===>>>サイドバー復旧しました。あと、ちょこちょこと無駄なタグを取って、バナーもテキストにしてページのサイズを10分の1にしました。(いきなりbandwidth容量突破警告がでたので驚いて直したであるですよ。)サイトの構造とかデザインとかその他もろもろにつき、何か不具合や、こうして欲しいというご意見がある方は、コメント欄に記載下さいませ。
作成者: cw
eBayでバカ・アービトラージ
New York TimesのIn Online Auctions, Misspelling in Ads Often Spells Cash。eBayで、スペリングを間違って売るものを掲載すると、買い手が商品名を検索しても見つからない。それで買い手からのビッドが少なく、市価より安くしか売れない。で、それを「チャンス!」とばかりに、スペリングミスした商品ばかりを狙って安く買う人がたくさんいる、という話。もう一回eBayで正しいスペルで掲載して高く売って利ざやを稼ぐ人も多いとのこと。
金融で、市場によって値段がちょっとずれるのを利用、安い方で買って高いほうで売るのがアービトラージだが、eBayのミススペリング狙いは、他人のバカさ加減の利ざやを抜くということで、「バカ・アービトラージ」。
Webサービスによる未来の社会
江島健太郎さんという人の書いたWebサービスのリアリティ、WebサービスとSOAに関する議論という文章を読んだ。最初、何か英語の技術コラムを訳したものかと思ってしまった(特に前者)。
英語が日本語に訳されると、ものすごく難しくなることが多い。例えて言うと、元の英語が
「♪咲いた、咲いた、チューリップの花が・・・」
という童謡くらい平易に書いてあるのに、それが日本語に訳されたとたん、
「チューリップの開花時における花弁の色調は、赤色、白色、黄色の3色に分類され、各々の個体は見るものの美的感覚上、高位に属するものである。」
という感じ。「Webサービスのリアリティ」は最初から日本語で書かれたにも関わらず「開花時色調系」。つまりこの江島さんという方は「ネイティブモードで翻訳調」という中々得がたい個性を持っているようだ。そのオリジナリティに敬意を表して「Webサービス(と、その将来の進化系)が変える社会の形」を中心に、思うところを書きますね。
Misa Flamenca
Stanford大学の苦しみ
今日は、スタンフォードの医学部で教授をしているJimと長々とランチをした。いろいろ「お医者さん裏話」を聞いて笑ったりゾーっとしたりした。私は医学ノンフィクションものを読むのが好きなのだが、そのリアル版という感じだろうか。
さて、Jimがこんなことを言った。
「スタンフォードの循環器科は、前は世界でも最高峰だったから、いろいろな循環器系のデバイスが開発された」
「今はどうして最高峰ではなくなったわけ?」と聞いたところ
「いいデバイスを開発した人がみんな起業して大学を出て行っちゃったからだよ」
ということで、なんといいましょうか、起業のメッカにある大学には、「大学発ベンチャーを」などとシャカリキになっている大学とは違う苦しみがあるんですね。
そして誰もいなくなった
アリハウスを買った。自動的専業分業アリ社会へのコメントでTakkyさんが紹介してくれたハイテク物。Nasaが開発した、巣にもなるしエサにもなる、という優れもののジェルが入った横10センチくらいの小さな容器。日本で買うとアリが4匹付いてくるけれど、アメリカで買うと、アリ採集用キットが付いてくる、というお国柄の違いが出たパッケージングがされている。
「巣にもなるしエサにもなる」というのは、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家のようである。
プロなヒト
ちょっと前に、建築家のヒトと話をする機会があった。
そのとき、建築家氏は、建築デザインに関して鋭いセンスを持っているがゆえに困ったこととして、こんなことを言っていた。
「よく友達が、家を建てたり改装したりした時に招待してくれる。で、僕が建築家だと知っているから、『うちのデザイン、どう思う』と聞いてくる。これには本当に困る。もちろん相手は新しい家が嬉しくて、褒めて欲しくて聞いてくるわけだ。でも、僕はプロだから、殆どの場合『デザインのどこがだめか』というところに目が向いてしまう。よっぽどすばらしいデザインだったら別だけど、大抵はそうじゃない。」
で、それが苦痛なので
「最近、友達の新しい家に呼ばれること自体、ちょっと苦痛なんだよね」
と嘆息していた。
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建築雑誌にGiorgio Armaniのクルーザーが特集されていたことがあった。あの、デザイナーのアルマーニだ。すっきりとモノトーンを基調にしたイタリアンモダンは、ため息がでるようである。20人くらいいるクルーザーの常勤スタッフの制服ももちろんArmaniがデザイン。Armani本人のコメントとして
「いろいろなホテルに泊まったが、インテリアがゴテゴテしているのに耐えられない。だから、いつでも気持ちよく休暇が過ごせるようにとこのクルーザーを設計した」
とあった。Armaniが泊まるほどのホテルだから、超一流に違いない。それでも耐えられないのだ。
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村上春樹のねじまき鳥クロニクルには、周囲にセンスが悪い人間がいることに耐えられないデザイナーの女性が出てくる。彼女と知り合った主人公は、靴からパンツまで全て新品を買い与えられ、彼女の前では常にそれを着るように言われる。
美しいものを作り出すには、「美しくないもの」がきちんと見えなけばならない。さらに、なぜ美しくないのか、どうやったら美しくなるのか、というディテールが理解できて、初めて「美しいもの」を作る側にまわることができるのである。よく「こだわりを持つ」と簡単に言うけれど、「こだわる」ということは並大抵のことではない。
残念ながら、ウカウカ・ホノボノしていては、決して、断じて、芸術の域に達したものは生まれてこないのだ。
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「こだわり」が必要なのは、デザインという芸術的な分野だけではない。以前のエントリーの最後のほうで、Jerome Groopmanという人の書いたThe Doubting Diseaseというエッセーについてこんなことを書いた。
Joreme Groopmanは、優れた科学者にいかにObsessive-compulsive Disorder(OCD)(強迫性障害)が多いかに触れている。
その中で取り上げられた一人の化学者は、8歳の息子を公立学校から転校させた。「解決しようとする問題があるとき、完璧に解けるまでそれ以外のことを全くブロックアウトする」という非社会性を学校が受け入れなかったからだ。しかし化学者として成功した父親にとっては、その神経症的性格こそが自分を成功に導いたことが明らかだった。息子がせっかく引き継いだその性格をつぶすなんてとんでもない、と彼は考えたのだ。
エッセーには、論文の締め切りが近づいて、完璧を期そうとすると、強迫性障害の症状が花開くように現われて「鍵を閉めただろうか」と何度も家に戻らなければならなくなったりする、という科学者も登場、最後はGenentechのmolecular biologistのLaurence Laskyの「Who says advancing science has anything to do with being happy?」という言葉で締めくくられる。
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Laskyの言葉を借りれば
「Who says being professional has anything to do with being happy?」
ということか。どんな分野であっても、何かで他の人に認められるほどの成果を出すためには、とてつもない細部にまで執着することが必須なのであろう。
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ちなみに、最初の建築家氏との会話には、もう一人加わっていて、その人は対人コミュニケーションの専門家であった。彼に
「周りの人たちのコミュニケーションスタイルのアラばかりわかって辛くない?」
と聞いたら、
「いや、誰でも、建設的に向上できるわけで、その向上ポイントを上手に指摘できるのはよいことなわけで・・・」
といった回りくどい、一見前向きなコメントが返ってきたが、これは、彼がコミュニケーションの専門家である以上、
「いやー、コミュニケーションがイマイチなヒトと話してると疲れるんだよね」
というネガティブなコメントはいえない、ということであろう。
なお、このコミュニケーションのプロ氏を招いて、JTPAで2月5日にコミュニケーション・スキルのセミナーをRedwood Cityで行います。是非ご参加下さい。
インターネットとともに去りぬ
民主党大統領候補のHoward DeanがIowa予備選で予想外の大敗、というエントリーを書いたが、その続報。
Howard Deanはインターネットによる草の根募金活動・選挙活動で、無名の人から筆頭候補の噂が出るまでに一気に上り詰めて大いなる話題を呼んでいたのだが、Iowa予備選では3位と大敗。
予備選翌日の新聞では、Deanが満面の笑顔でシャウトしている、という顔の写真が載っていて、「はて、大敗なのに、このヨロコビ顔はなぜ?」と思っていた。この日以降テレビを全く見ていなかったので、知らなかったのだが、Deanは開票結果後に
「やったぜ、イェー、ビリじゃなかったぜ」
みたいな、訳のわからない大絶叫スピーチをかましたようである。
テレビやウェブキャストでそれを見た人たちはみな「This guy is crazy・・・」と思ったようだ。さらに、あまりに異様なので、Deanの絶叫をサンプリングして、ラップ音楽を作ってインターネットにアップする人が複数登場。どれもDeanのスピーチの変さ加減の的を上手く付いている。CNNのテレビでまで放映され、一躍有名に。
ちまたでは、「Deanもこれでおしまいだ」とのもっぱらの分析だ。派手好きのアメリカ人も、
「さすがにここまで変な人が大統領なのは困る」
という感想。
Dean Remixは殆どが「イャオェーーッツッ」といった謎の絶叫と、Deanが
「今から行くぞ、待ってろよ」
とばかり連呼した、これから予備選を行う様々な州の名前。
Dean Remixを聞きたい方には・・・・
■http://aginsights.com/dean.html
■博士課程取得中で29歳で4人の父のBarlowがblogで発表したhttp://homepage.mac.com/jonathanbarlow/.Public/howarddean.mp3
■Deanの絶叫を揶揄してYeaghと名づけられているhttp://homepage.mac.com/lileks/.cv/lileks/Public/Yeagh.mp3-link.mp3
聞いてもらえばわかりますがすごいです。こんな人が4千万ドル募金で集めて大統領選に出るアメリカ。とんでもありません。
というわけで、インターネットとともに流星のように現われ、インターネットとともに流星のように去っていったHoward Deanなのでした。大勢にリーチするために非常に有効なツールながら、問題があるときも一気に大勢にマルチメディアで広がってしまう、というインターネットらしい一面が如実に出たと言えましょう。
(といっても、Deanはまだ予備選を戦うようですので、この後どう復活トライをするかちょっと期待。)
読売新聞
そういえば、1月12日の読売新聞の日曜版にこんなインタビュー記事を掲載していただきました。

記事を書いた記者の館林さんに撮ってもらった写真。オフィスのあるCalifornia AvenueのSolというメキシコ料理屋の前のベンチで。ちなみに、Palo AltoからMountain Viewにかけてのメキシコ料理屋の多くの経営者は親戚。「おばあちゃんのソース」というメニューアイテムがどこに行っても同じところを見ると、みんなイトコなのか。Solもその一つ。
(ミニ)バブル再び
景気が上向いている。今週は、ハイテク企業の去年10-12月期業績発表が続くが、多くが好調。Reutersの記事にもあるとおりeBayは利益が64%増、2004年の売上げ予測も30億ドルに上方修正。
チップやネットワーク機器関係は、業績はよいのに株価が下がるという事態となっているが、Financial Timesの記事にあるとおり、これは、最近随分株価も上がったから、そこそこよい業績発表があったところで利益確定の売りがドッと出た、ということのようだ。Lucentは2期連続黒字、AMDは1年以上ぶりの四半期黒転。
政府発表の住宅着工件数も、12月にはダウンするという大方の予想を裏切って上昇。
後は、IPO windowの開くのを待つばかり。というか、IPO windowが開くことを前提に、いろいろ次の手を打つ人が出始めている。知り合いのベンチャー経営者も、
「今年はミニバブルになる。でも来年はまた危ないかも。だから今年の夏ごろ、多めに増資しておこうと思う」と。
IPO候補としては、知らぬものとてないGoogleがある。公開時の企業価値は200億ドルとも300億ドルとも言われ、実に日本円にして2兆円から3兆円。IPOするなり3桁億ドルという企業価値がついた例では、AT&Tが技術部門をスピンオフしたLucentがある。1996年当時で170億ドルという企業価値がついて話題を呼んだが、Googleはそれすら凌駕する可能性があることにある。引き受け幹事はGoogleもLucentもGoldmanとMorgan Stanley。(ちなみに、新日本監査法人の荒尾さんによれば、去年の日本の最大のIPOがNECエレクトロニクスとセイコーエプソンで、いずれも公開時は5000億円程度の企業価値とのコトで、桁違い。)
これ以外ではsalesforce.comもファイルしているが、思ったより小ぶりになるかも。ワイヤレスチップ(802.11)のAtherosも公開申請書類を既に提出したようだ。
あとは、今日のWall Street Journalでは、eMachinesが候補として取り上げられていた。ローエンドのPC販売で成長、公開していたが、不景気の折に公開取り止めでプライベート化、落ち着いて業績回復を行ってきた。建て直しは、日系人のWayne Inouye氏がCEOとしてリードしてきたが、最近元投資銀行員のCFOも雇ってIPO準備開始。2004年の売上げは去年の40%増で14億ドルの見込みということで1500億円。
ちなみにGoogleがIPOで調達するのは,15億ドルから40億ドル(1500億円から4000億円)くらいの幅がささやかれているが、こんなに調達したら使い道はM&Aしかない。まさかいきなりVerisign(企業価値48億ドル)を買ったりしないとは思うが、どういう手に出るか興味深いところ。逆に、MicrosoftがGoogleの敵対的買収に出るとAlwaysonのTony Perkinsは言っているが。
一方で、アメリカ国内の人を切って、インドや中国にプログラミングやサポートの要員を移すoff shoringの動きはさらに加速している。今週になって「off shoringで2006年から1億6800万ドル削減する、まず今年は3000人の職をアメリカから海外に移す」という具体的な数字付きのIBMの社内文書がリークして話題になった。
全体として「華やか」だが、海外に移されるレベルのスキルしかない人は「華やかの外側」、という吉凶入り乱れた2004年になりそうだ。