ベンチャーが止まって見える人

先週、とある仕事でMir Imranという人に会った。過去25年で、自ら起業したか、またはシード資金を投資した会社が19社。うち3社がIPOし、8社は他社に売却、という経歴。現在は、Draper Fisher JurvetsonのePlanet Venturesファンドのベンチャーパートナーでもある(ファンドの投資先の取締役になったりする)。In Cubeというインキュベーションラボを持っているが、これは彼自身のアイデアを具現化するもので、ビジネスプランを持ってきた会社に不動産を貸す普通のインキュベータとは違う「頭脳集約型」のインキュベータである。(In Cubeのサイトには、外部からのビジネスプランも受け付ける、とは書いてあるが、殆どやっていないそう。)

そうやって、自分で頭をひねって作り出しインキュベートしたベンチャーのうち、最近3社について3200万ドル、1600万ドル、1500万ドル、総額6300万ドルの増資を受けるのに成功。のみならず、その三つのクロージングを全て先週木曜一日で行ったと。(ちなみに、3社ともそれぞれ別の投資家グループ・別の弁護士事務所とのことで、契約書にサインするだけでも手間がかかりそうだ。)

「資金調達記録樹立が目的?」と冗談で聞いたら、「偶然だ」と言っていましたが。

ちなみに、彼はGoogleのエンジェルインベスターでもある。(Googleのエンジェルでは、SunのファウンダーのAndy Bechtolsheimが有名だが、複数が10万ドルずつ投資したようだ。)

加えて、100以上の特許を持ち、年間20件以上出願したこともあるとのこと。しかも、5人の子供も居て家族との時間も大切にしているのだそうだ。

時間有効利用の秘訣はLucid Dreamだそう。寝る前に「今夜はこのビジネスまたは技術的問題を解決しよう」と決意して寝ると、夢の中で解決、起きたときには解けていると。

というわけで、川上哲治は打率.377で首位打者になった年に「ボールが止まって見えた」と言ったそうだが、Imran氏は「ベンチャーが止まって見える」という感じだろうか。

教訓としては、そんな人でも19社中10社しか成功せず、残りの9社は失敗だったということ。それだけベンチャーというのは難しいものなのです。

ベンチャーが止まって見える人」への3件のフィードバック

  1. ようやく読破

    渡辺千賀さんのBlog On Off and Beyondをようやく読み終わった。コメントやトラックバックを含め隅から隅まで読んだ結果、取り込んだ紙は147枚。
    多分今後の人生の方向性を大きく決めるイベ…

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