Pentagonの失敗

アメリカは資本主義の国である。「そんなのあたりまえじゃん」と思うかもしれない。しかし、本当に主義主張として資本主義を信じ、その基盤の上に国家を作り上げている国なのだ。資本主義とは基本的には「自由競争によって最適状態が訪れる」という信念のことだが、これを信じている日本人は、実はほとんどいないのでは・・・。

さて、そのアメリカの信念をうかがわせる事件が今日ニュースに。Pentagon(のDARPA)が中東情勢の先物市場を設立しようとした、というもの。詳しくはSan Francisco Chronicleの記事などご覧下さい。中東情勢を読み、ある出来事にかける。それが当たったら儲かる、という市場を本気で作ろうとしたのである。その名もFutureMAP

いわく。
Traders could buy and sell futures contracts based on their predictions about what would happen in the region.

先物として取引できる事象の例がこれまたすごい。
Examples given on the market’s Web site included the assassination of Palestinian leader Yasser Arafat and a biological weapons attack on Israel.

発表するや否や「テロリストが先物を買ってから、その通りのテロを起こして一儲けできてしまう」など非難が相次ぎ、あえなく中止に。

Pentagonの目的は中東情勢の情報の自由競争の場としての市場を開設することだった。「市場は常に個々のスペシャリストよりも優れた将来を読むことができる」ということ。

他人の国やよその元首への攻撃を商いの対象にしようという常識はもちろん疑うが、こんな発想をすること自体「資本主義的」だと思いませんか?

Pentagonの失敗」への4件のフィードバック

  1. 先物取引に適するのはコーヒー豆や大豆などのように品質が均質で大量に生産されるものとされます。アラファトさんの暗殺のように1回しか起きないことを先物市場に上場するのは難しいでしょう。もっとも、3か月後のアラファト氏生存率のような指数であれば先物として取引できるかもしれません。この場合、例えばイスラエルの選挙で右派が勢力を伸ばしそうだという予測が出たりすると、これにともなって先物市場で生存率指数が売られることになります。

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  2. 関口さん曰く:
    「先物取引に適するのはコーヒー豆や大豆などのように品質が均質で大量に生産されるものとされます。アラファトさんの暗殺のように1回しか起きないことを先物市場に上場するのは難しいでしょう」
    あの〜、DARPA自身が件のプロジェクトを “Futures Market”(先物市場)と名付けていたので、「先物」と云う名称も一応根拠が有るのでは?今は亡きFutureMAPウェブサイトの勝手アーカイブへのリンクです。
    http://infowar.net/tia/www.darpa.mil/iao/FutureMap.htm
    市場の予測力も過信は禁物ですね。米大統領選での民主党候補レースでは、ディーン候補が1月19日のアイオワ州での党員集会で惨敗を喫しましたが、有名な Iowa Electronic Markets (IEM) ではその結果は全く予見できませんでした。

    http://bigpicture.typepad.com/comments/2004/01/iowa_and_predec.html
    IEMみたいな “pari mutuel”(参加者の掛け金の総額が手数料を除いて再分配される)システムでは、デリバティブのコントラクトの履行を100%保証する証拠金が必然的にコントラクトを売買する時にやり取りされ、コントラクトの価値が即ち証拠金と成りますね。その様な市場では “future” と “option” の間の区別は無いも同然です。
    ちなみに、某投資銀行では “pari mutuel” 市場でのデリバティブは “future” ではなく、”option” と称されております。
    http://www.gs.com/econderivs/

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  3. 恐らく、「市場の設立および運営コスト」を考えたら、関口さんのおっしゃるとおりでは??でも、インターネットで安値でやるんだったら、一発勝負ネタでもOK(倫理的にはOKではありませんでしたが)。
    ちなみに、こんなのもあります。
    http://innovationfutures.com/bk/index.html
    Technology Review主催、バーチャル先物市場です。「GoogleのIPO時の市場価値はいくら?」など。予想コントラクトそのものの売買もできます。

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  4. 「GoogleのIPO時の市場価値はいくら?」
    これ、面白そうですね。しかし、IPOが一体何時になるか未だ不透明ですが…
    個人的には、今年十月迄にIPOが実現されれば、Googleの投資家への株式の殿様商売的なマーケティング、議決権の問題、マイクロソフトの予測される広告市場参入などを勘案しても、公募価格でのバリュエーションは $19Bn 位までは行くかな、と。
    で、取り引き開始直後、公募に参加できなかった小口投資家の買い注文が殺到し、株価が一時的に公募価格プラス4割以上まで釣り上げられるが、すぐ公募プラス2〜3割まで戻す、と。初日の終値での時価総額は $24Bn 位かな。
    イラク、テロ等の突発的な地政学的な要因で、秋口の株式市場のムードは予断を許さない情勢ですが。

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