問題解決

「アメリカ人は問題を細分化して解決し、日本人は問題の周りを回りながら、だんだん輪を縮めて解決する」
と昔とある日本通のアメリカ人が言っていた

今日のSan Jose Mercury Newsのビジネスページを見て、その言葉を思い出した。一面(というか、正確にはまるまる3ページ)HPのことしか書いていない。というより、Carly Fiorinaについて、と言ってもいいくらいひたすら「それでHPはどうなったか」ということが幾つもの記事になって書いてある。

いわく、

The HP-Compaq Verdict: so far so good
合併は今のところ上手く言っているといっていいだろう、という内容。

One year later, `HP Way’ no longer rules workplace
17,900人の大量レイオフを通じて、HP Wayは消え去りつつある、ということ。

Catching up with Carly Fiorina
は、Fiorinaの講演でのQ&Aを原稿に起こしたもの。意外なことは特に言っていないのだが、「重要な決断は一人でするもの」とか、「偏見は偏見を持つ人の問題」とか、ふむふむ、その通りということを明快に語っていて、すっきり。後者はこんな感じだ。
Day in and day out, I see people who had to overcome a lot frequently deliver more than people who haven’t. As part of this internal compass thing, whatever people think about you, prejudices they have, those things are their problem. Don’t make it your probl

もとい、日曜版とはいえ、ビジネス欄が一社のことで埋め尽くされているなんて、日本の新聞では考えられない。しかし、ここはシリコンバレー。テクノロジーのことしか考えていない人が大多数である。好きか嫌いかは別として、とにかくテクノロジー関連の仕事をしている人ばかりなのだ。だから、日曜版をテクノロジー業界で話題となった一社だけでいっぱいにしても許される。

今日の新聞に象徴されるように、このあたりに住んでいる人のほとんどは、テクノロジー産業のことしか考えていない。基本的には。鉄鋼産業や農業や自動車産業は遠い遠い世界の出来事であり、そんなこと考える必要も余裕もない、という感じ。

アメリカは国全体がこうなっている。ハリウッドに行ったらほとんどの人がエンターテイメントしか考えていない。DCに行ったらほとんどの人が政治しか考えていない。でもそうやって、細分化して、地域ぐるみで特定産業のことだけ考えるのがアメリカ的。

というわけで、「問題は細分化して、個々のピースをばらばらに解決する」のは、個々人や組織の問題解決の場合だけではない。
「産業という問題は細分化して、個々のピースを(地域ごとに)ばらばらに推進する」
といえば、それはまさにアメリカ。国がまるごと問題分散処理という成り立ちになっていると言えるのである。

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