DVDのおまけ

DVDというのは素晴らしい映画メディアである、と思う。

何が素晴らしいって、「おまけ」が素晴らしい。音声の別トラックで監督とかシナリオライターが語りを入れているのとか、カットされたシーンとか、制作風景とか。

映画を作りたいと思っている人には、願っても無い教材であろう。映画監督やライターが自分の映画を最初から最後まで解説してくれるなんてなかなかない。

コメンタリーを聞くと、細かいところに気を配って作っているのがよくわかる。たとえば、Gosford Parkは常にカメラが動いていて一時も止まるときが無い。「印象に残る緊迫感がいつもあるなぁ」とは思ったが、それがカメラが動いているせいだとは、聞くまでわからなかった。

あと、映画といえば俳優と監督しか目立たないが、制作について語られる「おまけ」で、美術制作とかCGとかいろいろな人がいて、しかもとても面白そうな仕事をしていそうなのもわかる。映画そのものよりも、そういう裏方の作業に魅入られて
「アーこういう仕事がしたい!!」
と思う人もたくさんでてくるんじゃないか。

これまで「制作費100億円!」とか聞くと、「一体全体何にそんなにお金を使っているんだろうか」と思ったのだが、DVDの「おまけ」を見ると、「うーむ、確かにこんなにリサーチして、しかもいろいろ作りこんだら、それくらいかかるだろうなぁ」と納得。

こうして、DVDというメディアを通じて世界のトップのノウハウが世界に広がる。映画産業の将来のためにも非常によろしい。というか、ものすごい画期的なんではないかと思うんだが。

というわけで、私の好きな「おまけ」をいくつかご紹介。以前書いた私が何度もDVDで見た映画とだいぶ重なりますが。

Catch Me If You Can
17-8歳の若さで、パイロット、医者、弁護士になりすまし、世界をただで飛びまくり、数百万ドルの偽造小切手を使ったFrank Abagnaleのお話。主演のDiCaprioは好きでないのだが、実話ですよ、実話。そして、なんと「おまけ」コンテンツで、本物のFrank Abagnaleの話が聞けるのだ。

捕まってしばらく監獄で過ごした後、28歳で特別に釈放されFBIで小切手偽造犯罪の部署に勤め、さらには、偽造されにくい小切手の作り方を銀行などに指導するコンサルティングビジネスで、詐欺師時代の10倍近い収入を得るにいたった、という後日談は必見。Frank Abagnaleも本名。医者として病院に勤務したり、パイロットとして計器をいじったり、弁護士として法廷に立っている本物の写真もあって、仰天です。老け顔を利用したとはいうものの、並大抵の頭の回転ではできませんな。

老け顔といえば、私の高校の同級生に「笑っていいとも年令当てコンテスト」初代チャンピオンがいる。どう見ても40代だが17歳だったので。高校でのあだ名はオトウサンだった。若作りの日本人でもそういう人がいるんだから不可能ではなかろう。(DiCaprioはいつまでたっても16歳みたいだが。)

ちなみに、Frank Abagnaleは弁護士になりすますにあたっては、実際に司法試験を受けてパスしたそう。それって、なりすましじゃなくて、本物の弁護士なんじゃないのか。

Lord Of The Rings
スペシャル版(分厚いやつ)。とにかくこれでもか、とコンテンツがある。美術制作の人たちの話には興味津々。ストーリーライターがうっかり「gates」と複数形で書いたので、一つでいい門を二つ作っちゃった話など。

全員美形、という設定のエルフのエキストラを探すのが大変だった話も。「スーパーモデル並みの容姿で、安いエキストラの給料で雇えて、しかもすぐに撮影現場のニュージーランドに来られる人」なんていう条件の人がそれほどいるとは思えないです、確かに。

Matrix
これは有名なので言うまでも無いかもしれないけれど、弾丸をよけるシーンの撮影方法とか。

Galaxy Quest

カットされたシーンがめちゃめちゃ笑える。「もったいない!!なんでカットしちゃったんだろう」という感じ。Alan Rickman扮するDr. Lazarusが、エイリアンが一所懸命彼のために作ってくれた部屋に通されるが、ベッドがとがった鋼鉄のスパイクでできていたりとか。あー、こうして説明しても全然面白くないのだが、見たら笑えると思います。では。

DVDのおまけ」への4件のフィードバック

  1. こんにちは
    渡辺さんと高校の同期だった三浦泰浩です。
    >老け顔といえば、私の高校の同級生に「笑っていいとも年令当てコンテスト」初代チャンピオンがいる。どう見ても40代だが17歳だったので。高校でのあだ名はオトウサンだった。
    そんなこともありましたねぇ。
    あのコンテスト時は共通一次(いまのセンター試験)の直前で、みんなピリピリしていましたが、「笑っていいとも年令当てコンテスト」に彼が出場したことで、ちょっと心が和んだ記憶があります。
    今だから言えるけれど、彼と同行すると未成年だけでは入れないところへも入れました(^^;

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  2. >共通一次(いまのセンター試験)の直前で、みんなピリピリしていましたが
    そうでしたっけ・・・!?ほとんど浪人する高校ゆえ、みんな「練習」くらいに思って適当にこなしてたような気もするんですが・・・。三浦さんと私の交友関係が違ったってことかな?
    私は、共通一時直前に、学校をサボって「パルコグランバザール」に行ったら、やっぱりサボって来てたクラスメートに会って笑った、という思い出があります♪

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  3. ものつくりは何でもそうでしょうが、最終的に出来上がるものの影に、中間生成物として消えていった大量の素材があります。DVDのおまけでもそういうものが世に出ることは、作る方も嬉しいことでしょう。
    ところで、映画制作中というのは最終イメージの作成が最優先になるので、中間生成物などを整理してとっておくのは後回しになりがちです。ディスクが足りなくなればどんどんアーカイブされてしまい、一応テープに残っているとはいえ、そこから取り出すのはなかなかの手間。また、プロダクションが終わればスタッフは散逸してしまいます。そこで、良いDVDのおまけが作れるかどうかは、DVD制作スタッフが映画制作中から関わってどれだけ素材を集められるかに依ったりします。制作裏話、の制作にも苦労があるってことで。

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  4. なるほど・・・。もう、最初から「DVDのおまけをつくるぞ」という意気込みで映画を撮らないといけないんですね。きっと。
    制作裏話の裏話の裏話・・・みたいにどんどん入れ子構造になっていくのでしょうか。

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