Google・Friendster・星新一の世界

Googleが出会い系ベンチャー(というと超胡散臭い響きだが)のFriendsterを買うのではないかという噂。CNETのGoogle in need of a Friendster indeed?などなど。噂の元は「FriendsterのCEOがGoogleの社食で複数回目撃されたから」と。Googleの社食といえば、Greatful Deadのお抱えシェフだった人が料理をしているので有名(とういうほどでもないが・・・)。

Friendsterのポイントは、自分のプロファイルが知り合いの知り合いだけに公開されるところ。Match.comのように不特定多数と出会うのではなく、「友達の友達(のそのまた友達)」だけの閉じたネットワーク。

アメリカ人のカップルというのは、似たような経歴と収入レベルということが多く、玉の輿も逆玉もあまりない。カップル単位で行動することが基本なので、話が合わないと友達の輪に入れないという問題もあるし、まぁ、カップル=究極の友達、というコンセプトがあるので、友達になれないようだとカップルにもなれない、ということもある。クリントン夫妻のようにダンナ=政治家、奥さん=弁護士、みたいなのが普通。付き合っているだけのカップルでも通常はそういう感じ。

加えて、友達の友達、ということであれば、少なくとも最低限のチェックが済んでいるということも大きい。Match.comで知り合った人とデートしたら、変な人で怖かった経験がある、というシングルの友達は結構いる。

ちなみに、アメリカの出会いサイトは、日本のような合コン友達探しではなく、真剣にパートナーを探そう、というシリアスなものが多い。(以前書いたDiversity and Dating in Silicon Valley をご参照下さい。)

ということで密かに爆発的人気を呼んでいる(らしい)Friendster。デートだけでなく、州知事選で選挙活動に使った候補もいたとのこと。(Schewarzeneggerではなく、Arianna Huffingtonという人。彼女は昨日選挙戦から脱落したが。)

ちなみに、Googleは今年になってBloggerサイトをやっているPyraを買収、さらに昨日9月30日には、6月にStanfordからスピンアウトしたばかりのKaltixを買収。どちらも恐らく数億円(もしかしたらそれ以下)のミニミニディール。Friendsterもエンジェルから100万ドル集めただけで無料サービス中だから、かなり小ぶり。しかもどれも数名のチームの会社なので、買収先のチームを社内に統合するのも楽。(実際、新入社員を採用するのとそれほど大きく違わないはず)中々お買い物上手だ。

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星新一のショートショートに、全ての人が個人情報入りの携帯端末を持っている、という未来社会が出てくるものがあった。知らない人と会ったら、携帯端末(もしかしたらカードだったかも・・・)を取り出して、相互のプロファイルをシンクすると、共通の趣味や話題が検索され、それをネタに話をする。話の中では、バーで出会った見ず知らずの2人が、「まずはお近づきに」みたいな感じでシンクするのだが、「共通項なし」で「だめか」と会話もなく黙々とそれぞれ酒を飲む、というものだったと記憶している。

Friendsterも共通の知り合いがいて、何らかの話題があることが保障された人の中から、自分と気が合いそうなプロファイル(とルックス)を持った人とだけ知り合う、というシステムなわけで、子供の頃に読んだSFの世界がじわじわと実現していることを感じます。