meetとseeに関するメモ

実は私、いまだに「エスカレーター」と「エレベーター」、どれがどっちかとっさにわからない。中学・高校の頃よく行ってた吉祥寺のパルコというデパートのエスカレーターで、セクシーな女性の声の英語のアナウンスがいつもかかっていて「When you take the escalator…」とはじまるのだが、この音声を文頭から丸々思い出してはじめて「階段がエスカレーター」と判断できる。ま、長年やってきたので1秒あればわかるんですけど、でも、1秒かかります。

っていうか、パルコがなかったら今頃私はどうなっているのだろうか。ありがとう吉祥寺パルコ。

・・・と前置きが長いんですが、同じようにいつまでも混乱するのが「会う」という意味でのmeetとseeの違い。

問)

It’s nice to meet you.

It’s nice to meet with you.

It’s nice to see you.

さて、それぞれどう違うでしょうか。

答)

It’s nice to meet you.

=はじめて会った人に言う。meet というのがそもそも、「はじめて会う」っていう意味なのです。

It’s nice to meet with you.

=ビジネスのミーテイング相手に言う。meet with(誰か)はビジネスミーティングで会う、というニュアンス。

It’s nice to see you.

=知り合いに言う。何度会った後でも、会う=see。

つまり、日本語の「会う」が英語だと

  • 初めて会う(meet)

−(二回目以降に)会う(see)

に分化しているのでした。

で、私はその違いがあるのは判ってても、とっさにどっちがどっちか忘れてしまって、友達に

It’s nice to meet you

とやってしまい、「え、知り合いなのに、この人何言ってるの?」と相手が怪訝な顔をする、という経験が複数あり。うーん、吉祥寺パルコ相当の「正しい記憶に至るトリガー」があるといいのだが・・・。

***

余談ながら、Meet the parentsという映画があったが、あれは「はじめて付き合っている相手の両親に会う」という緊張感がタイトルに含まれているのですね。

ちなみに、「会う」は英語だと二つになるわけだが、日本語の「思い出す」と「覚えている」は英語だと一つになってremember。日本人的には、最初の頃は何とかして「思い出す」と「覚えている」のニュアンスの違いを表現したいと思っていたが、だんだんどうでもよくなった。そのうち、日本語で話している時に、「思い出す」と「覚えている」を間違ってしまう日が来るのでしょうか。

***

というわけで、このエントリーが、meetとseeに関する吉祥寺パルコになることを祈って書いてみました。

meetとseeに関するメモ」への14件のフィードバック

  1. rightとleftも昔たまに混乱して、「”右手=right”で”書く=write”でしょ」と習いました。
    東と西は「”みぎひがし”、”ひだりにし”でどっちも5文字だよ」とか。
    やっぱり1秒かかるんですけどね・・・。

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  2. いやー、これは自分にも見に覚えがあります。在米7年ですが未だに久しぶりに会う人を見かけると、「これはseeだよな」と頭のなかで数秒シミュレートしてから口に出します。思わず “Nice to meet you” と言ってしまった時の敗北感は筆舌に尽くし難いものが(笑)

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  3. 私、meetとseeはわかるのですが、いまだに、
    Nice to meet you.
    Nice meeting you.
    の違いが果たしてあるのかないのかわかりません。
    中学英語では、
    It’s nice to meet you. は出会ってすぐ、
    It’s nice meeting you.は初めて会ったときに話し終わって別れ際、
    と習ったのですが、別れ際に”Nice to meet you”という人があまりに多い気がして混乱しています。
    たぶん、この別れ際に言う人は”(It was) nice to meet you.”の(It was)を省略してるんだと解釈してるんですが、それでいいんでしょうか?
    ちなみにEnglish nativeに聞いてもそんな細かいこと考えてしゃべってないので知らん、と言われます。

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  4. 別れ際のNice to meet you.
    「(今まで何度も会っているけど、しばらく会えなくなる。でも、)あなたに会えてよかった」の意味でNice to meet you.と言ったことがあるのですが、「初めて会う」のがmeetだとしたら、誤用だったのだろうか・・・。
    別れ際のNice to meet you.も初めて出会った時だけ?

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  5. chikaです
    >「”みぎひがし”、”ひだりにし”でどっちも5文字だよ」
    これはまたすごいcomplicatedなclueです。。。。ww
    >Watch your step
    あ、それも耳に残ってます。
    >敗北感は筆舌に尽くし難い
    そうそう、相手の「あれっ?」って雰囲気がなんともいえませんw
    >Nice to meet you.
    Nice meeting you.
    の違い
    はla dolce vitaさんが言ってるとおりであってると思うんですが。
    >誤用だったのだろうか
    誤用だと思います。別れ際も、今まで何度も会ってる人だったらit was nice seeing you, it was nice to see you

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  6. Meet と seeの違いの原則は千賀さんのご説明に賛成だけど、la dorce vita さんやゆうさんの混乱もちょっと分かる。よくは思い出せないのだけど、私も、「え?ここでmeetでいいの?」って思ったことあるから。
    というわけで、辞書サイトwww.m-w.comを引いてみました。
    http://www.merriam-webster.com/dictionary/meet
    千賀さんが指摘されている「知り合う」という意味は、第8番目の意味ですね。第一番目は「ある特定の場所や時に会うこと。」例文は、I’ll meet you at the station. これははじめての人でなくても使いますね。要するに場所とか時が指定されていれば、初めてでなくても使えるっていうことかな?
    ちなみにrememberに「思い出す」と「覚えてる」の両方の意味が、確かにありますね。その二つのニュアンスを、私も区別しようとしてきたけど、千賀さんの文章を拝見して、これからrememberで統一してしまおうかな、と思い始めました。

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  7. meet→出会う。
    see→会う。
    こうやって区別するようにしているのですが、思い出すのに数秒かかるので、会話の中で実用にならない。

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  8. 日本の学校英語で「間違い」と教えられた英語が実際はまかり通っているという例にちょくちょく出会います。(世代の問題か?わたしが学校英語に接したのはもう30年以上前のことなので。)
    たとえば”How are you?”には”I’m fine, thank you.”であって”I’m good.”と言ってはいけないとか、野球帽はcapであってhatではないとか、やかましく教えられましたけど、アメリカ人は平気で”I’m good.”と答え、野球帽を指してhatと言う。
    そのくせmeetとseeの違い、それからseeとlookの違いなんかはあんまり教えてくれなかったような気が、、、今でも日本ではこんな英語を教えてるんでしょうか?

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  9. Chikaさんの英語シリーズ、いつも楽しみにしています。
    “meet” は、Rakoさんの言う通り、特定の場所、時間に会う場合、知り合いであっても良く使うと思います。例えば、仕事が終わって、皆で食事に行く際、”I’ll meet you in the lobby.”と言う気がします。難しいですね。
      こういう場合、”see”の方が”interchangeablely”に使えるので、便利かも。

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  10. カリフォルニアの大学群で学費の増額が暴動を起こしていることについて何かちかさんの知っている範囲でコメントしてくださいませんか?それについての展望など。

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  11. 私もエレベーターとエスカレーターはよく混乱していましたが、
    「girl」をつけるとすぐにわかると教えてもらってからは
    すぐに判断可能になりました(笑)

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  12. いつも楽しみに拝見していますが、
    私の疑問に答えてくれた今回は、とてもヒット!しました。
    エレベータとエスカレータ、私もすぐにわからないで長年きました。それを話しても、何で?といわれていて説明し切れなかったのですが、Shinさんのガールをつけるというのと併せて、氷解しました。
    See とMeet (meet with) もそうです。ここにあるコメントのどれもなるほど感が強く、晴れ晴れした日曜の朝を迎えました(東京は雨ですが・・・)。

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  13. こんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。
    「トリガー」が必要なお気持ち、すごくわかります!
    私は、太陽がどちらの方角から上がるのか、を思い出す時、
    「西からのぼったお日様が、東~へしず~むう~」という
    天才バカボンのテーマソングをまず頭の中で歌い、
    真理はその逆であるから、太陽は東から登るのだ、
    という手順で思い出しています。
    で、私も長年やってきたのですごく早くなりました!

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