CES, Tivo, Amazon and personazation

CESがはじまった。Consumer Elecronics Show、業界人っぽく発音するならセス、ですね。ここ数年Comdexが下火になってきていて、かわりにCESが盛り上がってきている。CESのおかげで、今週はいろいろなガジェット系の新製品・新機能の発表がある。

例えば、Tivoは、ネットワークでつながったコンピュータ上の写真・ビデオ・音楽ファイルをテレビでプレイする機能を付加することを発表した。これは、かなり魅力的。なんといっても、我が家にはダンナがインターネットからダウンロードした莫大なビデオライブラリーがあるのだ。

しかし、彼のライブラリーは全て自分で焼いたCD上にある。デジタルカメラでとった写真も全部CDに収まっている。(デジタルカメラ暦は1996年からだ)

ということは。ロジスティクスを考えると、

「お、あのビデオ(または写真)を見よう」
  ↓
PCのある部屋に移動して、CDを探し出し、PCをオンしてWindowsが立ち上がるのを数分待つ
  ↓
CDをPCに入れる
  ↓
テレビのある部屋に戻ってきてTivoをオン

ということになる。この使い勝手じゃまだ駄目だなぁ・・・・。
こうなってくるとやっぱり全てのファイルを格納できて、かつ毎日24時間アクセス可能なホームサーバが必要だ。容量はテラバイト級かな、やっぱり。

ちなみに、Tivoといえば、パーソナライゼーションに関する面白い記事がしばらく前にWall Street Journalに載っていた。この記事は有料なので、下記にキモだけ抜粋する。

Tivoは、持ち主が見たテレビ番組を覚えて、そこから「きっとこの人はこういう番組が好きだろう」という番組を勝手に録画し始める。ところが、ユーザーの好みと違う番組が録画されるようになってしまうことがある。

例えば・・・「Mr. Iwanyk, 32 years old, first suspected that his TiVo thought he was gay, since it inexplicably kept recording programs with gay themes. A film studio executive in Los Angeles and the self-described “straightest guy on earth,” he tried to tame TiVo ‘s gay fixation by recording war movies and other “guy stuff.”

“The problem was, I overcompensated,” he says. “It started giving me documentaries on Joseph Goebbels and Adolf Eichmann. It stopped thinking I was gay and decided I was a crazy guy reminiscing about the Third Reich.” 」

なぜかTivoにゲイだと思われてしまい、ゲイ関係の番組がどんどん録画されるようになってしまったストレートの男性が、「違うんだぁっ」とばかり、戦争映画など「マッチョ系」をひたすらプログラムし続けたところ、今度は「ナチスドイツが好きなクレージーな男」という風にTivoに誤解され、ゲッペルスやアイヒマンのドキュメンタリが録画されるようになってしまった、というもの。

それ以外にも、同様にTivoにゲイだと思われた男性が、ヘテロセックス系のポルノを録画し続けてついに「好色なただの男」とTivoにわかってもらえ、「My TiVo doesn’t look at me funny anymore.」と安心する、とか。(そのかわり妻に白い目で見られるようになる)

また、Tivoに誤解される前にTivoを訓練しよう、とばかり全ての宗教番組に「Thumbs Down(駄目)」のレーティングをしたある人は、Tivoが不気味な殺人映画ばかりを録画するのを発見。これはまずい、と「お料理番組」の録画を積極的に初めて、何とかOK。

一方、韓国人と思われて韓国語の映画ばかり録画されるようになった人は、韓国語番組全てに「Thumbs Down」をしたところ、次の日からなぜか中国語番組が録画される。

・・・うーん、みんな苦労してます。

私も実はAmazonで似たような思いをしている。Amazonでは購買ヒストリーにしたがってrecommendationをしてくれるのだが、私の買う本やCDがあんまりにもめちゃくちゃなカテゴリーなせいか、せっかくのrecommendationがただの「新作ページ」とほとんど変わらなくなってしまったのだ。

Amazonで「edit my history」というページにいくと、自分が過去に買った本のカテゴリが載っている。この中から新しい本を選んでrecommendしてくれているわけであるが、本で54種類、音楽で38種類のカテゴリーが「Chika’s favorite」として記録されてしまっている。Amazonも私みたいな人間を相手にして、かわいそう。例えば一番最近買った本はこんな感じだ:

■Wild Heart: 19世紀おわりから20世紀前半にかけてパリで文学サロンを運営していた、奔放なレズビアンかつ親からの遺産で大金持ちのアメリカ人女性の伝記。
■The Power of Nice:著名なスポーツ選手を多数クライアントとしていたエージェントの人の書いたネゴシエーションのハウツー本。
■National Giographics Field Guide to the Birds of North America:その名のとおりバードウォッチング用鳥図鑑。
■Emergence:Asperger Syndrome(高機能自閉症)の大学教授の自伝。
■IBM and the Holocaust:IBMとホロコーストとの暗黒の関わりの本。

これじゃぁ、何をrecommendしてよいかわかるまい。まぁ、一つだけ共通点をあげるとしたら全てノンフィクションということ。私は読書にムラがあって、ひたすら小説を読む時期とか、ひたすらビジネス書を読む時期があり、今は、歴史やサイエンスのノンフィクションが、仕事以外での読書の主な対象だ。

例えば今寝る前に読む本は「The Atoms of Language」という、言語学の大学教授が書いた本。この本によれば、日本語とNavajo Indianの言語は実は構造が似ているのだった。Navajoといえば、第二次世界大戦でアメリカ軍が暗号として使った難解な言語である。WindtalkersというNicholas Cage主演の映画にもなった。アメリカ軍の暗号はそれまで全て日本軍に解読されてしまっていたが、Navajoの言語そのものを暗号として使い始めたところ、全く解読されなくなった、という話。しかしNavajoの構文は皮肉なことに英語より日本語に近かったのである。

しかし、この本はAmazonがrecommendしてくれたわけではない。本好きが好むような本を、本好きが好むようにdisployすることで生き延びているindependent系のMenlo Parkの本屋、Kepler’sで平積みされてたのだ。(アメリカでは、オンライン本屋と全国規模のチェーン系本屋に押されて、independent系の本屋はほとんどつぶれてしまって存在しない。)

というわけで、1-to-1 marketingとか、personalizationとよくいうけれど、実はそんなにたやすいことじゃない。Amazonほどの莫大な購買者層があっても、まだまだ私が読みたいと思う本をrecommendするほどの知恵はついていないのからみても、当面は難しいだろう。

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