死神猫

先週結構話題になったので、既に読んだ方も多いかと思いますが。

アメリカはロードアイランドの介護・リハビリ施設にいる猫のオスカーが、患者の死を予知する、という話。まだ2歳のオスカー君は、既に25人の患者の死を予知した、と。

この話のびっくりのポイントは、オリジナルの記事が発表されたのが、The New England Journal of Medicine(NEJM)であること。NEJMは、医学誌として高い権威を持ち、ここで発表された論文は一目もニ目も置かれます。今回の記事は、専門家の審査をパスしたものではなく、単に「こんなことありました」というものではありますが、それにしても、NEJMに出たというだけで、うーむ、と唸り。

オスカー君は、死期が近い患者のベッドに飛び乗ってはしばし観察、普通はすぐ飛び降りていなくなるが、患者の死が数時間後に迫っている場合は、そのベッドで丸くなる。で、その人が亡くなると去っていく、と。その予告ぶりがあまりにも正確なので、施設側はオスカーがベッドに座り込んだら臨終と判断、患者の家族を呼び寄せるそう。

この手のものには、必ずwhyとhowがあるわけで。

why=「どうして死の間際の患者の近くに寄りそうのか?」
how=「どうやって死を予告できるのか?」

whyについては、「オスカーは死の間際の人を慰める心優しい猫である」と施設では表彰しているそうですが、

「実は単に『死の間際の人間が発する匂いが好きなだけ』じゃないのか」というのはWired。私もそう思います。犬じゃあるまいし。猫が不特定多数の患者にそこまで心配りがあるとはちょっと信じられない。

患者が死ぬや否やベッドを去る、というのもなんだか死神っぽい。

Mrs. K.(患者) takes her last earthly breath. With this, Oscar sits up, looks around, then departs the room

こういう、自分勝手で酷薄な感じが猫の魅力ではあります。

さて、howについては、恐らく、人間の臓器がシャットダウンする時に何らかの匂いが発せられ、それを嗅ぎつけるのではないか、というのが、読んだ人の多くが考える仮説。

あと、オスカーが死を予測してるんじゃなくて、オスカーが来たことで患者ががっくりして死ぬんじゃないの?というコメントもありました。(NEJMではなく、それを基に書かれた他の記事に、ですが)。

いわく、最初の3人くらいは偶然で、それ以降の人たちは、

「うう、オスカーが来た、こ、これまで・・・」

と。ただし、介護・リハビリ施設で息を引き取るような方の多くは、死の数時間前はそれほど意識が明瞭でないことが多いので、多分これは違うと思いますが。

The New England Journal of Medicineのサイトには、オスカー君の写真も出ています。(ちょっとだけスクロールした左側です。)

死神猫」への6件のフィードバック

  1. 一見どう見ても非科学的なんだけれど、
    「なまずが暴れると地震が来る」みたいなもので、
    「黒猫が目の前を横切ると不幸」というのも、
    経験則としては、ある程度正しいことなのかもしれませんね。

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  2. 何年か前、日本の老人ホームでの話でしたが、
    似たようなのをテレビでやってたような記憶があります。

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  3. キアヌ・リーヴス主演の映画「コンスタンティン」を観てて思ったんであれですが、
    USでも日本でいう化け猫みたいな、ネコに伝統的な霊的シンボルってあるんですかね。

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