盲人用カメラ-続き

昨日のエントリーの「盲人用画像音変換カメラを利用した女性がなぜか奥行き知覚を得られるようになった」という点に関して関して、shiroさんからのコメントと、功徳日記blogさんのトラックバック双方で「両眼視以外の遠近があるはず」とのこと。おっしゃる通りです。エッシャーの騙し絵的、ダビンチの遠近法的な奥行き知覚というのがありますね。(詳しくは功徳小屋の説明をご覧下さい)

ちなみに、功徳日記でコメントされている「映像情報を直接脳に伝達するチップを眼底に埋め込んで、盲目の人でもモノが見えるようにしよう」という画期的恐怖的技術ですが、実際に開発が進んでいます。

例えば電気刺激を直接脳に送り込むOptobionics社。Artificial Retina Sheds New Lightによれば、既に10人がトライアルで埋め込んだとのこと。

あと、電気信号ではなくて、化学物質を視神経に送るシステムを開発している会社もあって、その会社についての記事を読んだ記憶はあるのですが見つからず。確か開発はこちらの方が随分遅れていたと記憶しています。が、記事の中で同社が「化学物質型の方が電気信号型よりチップの寿命が長いのだ」と言っていたと思います(一見逆っぽいですが)。

盲人用ではありませんが、低視力者向けに目の中に豆粒ほどの望遠鏡を埋め込むというVisionCareも人体実験、もとい臨床実験を実施中です。

また、昨日の盲人用カメラを一歩進めて、カメラが捕らえた画像を電気信号に変換し、埋め込みチップから直接脳に送り込むシステムを開発しているDobelleという会社もあります。こちらも果敢にもトライしている人がいるようです。詳しくはWiredの記事へ。結構不気味ですが。

というわけで、いろいろな試みが行われているんですね。

一方で、生まれたときから目の見えない人の場合、人生の途中で視覚を突然与えられても処理しきれない、ということもあって、チップ埋め込みもオールマイティではないんですよね。この辺はいずれまた、Oliver Sacks話で触れたいと思います。では。

盲人用カメラ-続き」への4件のフィードバック

  1. 昨年ディスカバリーチャンネルで眼底へのチップ埋め込み手術について放送していたのを思い出しました。
    アメリカではなく、オーストラリアだったような気もするのですが
    何分はっきりとは覚えておりません。
    どなたか見ていた方いらっしゃいますか?

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  2. 一説によれば,両眼視差が立体認識で支配的役割を果たすのは,約1.5m先までで,それ以上は経験のほうが支配的という話を聞いたことがあります.
    音の定位などは,音源が遠い場合でも割と方向がわかるような気がします.

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  3. これを見て、StarTrekのGeordi LaForge がしているバイザーを思い出しました。 確かバイザーは音ではなく脳に直接信号を送るタイプだったと思います。
    この技術、簡単な仕組みなわりに結構使えてしまう、というのがミソだと思うのですが、やはり耳から音を通してだと帯域が限られるので、将来的には脳または視神経に直接、というのが本命ではないでしょうか。
    バイザーの場合は、紫外線、赤外線、磁場なども見れるようです。たしかに信号に変換するので、ソースが可視光線である必要は無いわけです。 そう遠くない将来、目の見える人が見えないひとに、”暗くてよく見えないんだけど、赤外線で見てくれない?”なんて頼む日がくるかも知れません。 なんて、夢はどんどんふくらんでしまいます。
    やっぱり、技術的に可能だなぁ、というSFの世界のものを実際に作ってしまうのってすごいですね。 エンジニアのハシクレとして、ひさびさにちょっとワクワクしました。

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  4. SFの世界が現実になるのを目にすると感動しますよね。私は80年代後半、新宿辺りを夕暮れ時に運転していて、フルカラーの動画スクリーンつき飛行船にビールの宣伝が映し出されるのを見て「おお、ブレードランナー」とジーンと来ました。
    眼底チップ埋め込みは結構あちこちでトライされているようですので、オーストラリアにもあるかもしれないですね。
    「音の定位」については、以前ダイビングでしばらく片方の耳が聞こえなくなったことがありました。その時、人の声が反響してうるさいレストランで食事をして、自分のテーブルの人の話が聞き取れなくて驚いたことが。「周囲のテーブルは声のでかいアメリカ人」「自分のテーブルは声の小さい日本人」というハンディはあったものの、通常だったら問題ないレベル。ところが片耳だと、音に奥行きが無く、全て平たく聞こえるため、特定の音にフォーカスできないんですよね。「なるほど、普段は特定距離にある音のみをピックアップする、という芸の細かい技を耳は繰り出しているのだな」と納得。

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