アメリカのVC投資はCovid-19でどんな影響を受けたのか

Photo by Matthew Lancaster on Unsplash

前回書いたようにアメリカはCovid-19の激しい波が来ている。最近は1日あたりの新規感染者数が6〜7万人台、死者数が1000人の大台という日が続いている。そんな中、ベンチャー投資はどうなっているかというと、

「元通り好調」

なのでした。少なくとも総額を見る限り。

下のグラフは、1000万ドル以上増資したアメリカのベンチャーについて増資総額(棒)と社数(折れ線)を今年の1月から6月まで月ごとに表示したもの。黄色はその中でも1億ドル以上の調達の総額(とても多い)。緑は、実線がトータルの社数、破線が1億ドル未満の増資をした社数である(要はちょっとの社数で莫大に調達している、ということ)。

データソース:Crunchbase

アメリカは3月にあちこちの街で外出制限が始まったので、それを受けて4月は投資活動が鈍ったが5月には復活しているのがわかる。(これは物理的にリモートワークのセットアップが大変で、ディールをクローズしている余裕がなかったせいもあるかもしれない。)

とはいえ、もっと詳しく見ると、いわゆるユニコーンベンチャーが今後の不況を見込んで巨額な緊急増資をしているケースも毎月のようにあり、必ずしも前向きなお金ばかりではないのだが。

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ご存じの方も多いと思うが、公開企業でも、特にテック系では株価が史上最高額を記録しているところも多い。リモートワークの広まりでIT需要が高まっているせいもあるが、世界の中央銀行・政府が大盤振る舞いで経済を支えているということもある。

「大盤振る舞い」はアメリカの、大きなものだけ見てもこんなものがある:

  1. 大企業や自治体の発行する債権買い支え=1兆2500億ドル
  2. 中小企業向けのほぼ返済不要ローン=6600億ドル
  3. 消費者向けの毎週$600の追加失業保険=毎週100億ドル以上

(ちなみに、銀行の手数料収入は、1の債権発行が今年上半期で570億ドル、2のローン仲介が5月頭時点で170億ドルと言われている。盆と正月が一緒に来たような。)

額が大きすぎてなんだかよくわからないレベル。

これだけ大盤振る舞いしたら、株価が高騰するのもVC投資が好調なのも、「単にインフレ先取りなんじゃないの」と思ってしまうのだが、何分にも前例のない事態なので今後の行方は誰にもわからないと言ってよいでしょう。

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