シリコンバレー停電事情

シリコンバレーでは停電は突然やってくる。しかも頻繁にやってくる。特に何のイベントがなくても時折停電になるのだが、過去10年ほどの間に特にひどい停電が2度ほどあった。

まず2001年。これはEnronのせいで電力需給が狂って、カリフォルニア州丸ごと電力不足になったので。このときは計画停電で、地域ごとに停電させていく方式だったのだが、計画の内容は知らされず。

停電になるのはわかるが、何時からかはわからない。

料理をしようといろいろ切ったりした後、鍋を電気コンロにかけたところで「ばちーん」と停電、舌打ちして外出、電気のついているレストランを求めてさまよう、というような毎日であった。(もちろん、停電に巻き込まれた病院などは大変だった模様。)

ちなみに、輪番停電は英語ではrolling blackoutといいます。

さらに、確か2006年の夏には、猛暑で電信柱の上のトランスフォーマーが故障しまくり、広域停電した。このときは電力会社の修理が間に合わず、一旦停電したら数日、ひどいところでは数週間戻らないところもあったりして、なかなかにサバイバルであった。我が家も1-2日やられ、かろうじて微弱なクーラーが効いている公共図書館やIKEAに避難した。IKEAは、同じような停電避難民であふれ、普通にベッドで寝てる家族とか、ソファで団欒してる家族に占拠されておりました。

そういう「非常事態」以外でも、日常それなりに停電は起こる。つい3日前も、朝8時半から数時間、夕方4時半ごろから15分ほど、前触れもなく停電した。

停電すると、いろいろなタイマー合体型の時計が消えてしまい、電気が戻ってきたときに全部時間を合わせないといけない。その点、日本からやってきた電化製品(炊飯器とか)は、停電のない(なかった)国からやってきたにもかかわらず、停電してもタイマー・時計だけは持続されるものが多くてえらい。

一方、同じく停電のない(なかった)日本からやってきた瞬間ガス湯沸かし器を使っているのだが、これは電気がないとコントロール不能になって湯が沸かなくなるのが困りもの。シャワーを浴びるためだけにジムに行ったりしないとならず、大変面倒。普通のコンセントに差し込む式ではなく、直結型なので、発電機につなげたコンセントを使うわけにもいかない。(ノーリツさん、なんとかしてください)。

それでも、広域な停電はまだましで、電力会社もなんとか早く直そうとする。しかし、ごく限られた停電(1ストリートだけ、とか)だと、結構時間がかかる。私の知人は、彼らの家だけ停電したが、修理が来ず、3−4日間、隣の人から長いコードを引いて「借電」し生き延びていた。

「シリコンバレーにたくさんあるIT企業は停電だとどうするんですか?」

と日本から来る人に時々聞かれるが、みな「今日は仕事終わり」と家に帰っておしまい、という感じでしょうか。家が停電していなければ家で働くのもありだが、社内システムが丸ごと落ちてて仕事にならないケースも。(自家発電できる会社もあるかもしれませんが・・・)。

ちょっと驚いたのは、信号の停電への対応の整然さ。

基本的には4-way stopのルールが適応される。これは、全方向「止まれ」のある交差点では、一旦停止の上、先にきた車から進入、複数の車が同時にきた場合は右側の車を優先する、というルール。信号が停電していると4-way stopと見なされ、「一旦停止→右側優先」となる。

・・・のであるが、これが巨大な交差点でも機能してるのにびっくり。

アメリカに来たばかりの頃、片側3車線の大きな道路が交わる交差点で信号が消えていたことがあった。交通整理の警察官はいない。全方向、結構な交通量だったのだが、全員が一時停止し、順繰りに3台ずつ交差点を通り抜ける。スケール感としては、日比谷通りと晴海通りの交差点でこれが起こっているイメージです。

(ローカルの方へ:El CaminoとPage Millの交差点でした。)

さすが、停電慣れしている人たちは違う、と感銘を受けたのであった。(ただ、極めて効率は悪いので、大渋滞は免れない。)

+++

以下、あまり役に立たなさそうだし、日本でも通用するかは不明ですが、当地での停電の心得です。

  • 停電するときは、「ばちーん」と音がして結構怖いこともあるがたいてい何も壊れていないので大丈夫
  • 冷蔵庫は扉を開けなければ数時間は大丈夫。その位だったら冷凍庫内も少し氷が解ける程度で済む
  • 電力は、戻ってくるときも突然なので、危険そうなもののコンセントは抜いておく
  • どうしても電源が切れるとまずいものはUPS(無停電電源装置)で保護
  • ハイブリッド車を持っていれば、DC/ACコンバータをつなげることで、非常に効率のよい発電機代わりとなり、Priusだと、初代モデルで800w, 2代目以降で1.2kw程度になるそう(すべてPriusオタクのダンナ情報で私は未確認です)。もちろんガソリンは必要

 日本の皆様はお気をつけ下さいませ。

===

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シリコンバレー停電事情」への8件のフィードバック

  1. ぼくの いる Palo Alto は PG&E じゃないので、blackout なんて ぜんぜん ありませんよ。って、ときどき あるけれどね、ひこうきが おちたり して。わ

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  2. 私も1990年代から2000年代のはじめころ、スタンフォードキャンパス内と、マウンテン・ビューに限りなくちかいパロアルトに住んでいたことありますが、そんなに頻繁に停電するという印象はありませんでした。今住んでいる中西部の街でも、電気が切れるのは大抵自分の家のブレーカーが落ちたときで、電気会社が登場しなくてはならなかったのは、ものすごい嵐が起きたときぐらいじゃないかな。千賀さんがいらっしゃるあたりの電気会社が悪いのか、割合短い間に急発展した地域だから、インフラ整備が追いついていないのかな?お金は沢山あるでしょうに。。。

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  3. chikaです。
    「頻繁」とは、さすがに毎週ある、とかではなく、1年に数回はエリア内のどこかで停電が起きている、というイメージです。。(大げさに言っちゃいましたかね、すみません。日本だと、停電は何十年かに一回、大惨事限定、という感じなので、そこからの比較で「頻繁」と書きました。)
    「自分の家」「家族の勤務先」に限定すれば、我が家で1年から1年半に1回のペースでしょうか。
    山の方に行くと、だんだんと停電の深刻度はあがります。うちは、山に入りかけ、という感じなので、Palo Altoの平地よりは頻度高し。さらに山の方に行くと、Los Altos Hillsの奥の方に住んでる知人は小ぶりながらコジェネプラントを自宅に持ってます。
    でも、2001年のrolling blackoutsはPalo Alto, Stanfordも巻き込まれたはずですが、経験しなかったですか?Stanford病院をどう守るか、で結構ニュースになったりしましたが。私はPalo AltoのUniversity Avenueに住んでいましたが、rollingなblackoutがやってきましたですよ。
    うちの電気会社はあの、ガス大爆発を起こしたPG&Eです。

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  4. 本当に、誰が混乱してるんだろう?と思えるほどマスコミが騒動を繰り返し報道していました。
    昔は日本でも結構あったように思いますし、生命維持に電気が必要な人がそんなにいるとは思えませんが・・・
    あまりにもあらゆることが極端に合理化されて、全てがその最適化された方法で隙間なく実行されている感じがします。
    テレビなんかでも、しばらくお待ちください・・・なんていう画面が昔ありましたが、そういう隙間があったほうが良い番組が作れそうな気がしますけどね。

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  5. 私の使っている瞬間湯沸かし器はBOSCH製で水が流れるときの水流を使ってモーターを動かして発電しその電力でバッテリーを充電しコントロール回路に使用しています。
    なかなか賢いです。
    外部電源は要りません。
    ただモーターのブーンと言う音がします。

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  6. >みな「今日は仕事終わり」と家に帰っておしまい、
    米国は(フレックスタイムで?)自動車通勤なのに、日本、特に首都圏はたとえ何があろうと定時出社を義務づけられていて電車通勤が中心という差はありますまいか。
    当然ですが電気が止まると電車も止まります。仮にごく一部の区間のみの停電だったとしても、停電区間を挟んで折り返し運転で、しかも本数は大幅に減便になり、その路線の利用者は帰宅難民にならざるを得ません。停電になったら仕事は終わっても、家に帰れなくなるのです。
    一昨日だったかな。東電が「大規模停電もあり得る」みたいなパニックを誘う発表をしたせいで、「東電が電車を止めるから、今日は帰れないかもしれない!今すぐ帰らないと!!」と考えた人たちによる帰宅パニックが発生しましたよ。駅に入るまでで1時間以上というのもさほど珍しくなかったとか。
    そういう発表をすれば、こうなることなんてわかりきってるじゃ無いですか。東電ももう少し頭を使って欲しいですね。

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  7. Chikaさん、ご無沙汰しております。
    私の育ったシカゴでもしょっちゅう停電だったので、日本に来たときには、停電しないシステムに驚きました。停電になったら、真冬のシカゴは死活問題。暖炉の前に雪山用の寝袋を持っていき、そこで寝てましたね~
    念のため、この寝袋を持って帰国していて良かったです。
    今回は平日毎日停電なので、そして、夜10時までのところがあるので、(しかも今年はかなり寒い)そこにあたった人たちは結構辛いという話を聞きます。とはいえ、しばらく続きそうなので、そのうち慣れるだろうという声も聞こえてきていますが... 
    ちなみに、今回の停電はrolling blackoutではなく、scheduled blackoutと呼ばれているようです~~ 

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