security issues. (some say up to 200B dollar..)
    Gt-san, 政府がいつお金を払うのか私も知りませんが、一年に一回ということはいくらなんでもないと思います。日本のお役人の友人が「一年に一回しか名刺を作ってもらえないので、なくなったら自腹で作ってる」といってましたが、これも「頭おかしー」ですね。

    いいね

  5. おお、その日本の役人のお友達の話「一年に一回しか名刺を作ってもらえない」というのが事実を証明しているでしょう。1年に一回しか支払いがないから、1年に一回しか名刺も発注できないのです。名刺屋さんのようなキャッシュフロー経営のみの小企業が「名刺200枚よろしく。XX省の規定で支払いは1年後になります」なんて注文受け付けるはずないですからね。富士通とか日立とかNECが名刺作るなら受けられる仕事でしょうけど。大企業のみが政府の仕事を取れるようになってしまった訳は、こうしたフツーのビジネスと整合しない支払い手続き構造だというのが、一番もっともな説明かも。

    いいね

コメントする