日本語にならない英単語:risk

今日、ふと思ったのだが、riskに対応する日本語ってないんですね。

「危険」が一番近いかな?

でも危険はdanger。

riskは危ないかどうかじゃなくて確率論の話。「望ましくない結果となる確率が高い」ことがrisky。

前も書いたような気がするが、高層ビルの屋上から飛び降りるのはno risk。必ず死ぬから。自殺するんだったら、「望ましくない結果」=「生き残ってしまう」だが、その確率はゼロだからno risk。

・・・・・というのはちょっと嘘で、New Yorkで47階から落ちて生き延びた人がいるので、バビルの塔ならぬDubaiの160階建てのビルくらいまで行かないと実はリスクがあるかも。

もとい、リスクという概念がそもそも存在しない国の人に「リスクを取れ」といってもなかなか上手くいきそうにないですなぁ。「むやみに危ないことをしろ」って言われてるみたいですもんね。

<関連過去エントリー>

英語と日本語-訳せない言葉

 

アメリカで通じないカタカナ英語

○×△の起源は?

○×△の起源に関する意外な情報←今回のエントリーに結構関係あり。「もともと × は『結果にばらつきのあるリスキーなもの』という意味だったのが、いつのまにか『ダメ』になった・・・かも」という話。

日本語にならない英単語:risk」への26件のフィードバック

  1. 本来の「risk」に対応する意味の日本語としては、普段は「不確実性」という言葉を使っています。
    確かに、positive risk も negative risk もありますよね。僕が将来大儲けするかも、というのは positive risk(笑)。

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  2.  「危機」という言葉は「危険(danger)」+「機会(chance)」だから、riskに意味が近いと解釈する人もいるようです。
     でも実際には、「危機」も「危険」も「危ない」(から避けるべき)という意味で使われている気がしますけど。

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  3. おっしゃる通りですね。Uncertaintyっていうカタカナ語は無いですからね。ただ、英語ネイティブでも、riskときいてupside riskも考えに浮かぶのは、ファイナンスなり、統計を勉強してさらにちゃんと日常業務で関係ある人達。一般のネイティブにリスクといったら、カタカナ英語のリスクと同じようにとらえますよ。

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  4. 中国語だとriskは「風険」で、なんとなく風のきまぐれさがそれっぽいのですけれどねぇ。これをいまさら日本語に持ってきても「ふうけん」ではなんか格闘技の技っぽいし。
    ということで「リスク」がriskに対する立派な日本語ではないでしょうか。

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  5. 牛タンを堪能する利益と狂牛病のリスク。
    三種混合ワクチンの摂取を受ける利益とリスク。
    これまでは、日本の行政ではあまり冷静な評価は見られませんでしたね。
    世論の圧力で。
    アメリカでは違うのかしらん?
    (牛肉のリスクは狂牛病に比べれば大腸癌の罹患のリスクのが相当高いと思うけど。罹患後の重篤さのレベルををどう評価するかによるかもしれませんが)

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  6. 日本でのリスクをとるの定義は、”レールから外れること”
    とnearly equalである気がします。自分の頭で考えて
    腹を決めなければならないことは、すべてリスキイ
    だとびびってしまう人が多いような。
    そのレールの先に、どんな危険や不確実性がひそんで
    いようと、それはリスクではないようで。
    今一番リスクをとっている日本人は、”大企業正社員
    でリコース住宅ローン+専業主婦の主婦かかえる”人
    じゃないですかね。リスクをとってる人、いっぱいいます。
    全資産を円でもっていること自体、すごいリスクであると
    見るならば、国民の98%ぐらいはハイ・リスク・テイカー?

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  7. 日本に risk リスク という外国語が入ってくる前の時代。
    昭和初期以前に、risk リスク という概念がなかった。
    とすれば、危機回避の概念や考え方もなかったのか。
    当時、特にリスクにさらされていたのは、国民の大半をしめていた農家。
    農業は不確実性に溢れた産業。
    伝統や風習、民話民謡、おばあちゃんの知恵袋。
    リスクの概念の代わりに、考える必要の無い、
    頑なに守り実行するだけで危機を回避できる、そういうスタイル。
    たとえば、農村でリスクの概念は通じない、そんな気がした。

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  8. 考えてみれば、chance も外来語の「チャンス」以外に相当する日本語ってないのかも。日本て、これらの言葉が外来語として、入ってくる前には、chance も risk も概念のない国だったのだろうか。
    開国前の江戸時代の封建社会では、チャンスを得たり、リスクを冒す機会など、なかったのかも。世襲制で、決められた日々の routine 以外のことをするのは、禁じられていた?
    今の日本の経済状況や国際的な立場は、鎖国や敗戦の影響が、今でも根強く残っている気がしてならない。

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  9. なんか、ムリに説明しようとして、こじつけのレベルになってしまっている気がしないでもないですが。
    日本は地震も多いわけですし、天候次第で飢饉も起こったでしょうし、リスク(=不確実性)の概念が無かったとは思えません。
    むしろ、それに備えるために、「備蓄(=貯金)」だったり「耐震補強」だったりということに、コストをかけてきた国民だと思います。農業の天候リスクは、個人レベルの努力や才覚ではどうしようもないので、当たり前の話ではありますが。
    つまり、リスク(=不確実性)が現実化した時の被害を最小化するために、常に大きなコストや留保をしてきた国民性であり、コストをかけてでも不確実性を排除したい、という意識を強く持つ国民性であるのではないかと思います。
    まぁ、一度飢饉が起これば、みんな死んじゃうので、コストをかけて備えたくなるのは当たり前っちゃー、当たり前ですが。
    ただし、現代は昔と違って個人の才覚によって、それこそ世界中を移動することによって「リスクをマネージできる」にも関わらず、(個人レベルで見ると)そういった方向に意識や志向が向いていない、という話なのかな、と思います。

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  10. こんにちは。面白いですね。Tedさんに同意したいと思います。一般的な意味で間違っているとは言えませんが正しく統計学的に捉えようとすると適切な翻訳が見つからなくなる感じですよね。統計学自体が20世紀に成立し発展した分野ですので、19世紀に西洋の学問を取り入れ、用語を翻訳した日本には、統計学的概念を正しく伝える漢字の言葉がないのは往々にしてあるものです。19世紀に他の学問を翻訳し現代日本語をつくりあげた日本人が偉かったのでしょう。ほかにはさらに専門的になってしまいますが、random variableを「確率変数」と訳していますがこれもどうも具合がわるいように感じます。同様に20世紀に発展したのが遺伝学で(メンデルの法則自体は19世紀ですが、再発見が20世紀です)、こちらにも誤訳や訳しきれない概念がって、例えばアレルという言葉を長らく「対立遺伝子」と訳してきましたが最近対応しきれなくなり放棄するという事態になったりしています。
    面白いことにこの20世紀に発展し、かつ日本人がうまく取り入れることのできなかった統計学と遺伝学の二大分野はいずれもイギリスのRonald A Fisherが確立したものです。日本人はこれを理解できなかったのか、それとも生理的に受付なかったのか、わかりません。ただ我々が肌で感じていることでは、いまものすごい勢いで力をつけている韓国や中国、インドと言った国々はどうも統計学に親和性があるらしく、かつまた遺伝学にも国家的なバックアップがすぐについたりするようです。

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  11. chikaです。
    >一般のネイティブにリスクといったら、カタカナ英語のリスクと同じようにとらえますよ。
    日本語に対応する言葉がなかったから、「リスク」という言葉ごと概念を導入したわけで、そういう意味で「アメリカ人の普通の人が考えるrisk」と、日本人がカタカナで考えるリスクが似てるのは当たり前だと思います。そうじゃなくて、「カタカナでリスクという言葉を導入しないとならないくらい、もともと対応する言葉が日本語にはなかった」という話でした。
    riskと聞いて普通の英語圏の人がイメージするのは、ギャンブルっぽい投機性じゃないですかね。「確率は低いけど当たったらでかい」みたいな。
    統計が理解できなくてもギャンブルはだれでも理解できるはず。
    ちなみに、「リスク」という言葉が入って来る前の日本では「天災」はリスクじゃなくて「しかたがない」とあきらめる対象だったかも。日本語の「しかたがない」というのは英語にするのがなかなか難しい言葉です。ぴったりした言葉はありませんです。はい。

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  12. 以前、ボラティリティの発明について読んだことがあります。米国財務省で資産運用をしていたところ、上層部から、国民の財産をrisk(危険)に晒すわけにはいかないと言う横槍が入ったので、それをかわすために、なじみの無い用語を持って来たのだとか。

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  13. ファンドマネージャーしてます。
    risk=不確実性
    です。
    損失=リスクではありません。
    Tedさんが仰るようにriskにはupsideとdownsideがありますから。
    江戸時代には世界初の先物取引所が大阪堂島に設立されましたから、日本人にリスクの概念が無いということはないと思います。
    チャート分析も日本のロウソク足が世界初ですし、江戸時代末期には、二宮尊徳が再生ファンドを運用していました。
    皆様、日本人はリスクの概念を知らないと思い込みたいのでは?

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  14. Andy-e49er様、
    確実に損するのが分かっていたら、損失の可能性=100%、よってリスクはゼロです。
    千賀様、
    日本人が普段リスクという言葉を使うのは、「ふかくじつせい」って言いにくいからだと思いますよ。
    私は、滑舌が悪いので、とても普段の会話の中で「このポジションは不確実性が大きい」なんて言いません。
    それから、「リスクを取る」という概念にぴったりくるのは、日本語では「勝負する」だと思います。
    文字の通り「勝つか負けるか分からないがやってみる=不確実な事をやってみる」ということです。
    ビビってポジションを持てないファンドマネージャーには「リスクを取れよ」とも言いますし、「勝負しろよ」とも言います(言うというより怒鳴るでしょうか)。
    概念は、同じだと思います。

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  15. 連投すいません。
    Naoki様、
    チャンスは、「機」です。
    「機を失する」とか「機を見るに敏」とか言いますね。
    しかし、日常生活では、「これはいいきだ」と言ったら、
    「これは良い木だ」なのか「これは良い気だ」なのか「これは良い機だ」なのか分からないですね。
    それで「これは良いチャンスだ」と言うだけだと思います。

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  16. FM様、
    ありがとうございます。そうでした。「機」でした。「機を逸する。」などと言いますよね。でも、普段はあまり使わないですね。
    アメリカにいると”Chances are…”という文など、頻繁に耳にしますね。歌詞にもよく使われたり。Alicia Keysの”Take a risk, make a chance”など。
    「risk = 不確実性」とすると、”Take a risk”は、どういう日本語になるのかなぁ。

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  17. Naoki様、
    確かに、「機」を一文字では最近は使いませんね。
    古語とまではいきませんが、結構古い言葉だと思います。
    現代ならば「好機」を使うのではないでしょうか。
    ただ、「こうき」というのは言いにくいですし、「後期」、「後記」、「高貴」「工期」「好奇」など同じ音で違う言葉が沢山あるので口語としては使いづらいですね。
    それで口語としては、皆さん「チャンス」を使うのだと思います。
    ただ、文章、特に堅めの文章では「チャンス」よりも「好機」、古い文章では「機」を使うのではないでしょうか。
    我々金融取引の世界においてテクニカル分析の先駆者と言われる本間宗久(ほんま そうきゅう(1724年~1803年)は、以下のような言葉を残しています。
    「機を待つに即ち仁」
    「機に乗ずるに即ち勇」
    「機に転ずるに即ち智」
    アメリカでテクニカル分析の先駆者というとチャールズ・ダウ(1851年~1902年ですが、本間宗久は、チャールズ・ダウより100年早く金融取引の世界のノウハウを確立したのですから、日本人の不確実性への対応能力に関して決して否定的に考える必要は無いと思いますよ。

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  18. またまた連投恐縮です。
    職業柄、この話題にはこだわりがあるもので(笑)。
    ロバート・シラーは著書「新しい金融秩序」において、1730年に開設された大阪堂島の米の先物相場について詳しく述べています。
    シラーによれば、1867年にフランクフルトで、1871年にシカゴで、1877年にロンドンで、その後も多くの諸国で堂島先物市場が模倣された、とのことです。
    金融取引実務をご存知の方ならお分かり頂けると思いますが、先物市場というものは極めて精密に仕組みを作らないと機能しません。
    その精密な先物市場が世界で最初に日本で設立されたのです。
    では、先物は、何のために存在するのか?
    それは、リスク管理のためです。
    つまり、日本は、少なくとも江戸時代にはリスク管理先進国だったのです。
    その日本にリスクという概念が存在しないということは、論理的に考えられません。
    もし日本にリスクという概念が存在しなければ、リスク管理する必要が無いから、取引所が設立されない、ということになるのですから。
    また、西洋が日本を模倣したのですから、日本においてリスクという概念が発生し、西洋が取り入れることはあっても、その逆はありえません。
    連投失礼しました。

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  19. おおさかの さきものとりひきに ついて かこうと したら すでに のべられていた。 しかも、 ずっと しょうさいに。。。 さすが、 ぷろは ちがいますね。

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  20. 日本市場が世界で最も投機的だそうな。
    それは、日本の機関投資家の保有期間の短さとその投資スタイルにあると。ほとんどの日本の投資家が、機に乗じて短期志向。だから相場が一方通行になりやすい。
    変動が激しく流動性があるので、エキサイティングなマーケットだと。

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