テスラのソフトウェアバージョン9.0と愛すべきB級映画チャッピー

Model3テスラ。子供達が大好きなテスラ。さすがに最近では幼稚園児が後をついて走るほどの熱狂ぶりはなくなったが、とにかく子供たちはみんなテスラが大好きである。

一体何が子供たちをそそるのか。他のEVも結構出てきているし、ガソリン車だったらポルシェもフェラーリもマクラーレンもあるのにテスラ一強。

もしかしたら、普通に学校の送迎ができる車の中で唯一ガルウィングがあるからかも。

(テスラオーナーではない)当地の知人が

「幼稚園に通う息子を学校でドロップオフする時、前で他の子をドロップオフしている車がテスラのモデルXだと、ガルウィングの開閉を見ながら後ろの席で息子がハァーとちいさくため息をつく。」

と言っていたが。

そんなことはさておき、テスラのソフトウェアは、OTA(無線)アップデートで夜寝ている間に新しくなる。大体2〜3週間に一回バージョンアップするのだが、一番最近のものがバージョン9.0。これはテスラ自身もこれまでで最もすごいアップデートとしているが、実際、特に自動運転の向上ぶりはすごい(この辺の話はフォーブスでも話してみたのでこちらもどうぞ。)

「自動運転カーナビ」という機能も(ベータで)加わった。それだけ聞くとすごい未来がやってきたようだが、要はカーナビで高速運転中に降りるべき出口が近づいてくると「車線変更しろ」という指示が出る、というだけなんですけどね。

Tesla_autodrive

さらに設定の奥の方で「車線変更の強気度合い」を変えられるようになっていて、一番強気なのがMad Maxモード。最初はAverage設定にしていたのだが、最近Mad Maxにしたら、普段の自分の車線変更の仕方に近いのでストレスが減った。高速での車線変更というのは最も危険な運転行為の一つなのだが、Averageモードだと「なんでモタモタしてるんだ」と感じる瞬間が結構あって、そのモタモタぶりを危険に感じていた。人間は「普段の自分に近い運転」を一番安全に感じるようだ。そして「普段の私」はMad Maxだったのだ。

Tesla_MadMax

イーロンマスクは「来年には完全に自動運転ができるようになる」と言っているが、彼の話はかなり大風呂敷なのでそこを差し引くとしても、カリフォルニアの大雑把な高速道路だったらほぼおまかせ運転モードが実現しそうな雰囲気がこのバージョン9.0では感じられる。もちろん、死亡事故も出ているテスラの自動運転機能を信じるかどうかという問題はあるが、どう考えても不注意な私よりは安全なのでお任せしたい。

そして今回加わった新機能で画期的なのがドライブレコーダー。元々ダッシュカムはついていたのだが、それをソフトウェアが利用できるようになった。基本的にどんどん上書きされてしまうのだが、何かあった時にこの画面のカメラアイコンにタッチするとUSBで直前の記録がダウンロードできる。これで走行中、目の前に UFO が降りてきても安心だ。

Tesla_dashcam

ちなみにテスラ素晴らしい!という私のコメントに対し、Facebookで「テスラはパーツがなくて修理に時間がかかる」ということを複数の人が問題としてあげていたのだが、みなさんのテスラはそんなに故障しているのでしょうか?ちょっと不思議。

これはガソリン車とEVの違いで、テスラ独自のメリットなわけではないのだが、エンジンという爆発を内包した機関で動くガソリン車に比べると、EVは可動部品の数が桁違いに少ない。ガソリン車の1万点に対し、テスラではせいぜい数百くらいでは、と言われている。

動く部品が少なければ壊れる部品も少なくなるわけで、そうそう部品交換が必要な修理はないというのがオンライン・フォーラムの総意でもあるイメージなんですが。

(事故などで部品が必要になった場合にものすごく時間がかかった、という問題に関しては、著しく改善したというテスラ側のコメントもあった。世界中の部品注文を翌日配送にしたので修理に必要な時間はせいぜい数日、パロアルトのディーラーだったら修理の2割はコーヒー飲んでる間に終わる、とのこと。日本でどうなっているかは知りませんが)。

私がテスラ素晴らしい!と思う最大のポイントは、冒頭でもあげた頻繁なソフトウェア・アップデートである。マイナーなバグ・フィックスなどもあるが、「バックで駐車ができるようになった」、「モバイルアプリで車の外からリモコン的に車を前後に動かせるようになった」など、新しい機能が加わることもあるのは前述の通り。

大体の工業製品というのは買った瞬間から劣化が始まるのが普通なわけで、「だんだん賢くなる」というのは非常に新鮮なユーザー体験である。

「スマートテレビの売れ行き軟調。特に、従来のハードウェアメーカーが作ったものはエンターテイメントをめぐる世のソフトウェア環境の進化に付いて行けず、結局新しいスティックを買ったりいろいろしないと新サービスが使えないことも問題」

と先日のNPRのニュースで言っていたが、それを避けるには頻繁で大幅なソフトウェアアップデートが必須なわけです。(ちなみにテスラには、「すぐには必要のないセンサーやらカメラ」が最初からたくさん付いている)。

あまり流行らなかった映画でチャッピーというのがあって、学習するAIを搭載したロボット、チャッピーがどんどん賢くなっていく。そういう感じですな。

なお、ソフトウェア・アップデートで継続的に性能を向上させるには、ハードウェアに依存する部分はなるべく減らした方がいい。テスラもモデル3では限りなくボタンやスイッチが減っていて、空調やオーディオなども画面からコントロール(冒頭の写真参照)。この辺り、従来異なる機能ごとに別の下請け会社が開発を担ってきた自動車産業にはなかなか難しい課題かもしれませんね。


チャッピー、B級だけど割と好き。エクス・マキナと続けてみると感慨深い。

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