アメリカの新聞の人生相談が好き。毎日読む。欠かさず読む。最初に読む。
人生相談はAdvice Column。何人かの有名なadvice columnistがいて、その人たちのアドバイスは毎日全国の新聞に配信されている。普通の人生相談もあれば、マナーに関するものだけ、というのもある。それほど有名でないコラムニストだと、若い人向けにデート専門、ファッション専門、てのもある。作家などが片手間にするのではなく、プロのadvice columnistがいるのである。
好きな理由は三つ。
1)アメリカ人が日常の中で何をなぜ悩むのかがわかる
2)誰も教えてくれない微妙な常識が学べる
3)役に立つ教訓をケーススタディー的に学べる
まず1)のアメリカ人が何を悩んでいるのか、について。
こんな変なことを悩んでいるのか、という意外な悩みも多いのだが、それ以上に私が感じるのは
「大雑把で気の強そうなアメリカ人も、実は意外に細かい人間関係なんかでくよくよ悩んでいるんだなぁ」
ということ。
例えば、
「私の庭はnatural gardenで、野原に生えているような草花を大事に育てているのだが、訪れる親戚・知人が親切心で『あら雑草』と抜いてしまうことが多い。どうしたらいいか」
とか。私が昔持っていた「アメリカ人」のイメージだと、そんな時ははっきり「抜かないで欲しい。」と、なんのてらいもなく言えるのがステレオタイプ。しかし、やっぱりそれが言えない人がいるのだ。当たり前といえば当たり前だが、ステレオタイプというのは恐ろしいもので、私はへー、と意外に感じた。
なお、驚くのはパーティーに関する相談がものすごくたくさんあること。誰をどうやって招待するかとか、招待しない人が着ちゃったらどうするか、とか、いろいろと細かいことをエライ気にしている。
「ディナーパーティーのテーブルの上のろうそくはいったん火をつけて、芯を黒くしておくのがマナーと知人に言われた。本当か」
とか。
パーティーの一環で「結婚式」に関するものも多数。
次は、2)の微妙な常識が学べる、について。
その昔、日本の雑誌でとある有名人が
「20過ぎまで洋式トイレはフタを抱くように座るものだと信じていた。(つまり普通と逆向き)ところがある日、他人がトイレに走りこんで、座りながらドアを閉めるを目撃、『あ、あの人逆向き』と思ったのだが、ふと、『もしかして逆なのは自分?』と思ってこっそり調べたら、間違っていたのは自分だった」
というようなことを書いていたことがあった。
他人の国の常識には、この「トイレ」に似たようなものがたくさんある。つまり、全く間違ったことをしていても、他人がどうするかを見ることはないので、いつまでたっても気が付かない、ということ。
例えば、パーティーに呼ばれたら、
a)他に誰が来るか確認
b)服装を確認
c)家に帰ったらすぐに礼状を書く
んだそうだ。
このうちc)は「トイレ逆すわり」的失敗をする可能性があるもの。家に帰った後でカードを出すなんて、言われなければわからない。
なお、a)b)はもちろん、明らかに答えがわかっていれば必要ないが、結構
「自分たちだけが招かれたカジュアルな夕食だと思ってジーンズで登場したら、実は数組のほかのカップルも招かれているフォーマルなセッティングのもので、みんなかなりドレスアップしていた・・・・冷や汗」
てなことは十分ありえるのである。シリコンバレーの場合、いくらなんでもスーツを着てくる人はいないが、女性は肩の出るトップ、男性はドレスシャツにスポーツコートくらいのことはある。
3)の役に立つ教訓、については、去年亡くなった著名advice columnistのAnn Landersが良く使っていた言葉で、とても心に残っているものがある。それは
「Nobody can take advantage of you unless you let them」
というもの。これ、座右の銘です。