X-Menという人気漫画、後に転じて映画、がある。スパイダーマンとか、スーパーマンとか、ああいう路線の由緒正しいSF漫画ですね。
X-Menの出版元のMarvelは、子会社経由で、フィギュアを中国から輸入して販売していたのだが、その関税をめぐって裁判になった。「人間を模したもの」はdollで、「人間以外を模したもの」はtoyという区別があり、dollには12%、toyには6.8%という税率の差があるため、Marvel側が「X-Menは人間ではないから、toyとしての関税がかけられるべき」と政府を訴えたもの。で、Marvelが勝った。
詳しくはWall Street Journalの記事へ(有料です)。
怒ったのはファンである。「X-Menが人間ではないと主張するなんて信じられない」「許せない!」と。いわく、
“Marvel’s super heroes are supposed to be as human as you or I. They live in New York. They have families and go to work. And now they’re no longer human?”
Marvel側はあわててこんな声明を発表
“Don’t fret, Marvel fans, our heroes are living, breathing human beings — but humans who have extraordinary abilities … . A decision that the X-Men figures indeed do have ‘nonhuman’ characteristics further proves our characters have special, out-of-this world powers.”
負けた政府側の主張も笑える。いわく、
Each figure had a “distinctive individual personality,” the federal legal team argued. Some were Russians, Japanese, black, white, women, even handicapped. Wolverine, the government insisted, was simply “a man with prosthetic hands.”
これって、関税の担当者が業務のために頭をひねったのだろうか?それとも弁護士が考えたのか?彼らは実はX-Menのファンだったりするんだろうか?
しかし、こういう記事をさりげなく、でも結構詳しく載せちゃうところがWall Street Journalの人気の密かな元なのではなかろうか。オンラインで見るWall Street Journalの記事はEメールで知り合いに送ることができるようになっている。で、今日仕事関係の記事を人に送った時「最もEメールで送信された記事」の一位にこのX-Menの記事がランクされていて、ついつい読んでしまった。一位になっているところを見ると他の人にも愛されているんだろう。
大英帝国が沈んでもこれだけは残るのではないかと言われている(注:言っているのは私だけかも)Economistも、実は笑える記事がぱらりぱらりとあちこちにあって楽しみにしているのでした。