シリコンバレーがバブルかもしれない49の理由

Silicon Valley Unicorns

ぼそぼそと何年か書いていたYomiuri Online向けのコラムが最終回となりました。次回は同じYomiuri Onlineのどこか別の欄に書いてみることになるらしい。で、最終回向けにいろいろ調べたらついうっかり冒頭のような必要ないグラフなどを無駄に作ってしまったので公開。なお、このブログだけ読んでもなんだかとりとめがないと思うので、できればコラムの方を読んでから戻っていただけると素晴らしいです。

記事の内容はユニコーンバブルで、「ユニコーンへの投資バブルがはじけたらシリコンバレーに何が起こるのか」というのがお題である。(ユニコーンとは時価総額10億ドル以上のベンチャーのこと。)

まずシリコンバレーにユニコーンは何社あるのか、というと49社。(タイトルの意味はこれだけです。)そしてその49社を所在地別に創業年の時系列でグラフにしたのが冒頭のものだ。円の大きさは時価総額、円の色は直近の増資からどれくらい時間が経っているか。青が18ヶ月未満、黄色が18ヶ月以上2年未満、赤が2年以上である。ユニコーンに資金が集中する昨今、1年以内に増資をしていないのはかなりビジネスが厳しからと考えられる。一応猶予期間を6ヶ月加えて、18ヶ月以内に増資していれば正しい脈がある感じ、それを過ぎるとやや危険ゾーン、2年以上となると相当に厳しい、という感じになる。

黄色と赤のベンチャーは社名を書いた。Dropbox、期待してたのになぁ、、、と言いますか、わたくし有料ユーザでございますのでぜひ頑張っていただきたいのだが。

一方、イケイケのユニコーンでは1年に3回増資するのも珍しくなく、Uberに至っては去年の12月からだけで8回増資している。集金マシーンである。「いくらなんでも行き過ぎてないの?」と心配になりますなぁ。

なお、知人より「妙に情報量が多いグラフなのに、縦軸にほとんど意味がないのが笑いを誘う」というコメントをいただいた。うーん、地元民的には結構意味があるんだけど、確かにサンフランシスコかパロアルトかサンノゼかって、外部の人には意味がない情報でしたね。ま、その辺自己満足グラフなので。

以上、ソースはWall Street JournalのThe Billion Dollar Startup ClubCBInsightsで、グラフの元データは下記の通り。

労働人口

なお、こうしたユニコーンで働く人たちがどれくらいいるのかをカウントするため、Glassdoorで推定社員数を見てそれも書き入れてある。(あくまで推定ですが)。下限値総和で2万4千人、上限だと7万8千人となる。

一方、シリコンバレーの労働者数についてはJoint Venture Silicon Valleyが出している数字からSilicon ValleySan Franciscoを足すとトータル180万人、うちTier 1はエグゼクティブ、弁護士、会計士、医師、エンジニア、研究者、プログラマなどで、こちらが45万人。

オフィススペース

さらに、一人当たりオフィススペースを150 square feet(参照Quora: What is the average square footage of office space reserved per person for a technology startup? )とすると、ユニコーンが借りているオフィススペースは360万sqftから1170万sqftとなる。将来性を見越してもっと借りているところも多いが。

一方シリコンバレーのオフィススペースのトータルは、というと不動産のJones Lang LaSalle社が出しているレポートから、San FranciscoPeninsulaSouth BayEast Bayの数字を足すと2億3千万sqft(約2千万m2)。

家賃ほか

サンフランシスコの平均家賃(中央値)は4225ドル(約50万円)、南の方も結構高い。渋滞もひどいし。

以上、なんだかむやみに一生懸命数字を漁ってみた。冒頭で述べた通り、これだけ読んでもなんだかよくわからないと思うので、以上もろもろの数字から、私がユニコーンバブルの行方をどう考えているかは、Yomiuri Onlineのコラムを読んでください。

シリコンバレーがバブルかもしれない49の理由」への2件のフィードバック

  1. ポスティングを拝見して安心しました。2001年のクラッシュは本当に疲れたので、次は同じようにはならないことを祈るばかりです。
    サウスベイは大型の土地開発案件がひしめいていて、クパチーノのValco Mallは全部建て替えで総芝生屋根になるそうです(予算は$3.5B). 他にもLevi Stadiumの隣のゴルフコースは$6.5Bの商業施設になるそうですが、景気のいいうちに完成するのかなー、と思います。
    Uberはカーネギーメロンの自動運転の研究者をほとんど引き抜いたそうなので、すごい開発費を注いでいるのかもしれません。アップルは今North San Joseで広大な土地を買い集めていますが、地元紙によれば車の開発拠点にするのではないかとのことです。クラッシュの後のビジネスにつながるのでしょうか。

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  2. フランスのドキュメンタリーを昨年bsNHKで観ました。アメリカって国としては既に終わってますね。シリコンバレーに名立たる大手IT企業が集積して、自社社員専用のバスが公共バスを駆逐し、所得税を徴収しようものなら他の場所へ会社移すぞと地元行政に脅迫まがいの要求、瀟洒な警察署を自社で建てて、若い女性警官を年収2,400万円で雇い(当然F社最優先で警察活動させてるらしい)、もちろん企業マニュアル通りの答えしか彼らにはさせない、IT企業と不動産業者が結託した地上げ屋まがいの行為等々。大手IT企業って企業マフィアまがいのことを堂々とするのですね。政治が機能しなくなれば小利口な事を言って何も出来ない、しない政治家よりもトランプみたいなのを真面目に応援する人達が多数出てくる理由が分かる気がしました。世界に大迷惑かけてる連中は東海岸のGSはじめ金融機関、財務省、FRB、毒饅頭食わされた与野党の政治家達ラインだけではないんですね。企業批判ドキュメンタリーということを差し引いてみても、「アメリカ」が本当に「駄目リカ」になったと改めて思いました。ダメダメと言われてる日本ですが、何ぼかマシです。あんな事しちゃ駄目でしょ(爆)。
    ttp://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=151123

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