シリコンバレー最新VC事情

SJ Mercuryの記事Burned up or burned out, they elect to get by on their ownはVCからの投資を受けないベンチャーが増えている、という話。ベンチャー側がVC投資を嫌がるのが、VC投資総額が減っている理由の一つ、と。
Here’s one reason why venture capital investing keeps falling: A growing number of entrepreneurs are shunning venture capitalists.

その理由は、VC投資を受けると、経営に口出しされうるさいから。しかも不況で投資条件がアントレプレナー側に非常に悪く、そんなことだったら、と既にハイテクで富を築いた個人(シリアル・アントレプレナー)が自己資金でベンチャーを育てることが多くなっている、という。このあたりの事情は、私が以前Angel Chief Officersに書いた通り。

TribeNetworksを自己資金でスタートアップしたMark Pinkusは、TribeNetworksとは別に、起業をサポートしたオンラインデートサイト事業があるのだが、そちらの会社に投資したいのでオフィスに来いと電話してきたVCを笑い飛ばした、とインタビューに答えている。(ちなみに、シリコンバレー・デート事情とオンライン・デートについては以前のエントリーをご参照あれ・・・)

a VC recently called him wanting to invest in another company Pincus helped form, Friendster, an online dating outfit. Relying on word-of-mouth advertising, and a shoestring budget, the company doesn’t require capital. But the VC asked Pincus if his team would come to the VC’s office to present Friendster.

“I had to laugh,” says Pincus, referring to the assumption that the start-up needed money that badly. In fact, Pincus didn’t even tell Friendster’s chief executive.

entrepreneurに嫌がられる投資条件については、VCがたった4M程度の出資で会社の半分持って行ってしまう、という最悪な状態だという。

a typical example would be for VCs to negotiate a deal by setting a value of about $4 million on the young start-up. They then offer the entrepreneurs $4 million more, bringing the company’s new value to $8 million. That gives the VCs ownership of half of the company. That’s a tough deal. In 1999, by comparison, Sequoia Capital paid $5 million for a mere 8 percent stake in eToys.

こんな状態だから、WebTVとMoxi DigitalのファウンダーのSteve Perlmanは”doesn’t know anyone taking VC money for new ideas”という。

ふふふ、しかしいるんですね、そういうdealを受け入れるentrepreneurが。しかも身近に。というのも、うちのダンナが過去2ヶ月ほどとあるpre fundingのチームに加わって、初回の増資を受けるべく、あれこれ画策していたのだが、先週月曜にやっと銀行に資金が振り込まれたのである。その条件は上記の記事の内容とあたらずといえども遠からず。メンバーは、MITのtenure professor(終身雇用の教授。アメリカ・アカデミア的には偉い)やら、上場企業のVP Engineeringやら、かなり成長した未上場企業のCTOやらが集まり、画期的なIPを核に作られた会社なのだが、誰一人大きな富を持った人がチームにいないので、どんなにひどい条件でもVC投資を受けるしかない。しかも会社ができる前に、VCの意向で西海岸と東海岸二つのチームが合併して一つになって投資を受ける、という会社側にとってもVC側にとっても力技的ディールであった。(ちなみに、西海岸と東海岸って、東京から香港に行くぐらい遠い。もっとだろうか。時差だって3時間もある。)

それでも、資金がなくてはお話にならないので、会社側にとっては成功なのであった。めでたし。

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