リアルタイムエンタープライズでアメリカは劇的に向上した

既に死語かもしれませんが、リアルタイムエンタープライズてな言葉が一時はやっておりました。Gartnerなどが盛んに言ってたような記憶がうっすらと。「企業のバックエンドのシステムがシームレスに繋がって、遅延なく処理がリアルタイムで起こっていく」的な。

最近、このリアルタイム化により、アメリカの企業のサービスは目をみはるほど向上したあるです。ただし、インターネット(と電話)を酷使できれば、という但し書きがつきますが。

例1)

Fedexのピックアップをオンラインで予約。11時40分ごろだったので、「12時にはOK」と設定

→3-4分後にFedexのトラック登場。「やば、もうきちゃったよ」、とあせる私に、女性ドライバーが

「ちょうどこの先の角のところにいたの。まだ早いけど来ちゃった。出せる?」

残念ながら
まだパッキングが終了していなかったので去っていただく。

例2)

Fedexのピックアップをオンラインでまたまた予約。12時15分ごろに「12時半にはOK」と設定。

→1時にFedexのトラック登場。めでたくピックアップ完了。

例3)

外出先で、Comcastインターネットを電話で申し込む

→担当者がその場でメールで契約書をメールしてきて、それをiPhoneで開いて電子的にサインして送り返す。

→その間担当者は電話をホールドにしてそのまま待っている

→サインしたものを担当者が受領したのを確認して電話を切る

→2時間ほどで電話がかかってきて、明日の朝8時から12時の間に来る、と。到着の20分前に電話してくれる、というので、10年前くらいは当たり前だった「4時間、来るか来ないかわからない担当者を待ち続ける」ということがない

→7時50分に電話がかかってきた。前日の昼申し込んで、翌日の朝取り付け完了

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その他、前も書いたような気がするが、

大規模なオフィスビルで、メンテが必要なことがあるとオンラインでオーダーを出す。(何かこぼしてしまったから掃除してくれ、とか、ドアが壊れた、とか)。ビルをぐるぐる移動しているメンテの人の携帯端末に直接指示が行く。それをみて直行してくるので、ほんの5-10分で登場。

とか

今から15分後、という予約がその場で完結する、ぐるナビアメリカ版のOpentableとか。(レストランの予約端末とサイトの予約システムが直結している)。

家でピックアップしてくれる空港へのシャトルサービスのスーパーシャトルは、「今から30分後」というオンライン予約をすると本当に30分後に来る。運転手が、車内の端末をみて、直接「ピックアップに何分でいける」という返事を出していた。(運転中にしているのでちょっと危ない)。

・・というわけで、「連絡係の人」がまったくいないか、きわめて少なくなったのでした。

アメリカと言えば何事も事務処理がうまくいかず、来るといった担当者が来ない、着くはずの荷物がなくなる、といったことが日常茶飯事だったけれど、最近は、真剣にIT化した企業は見違えるようによくなった。

過去も、現場にやってくる担当者の人はみなそれぞれにちゃんとやっていたのに、顧客と実際に仕事をする人の間に何人も人間が絡んで、連絡不行き届きで結局うまくいかないことが多かったと推測されます。それがIT化によって劇的に向上したのです。

ずいぶん前ですが、2004年に日経産業に書いたITによる生産性向上に関するコラムより引用:

九〇年代後半の生産性向上はニューエコノミーと呼ばれ話題を呼んだが、バブル崩壊とともに、ただの幻想だったと片付けたられたかに見えた。

しかし、九五年から二〇〇〇年のブーム時には年間二・五%に過ぎなかった労働生産性向上率が、二〇〇〇年以降は三・四%に上昇。バブルとは関係な
い、本当の長期的な生産性向上が起こっていることが明らかになってきた。

生産性の向上=人件費が減るだけでなく、サービス向上により顧客満足度が高まり、IT化していない競合に勝てる。一方で、IT化はお金がかかる。そして、IT化する体力がない企業は負ける、というのがこれまでの10年。これからは、IT化そのものが著しく安くなって、数名の小企業でも上述のような著しいIT化が可能になる時代なのでしょう。

<ということで、アメリカで何かのサービスを買いたいとき、多くの場合、店舗に出向くより、オンラインでしたほうがうまくいくことが多いです。サービスの質や会社にもよりますが。まずはオンラインでできないかよーくGoogleでリサーチしてみましょう。>

リアルタイムエンタープライズでアメリカは劇的に向上した」への3件のフィードバック

  1. > ・・というわけで、「連絡係の人」がまったくいないか、きわめて少なくなったのでした。
    一方日本では、年功序列で「昇進」した人たちの雇用を守るために、「管理職」という名の連絡係の仕事が水増しされたのでした、めでたし、めでたし。
    >顧客と実際に仕事をする人の間に何人も人間が絡んで、連絡不行き届きで結局うまくいかないことが多かったと推測されます。それがIT化によって劇的に向上したのです。
    顧客と実際に仕事をする人が減らされる一方で、現場との間に何人もの人間が絡むようになり、連絡不行き届きで結局うまくいかないことが増えてきたと推測されます。それがIT化によってなにも改善されなかったのです。

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  2. 日本ではパーソナル医療などを受ける機会がすくないです
    集団検診などの行政主導で生命を財産と同様に個人でケアする思考を行政が奪うような状況。体質や個人のコンデション
    医療を先行する米国での事例を紹介ください

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  3. 確かにネットの方が、時間が正確なような気がしますね!
    ついでに中身の品質も向上すると良いのですが。。。

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