去るべきものは去った

San Jose Mercuryの今日の朝刊の記事
Tech workforce’s ranks shrinking

Battered by the technology bust, half of the Californians working in tech in 2000 have left the field, a new landmark study of 1 million workers shows.

Nearly one-fourth of the tech workers have taken non-technology jobs that often pay less, according to the study by the Sphere Institute, a Bay Area public policy research firm. Another 28 percent have fallen off California’s job rolls altogether — having fled the state, joined the ranks of the unemployed or become self-employed.

2000年にカリフォルニアでテクノロジー関係の仕事に従事していた人のうち半分がいなくなった、という調査結果。4分の1はカリフォルニアのテクノロジー以外の仕事に転職、28%は州外に出て行った、と。

暗い話のようだが、そうでもないのだ。

Higher-skilled, higher-paid tech workers were more likely to hang on through the bust and remain in their jobs or the tech industry in general. Those survivors saw their wages rise 8 to 14 percent even during the bust from 2000 to 2003.

スキルが高い人の仕事キープ率は高く、生き残った人たちの間では2000年から2003年の間に8-14%給料が上がっている。

この間、Palo Alto Daily Newsという無料ローカル新聞を読んでいたら、今年の新学期、Palo Altoの公立学校の生徒数が急増して、学区側は対応に追われている、という記事が載っていた。去年の同じ時期の増加数より数倍増えたのだそうだ。

恐らく、去る人は去り、残る人は残り、残った人の中では引越しも含め新たな活動が起こっている、ということか。

ちなみに、前述のSan Jose Mercuryの記事で、「生き残り」として取り上げられているソフトウェアエンジニアの男性いわく:

He also knows tech workers who have tried almost every strategy in the book to cope with the downturn, from moving out of state to becoming the stay-at-home parent. “I wish I could do that,” Sneiderman jokes. “My wife is a storyteller, folk singer and teacher. We kind of depend on my salary.”

「州外に出たり、奥さんが稼ぎ頭になって自分は育児する、といった人たちがうらやましい」と。「うちの奥さんは、ストーリーテラーで、フォークシンガーで教師。僕のサラリーが無かったらやっていけない」と。

彼の場合は、これでもう踏みとどまるしかなかったわけで。(ソフトウエア・エンジニアがシリコンバレー以外で仕事を見つけるのはそんなに簡単ではない)その根性が成功の秘訣といえばそうなのだろうが、リスクも高い。1989年から今までの間にレイオフなどで6-7社を転々としたということで、一社平均2-3年。家族を養わなければならないのにそういう状態なのは、かなりのプレッシャーであろう。

やはりシリコンバレー(もしくはスタートアップ)の呪文は
「人生のリスクヘッジは共働き」
なのであります。

Linux PCをWal-martで買う

Technology Review9月号のAn Alternative to Windows

Walmart.comから、Linux OS搭載のPCを278ドルで買った体験談。1.6ギガヘルツのプロセッサに40ギガのHD、128メガのRAM、 CD-ROMドライブつき。MP3 プレーヤなど、おまけソフトもついている。OSはLinspire 4.5。「Linspire?」と思う人もいるかも知れないが、Lindowsという名前だった会社です。 MP3.comのファウンダーの Michael Robertsonが、MP3.comをVivendiに 3億5千万ドルで売却した後設立、直後にMicrosoftに「名前が似すぎ」と訴えられ、結局Microsoftが2000万ドルLindowsに支払う代わりに、LindowsがLinspireに改名したのが今年の7月のこと。

Linspireは、画面イメージにあるとおりWindowsそっくり。これなら気軽にWindowsから乗り換えられそうな気もする。記事では、使い勝手として「快適。Windowsにはない便利な機能もある」というのが結論となっている。

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News Bits

最近目に付いたニュースの断片集:
■San FranciscoのBlinxが新しいサーチエンジンを発表。ダウンロードしてインストールすると、利用中の画面に表示されている内容に関連あるインターネット上のサイト・自分のPCの中の文書などを自動的に表示するそう。自分のPCのハードディスクはサーチできない普通の検索エンジンバージョンは上記のサイトでトライできますが、案の定Operaでは動きませんでした。

Microsoftが750億ドルを上限として配当金を支払うことを発表。MSも成熟企業になった、ということ。Googleの上場を間近に控え、「Googleほどの成長はもはやありえません」という意思表明でもあるか。まずは一株あたり3ドルの配当を即座に支払う。この結果、大株主のBill Gatesには30億ドルの配当収入が。しかし、全て慈善事業に寄付

■「サーチ」×「Microsoft」ということではMicrosoftがサーチ技術のLookOutを買収。LookOutは、もとNetscapeでChief Technology Officerをしていて、現在ベンチャーキャピタルInventures Groupを運営するEric Hahnが余暇で自らプログラムしたもの。Outlookのサーチをしてくれるそうな。確かにOutlookのサーチは腐っている。しかし、やっぱり余暇でプログラムしたくなるような人にはかないません。

■デジタル写真ポータルサイトのWebshots.comがCNETに7000万ドルで売却される・・・が、WebShotsは、もともと99年に8250万ドルで今はなきExciteに買収されたもの。その後Exciteがつぶれた際に、最初のファウンダーが240万ドルでExciteから買い戻して再度事業を育成。2年後にまた売却。7000万ドル全額キャッシュ(ただし、うち1000万ドルは3年後)。以前書いたシリアルアントレプレナーの種類で言うと、短期記憶障害型ですね。

Exciteで働いていた友達と話しましたが、
「たかが写真サイト。ラッキーだけでバブルの絶頂にExciteが高額で買ってくれたものを、240万ドルも払って買い戻すなんて、ファウンダーは単なるバカ、とExciteの社員たちは鼻で笑っていた。それがたった2年で7000万ドルになるなんて・・・絶句。」
とのこと。世の中何が正しくて何が間違っているかなんて、誰にもわからない・・・。eBayのビジネスを「ペッツをオンラインで売る?なにそれ、バカ?」と1995年に笑った私は思うのでした。

JTPA Silicon Valley ツアー

私がスタッフを勤めるノンプロフィットのJTPAにて、9月にシリコンバレーツアーを開催します。学生・大学院生を中心に、シリコンバレーでのキャリアについて知りたい人が対象です。ただいま応募受付中ですので、われはと思わん方はご応募ください。なお、応募要綱は上記のサイトにあります。

5 Reasons why you should attend JTPA Tour

■シリコンバレーの企業を訪ねることができる
■シリコンバレーで働くいろいろな日本人に会い、外国で暮らしても獲って食われるわけではないことがわかる
■シリコンバレーで働く複数の日本人が、みなそれぞれ勝手に違うことを言うのを聞いて、キャリア構築に正解はないことがわかる
■スタンフォード大学を歩いて回るのは大変なことがわかる
■リスはキュイーキュイーと鳴くことがわかる

We at JTPA look forward to seeing you!

ジャーナリストは大変だ(Google)

San Jose Mercury Newsといえば、シリコンバレーの社内新聞。ハイテクのこと+超ローカルなニュースが紙面を占める。

最近では、Googleについて毎日書かなければならない、という使命を負っているようだ。紙媒体で掲載される全記事が載ったSan Jose Mercuryのサイトで過去7日間分につき「Google」というキーワードで検索すると20件もの記事が出てくる。その中で、読む意味があったものトップ二つ、なかったものものトップ二つを挙げると次の通り。

意味があるもの

1.Job hunters, Google this
フリーウェー101の脇に立つGoogleの求人広告。「eの中で最初に出てくる10桁の素数」.comとURLに入れなさい、とある。答えはhttp://www.7427466391.com/なんだが、そこにいくとこう書いてある。

Congratulations. You’ve made it to level 2. Go to http://www.Linux.org and enter Bobsyouruncle as the login and the answer to this equation as the password.
f(1)= 7182818284
f(2)= 8182845904
f(3)= 8747135266
f(4)= 7427466391
f(5)= __________

www.Linux.orgでLogin=Bobsyouruncle, Password=5966290435と入れると
、この問題ができた人だけが入手できるEメールアドレスがある画面に行く。で、そのアドレスに履歴書を送る、という仕組み・・・って、いや、私が解いたわけではなく、San Jose Mercuryに載っていたんですが。

the billboard, on southbound 101 just before the Ralston Avenue exit in Belmont, is part of a national campaign to lure top engineers to Google. Ads are also running in publications such as Mensa Bulletin, the magazine for people with high IQs, and the MIT Technology Review.

ということで、このビルボード以外では、IQが高い人用雑誌(!)などに同じ広告を出しているのだそうだ。「頭のいい人求む」というのがありあり。

2. Google to list shares on Nasdaq

上場するのはNasdaqに決まりました、ということ。そうですか、という感じではあるが、意味がない情報ではない。

読む意味がなかったもの

1. Google offers cautions to would-be investors
Googleが新たにSECに提出した書類で、再度自分の会社の株はリスクが高い、といっているというもの。

2. Google’s IPO silence frustrating investors
IPO株をどうやって買うのかに関する情報が不足している、というもの。

どちらも、前々から言われていることにもかかわらず、7月8日の新聞に結構大きく載った。San Jose Mercuryの記者の人たちは、「毎日何かGoogleについて書け」と厳しく申し付けられているのではないか。しかし上場前はquiet periodでもあり、うかつなことを発表すると上場延期となるので、Google側は静か。で、ほとんど意味のないことでもがんばって記事にしているのであろう。仕事としてやるのは何事も大変なものである。

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ジョークばかりの新聞Onion.comでNo Jennifer Lopez News Todayという冗談記事があった。いわく

NEW YORK–Despite herculean efforts to somehow include her in the day’s reportage, journalists, magazine editors, and TV-news producers across the nation have been forced to concede that there is no (news about Jennifer Lopez>.

とにかく何でもいいからJennifer Lopezの記事を取り上げ、セクシーな洋服で知られる彼女の写真を出すことを至上命題としたメディアをからかったもの。「Jennifer Lopezに関するニュースがない」というニュースに、彼女の写真が3枚もついている。(サイトの記事は有料、私、実はこのOnionを本にしたものを持っておりまして、そこに載っているのです)

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San Jose Mercuryは現在、「No Google News Today」というニュースを出さなければならない状態なのです。

ベンチャーが止まって見える人

先週、とある仕事でMir Imranという人に会った。過去25年で、自ら起業したか、またはシード資金を投資した会社が19社。うち3社がIPOし、8社は他社に売却、という経歴。現在は、Draper Fisher JurvetsonのePlanet Venturesファンドのベンチャーパートナーでもある(ファンドの投資先の取締役になったりする)。In Cubeというインキュベーションラボを持っているが、これは彼自身のアイデアを具現化するもので、ビジネスプランを持ってきた会社に不動産を貸す普通のインキュベータとは違う「頭脳集約型」のインキュベータである。(In Cubeのサイトには、外部からのビジネスプランも受け付ける、とは書いてあるが、殆どやっていないそう。)

そうやって、自分で頭をひねって作り出しインキュベートしたベンチャーのうち、最近3社について3200万ドル、1600万ドル、1500万ドル、総額6300万ドルの増資を受けるのに成功。のみならず、その三つのクロージングを全て先週木曜一日で行ったと。(ちなみに、3社ともそれぞれ別の投資家グループ・別の弁護士事務所とのことで、契約書にサインするだけでも手間がかかりそうだ。)

「資金調達記録樹立が目的?」と冗談で聞いたら、「偶然だ」と言っていましたが。

ちなみに、彼はGoogleのエンジェルインベスターでもある。(Googleのエンジェルでは、SunのファウンダーのAndy Bechtolsheimが有名だが、複数が10万ドルずつ投資したようだ。)

加えて、100以上の特許を持ち、年間20件以上出願したこともあるとのこと。しかも、5人の子供も居て家族との時間も大切にしているのだそうだ。

時間有効利用の秘訣はLucid Dreamだそう。寝る前に「今夜はこのビジネスまたは技術的問題を解決しよう」と決意して寝ると、夢の中で解決、起きたときには解けていると。

というわけで、川上哲治は打率.377で首位打者になった年に「ボールが止まって見えた」と言ったそうだが、Imran氏は「ベンチャーが止まって見える」という感じだろうか。

教訓としては、そんな人でも19社中10社しか成功せず、残りの9社は失敗だったということ。それだけベンチャーというのは難しいものなのです。

マイクロソフト人体をパテント

Economist7月1日号のThe skinny on IT

IT SOUNDS like an April Fool’s Day joke, but it isn’t. Microsoft, that imperialist of the information-technology world, has actually succeeded in patenting the human body as a computer network. US Patent 6,754,472, issued to the company on June 22nd, is for a “method and apparatus for transmitting power and data using the human body”

携帯電話やPDAなどの持ち物をつなげるpersonal area network (PAN)は、通常赤外線やBluetoothなどのワイヤレス通信を通して行おうとされているが、マイクロソフトのパテントは、人間の皮膚をコンピュータバスとして使おうというもの。

別に自分の体がパテントにされたわけではないのだが、マイクロソフトに体の使い方をパテント化されるのは気持ち悪い、と思うのは私だけでしょうか。

ペット医療ビジネス

アメリカに帰ってまいりました。日本での話はまたおいおい。まずはペットビジネス。

Business Week 6月7日号のThe 100 Best Small Companies堂々一位はPetMed Express。ペット向け薬品通販会社(オンラインと電話)。記事いわく

Our top company, PetMed Express Inc. (PETS ), forged a whole new industry by selling pet medications via e-mail, phone, or fax. Though now under pressure from veterinarians unhappy with losing this profitable business, the company has already become America’s largest pet pharmacy.

ということで、売上こそ8740万ドル、約100億円と小ぶりだが、過去3年間の売上増、利益増、株主利益率の総合点でトップとなった。(なお比較対象は、売上5000万ドル以上、15億ドル未満(55億円超、1600億円未満くらい)かつ市場価値が2500万ドル以上の公開企業)

ペット医療は最近伸びている事の一つ。

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