Business2.0のBaby Billsは次世代の卓越したリーダーがMicrosoftの社内で育っているという話。タイトルは、アメリカの地域電話会社がBaby Bellsと呼ばれるのにもじって。
取り上げられている人材は
Eric Rudder 36才/Microsoft勤続14年
Chris Jones 34/12
J.Allard 34/12
Yusuf Mehdi 37/12
Steve Sinofsky 38/14
Martin Taylor 33/11
Tami Reller 39/19(Microsoftに買収されたGreat Plainsの生え抜き)
Eric RudderがSenior Vice President、Martin TaylorがStrategistというのを除くと、他はCorporate VPで、その上にGroup VPがいて、その上はCEOのSteve Ballmerである。つまり偉いんである。Microsoftといっても、イマイチ大企業という実感が薄い人もいるかもしれないが、営業利益が132億ドル、実に1.5兆円。ドコモの営業利益が1兆円、トヨタで1.3兆円といえば、どれくらいすごいかわかるだろうか。
そういう大企業の部長、本部長クラスが30代。といっても、日本も80年代初頭ごろまではそうだったんじゃないか。今となっては信じがたいが、その頃の日本は、大企業でも社員平均年齢20代後半なんていう会社がざらだったんである。
そういえば、「YASHA」というタイトルの吉田秋生の少女マンガがあった。遺伝子操作によって生まれた天才の双子が、老人を集中的に殺すウィルスをばら撒くという陰謀をめぐって戦う、というものだが、「ある年代以上の人がどうしても会社に来たくなくなるウィルス」を作ってばら撒いたら何が起こるだろうか・・・。
もとい。
ハイテク企業としてMicrosoftが異色な点は、生え抜きの人材が多いこと。人事に力点を置き、傑出した人材を生み出すので知られるGE並みのプログラムを実施して次世代リーダーを育成しているんだそうだ。もちろんずっと勝ち続けている企業だから辞めるインセンティブが低いということもあるが、ワシントン州Redmontにあるというのも異質。Silicon Valleyに本社を置かないことで、半ば人材の真空隔離状態を実現、社員流動を抑えている。もちろんその代わりに周りの会社から人材を引き抜きにくいのも真実ではあるが。会社所在地は戦略的に考えよう、というのがtake awayか。