Online retailの未来

今日は、Yahooをはじめとしていろいろな企業の2Qの業績発表があったのだが、のきなみよい業績で、この間から時々私が書いているeCommerceの躍進(下記のような・・)が数字に表れてきた。

5月2日 景気
5月14日Ecommerce復活
5月18日シリコンバレーの景気が上向いてきた

さて、これからもecommerceは伸びていくことは間違いない。以前に触れたBtoBのシステムを提供するAribaもTicker symbolのARBAの最後に「危ない会社」を表すEがついていたのだが、それも取れてちょっとずつだが株価も上がってきた。(Yahoo Finance参照

このままecommerceが進むとどうなるか。その将来にあるものの一つは「価格のダイナミックアジャストメント」だと私は考えている。

大学のミクロ経済の講義の最初に出てくる需要曲線と供給曲線は皆さんおなじみだと思うのだが、物を売る側が消費者ニーズを表す需要曲線を算出するのは大変難しい。「その値段だったら買う」という消費者が、数多くの異なる価格ポイントのそれぞれで、どれくらいいるかわかって始めて需要曲線がプロットできる。しかし、一つの製品に違う値段をたくさんつけるのも難しければ、ある値段にしたらこれくらい売れる、という結果をリアルタイムで把握することも難しい。だから、需要曲線は推測の域を出にくい。

ところが、これをリテールの現場で実現し、「最も儲かる価格付け」をすることがオンラインだったら可能になる可能性がある。

そのトライアルをしていると思われるのがAmazon。私がアメリカのAmazonのサイトにアクセスすると右の上に小さくChika’s Gold Boxなるものがピカピカしている。こんな感じだ。

これは個々人にpersonalizeされた特別価格奉仕品、ということになっている。箱をクリックするとある商品が現われる。買わない、という選択をすると、次の商品が登場する。(買わないといった瞬間に、前の商品にはもう戻れない)こうやって順繰りに10数個の商品を見ることができる。箱を空けたら1時間だけその価格は有効、ということで、「今すぐ決断せよ」と迫られるのである。

大抵いりもしないものばかり。しかも、市価より高いものまである。回りの人たちと話しても誰一人Gold Boxを開けて何かを買ったという人に会わない。内容は、なべ釜、キッチンアプライアンス、工具などなど。

なんでこんなものが、、、と思うのだが、実はこれが需要曲線算出のためのギミックらしい。いろいろな属性のユーザーに、異なる価格で商品を提供、誰がどれくらい買うかを分析して需要曲線を出し、最適価格でその商品を売ろうとしているとのこと。正しい需要分析には、
1)確率統計的に有意な数の消費者がその商品を見て
2)そのうちの多くが購入せず、ごく一部だけが買う、という価格ポイントがたくさんある
という二つの条件が必要。だから、ほとんどのユーザーにとって、なかなか欲しいものが登場しないのは理にかなっているのだ。

これは、Amazonに価格最適化ソフトを売り込もうとしたとあるベンチャーの人から聞いた話。消費者の需要弾力性をリアルタイムで測ってそれを価格付けに反映させる、というのは航空券の世界では長いこと行われてきた。航空券というのは、同じ経路が突然高くなったり安くなったりやたらと変動するが、実はその後ろでは大変sophisticateされた数学的処理のプログラムが走っているのである。それを一般のリテールにも利用しようという試みが行われているわけだ。

リテールは利益が薄い。こういうプログラムで価格最適化ができれば、飛躍的に利益構造が改善する可能性が高く、技術を導入する企業としない企業で体力に圧倒的な差が出るだろう。

しかし、こういう技術が発展して、personalizeした価格付けがされるようになると、「あまり買い物をしないかわり、いざするときは値段に無頓着」という私のようなデタラメなshopperは、「こいつは需要曲線がフラットだから、思い切り吹っかけても買うぞ」という分析結果となって、他人よりやたらと高い買い物をさせられてしまったりしそう。困ったことである。

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