Societe Generaleが31歳ディーラーの不正取引で$7.2billionの損を出してニュースになってます。Wall Street Journalの記事に、「これまでに巨額の損失を出したトレーダー一覧」が出てますが、過去最大。
しかしな、ふと思ったんですが、「不正取引で巨額の得を出してしまいました」というニュースは聞いたことがない。トレーディングである以上、巨額の損を出す人と巨額の得を出す人は同じくらいの確率でいると思われ。
やっぱり、「不正取引で7000億円得した社員」が発見された場合は、「でかした」とか言って褒められて終わっちゃうんでしょうか?金融業界の内情を知る方で、「不正取引で大きな得を出した人」を知っている方がいたら是非教えてください。興味津々。
こんにちは。初書き込みです。大変楽しく拝見しています。
現在、在京の欧州系金融機関でSociete Generaleの某氏とかなり近い仕事をしているものです(ちょっとだけMCにもいました)。
まず過去の大きな損失計上の歴史と私の経験からは、トレーダーの「不正な利益」というのは少なくとも会社のブックには発生しにくいなと思います。
ベアリングスのニックリーソンは典型ですが、不正取引の動機は「損失を隠す」ことにあります。
「儲かると思って買った(売った)」→「損失が出た」→「上司に知れるとボーナス減かクビ」→「取引履歴を改変するなどして誤魔化す(損失を隠す)」→「隠してある損失を埋め合わせるためちょっと大きく勝負に出る」→「さらに大きく負ける」→…というサイクルですな。もしこのサイクルが繰り返される中で「さらに大きく負ける」が「損失を埋めるだけの利益を出す」に変われば、隠してあった過去の損失を出した取引と同様に「隠して」相殺し、何事もなかった用に振舞う、ということになるのでしょう。
ナニ、最初から儲かっていれば(または隠していた損失をカバーして利益を出せば)「こんなに儲けてるんだからボーナスたくさんよこせ~」で終わりです。
トレーダーの心理を考えれば、利益を出せば表面化させてボーナスを要求、損したら隠す、というのはある意味大変合理的。だから欧米系の金融機関は特にフロントの人間には1~2週間の連続休暇を義務付けるなど不正の早期発見、予防に注力してはいるのですが、いやはや。
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インサイダーや不正会計など、別の罪になるのでしょう。
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井口俊英の「告白」を読むと、限度額を超えて取引しないと不可能な利益を出しているトレーダーの話が出てきます。結局、利益を出せば公にはならず罪にはならないのでしょう。
井口氏の損失以来、日本の銀行は不正が起こらぬよう厳しくなりましたが、外国の銀行は相変わらず甘いですし、日本でも金融機関以外も相変わらずです。最近ではMBKが先物で100億円くらい損をしましたよね。MCでも仕事をしたことがありますが、あまり厳しくなかった印象があります。
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chikaです。
ふむふむ。不正で得することも無いではないが、損した時は、それを糊塗しようとどんどん大きい賭けに出て深みにはまる、ということでしょうか。。。。
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真相は、複雑だがいずれ公表されると:
http://hongokucho.exblog.jp/7979307/
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はじめまして。
個人の成績は抜群にアップしますが、会社には大きな損失を与えるトレーディング・テクニックというのはありますね。日本の金融機関では未だ終身雇用の方が多いせいかあまり見かけませんが、欧米では退職間際によく見かけるそうです。そのせいか15分後に私物をまとめて出て行け!と、なるんでしょうけど。
個々のディーリングで意図的に損失を出し、常に利益は一定のディーラーの元へ、といったスキームは可能でしょう。日本でも長銀破綻の直前にあったとも聞きます。
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