オバマのワークライフバランス

ええ記事や。「少子化は女性問題」とか思ってる人はよーく考えて読むと良いと思います。そういう人は、このブログを読んでないと思うけど。

New York Times: He breaks for band recitals

オバマ大統領が、家族とどうやって時間を使っているかと言う話。日本の人にはにわかには信じられない事態ではないかと。

例えば、

– 毎日夕方6時から8時のあいだは、会議を中断してでも家族で食事。アフガニスタンへの派兵問題の会議だろうが関係なし。

– 娘の学校の発表会に行くために、国を揺るがす大問題である健康保険問題の討議を抜け出す

– 先生との面談にも参加

– 娘のサッカーやバスケの試合も見に行く

– 来月のインドネシア・オーストラリア訪問日程は、娘たちの学校の春休みと重なるように設定(一緒に行くためです。念のため)

記事では、「家族を犠牲にして働いている議員たちの反発もありえる」と書いてあるが、反発している人の話はどこにも具体的に書いてない。

ちなみに、Clinton大統領が1996年に訪日を延期したのは、高校二年生の娘の中間テストの勉強を手伝うためだったそうな。(このときは、副大統領だったGoreは「日米関係に支障をきたす」と怒ったらしいが、なにか大きな支障があった記憶は特にないんですが。)

ちなみに、オバマ大統領のインドネシア行きに限らず「家族を連れて出張に行く」というのは、アメリカの会社では割と普通に行われます。「出張先で休暇をとって、行ったついでに観光する」というのもあるので、それを合体させて、「家族と行って、ついでに観光」てなことになったりもするわけです。(家族の旅費は自分持ち。休暇の日の滞在費ももちろん自分持ち。でも、「休暇を取らずに普通に一人で出張したらかかったであろう費用」は会社持ち、です。往復の旅費とか。)

ベンチャーの社長でも「3−5時は子供のスポーツのレッスンに付き合うために会社を抜けて、もういっかい戻る」とかいう人もいるし。

アメリカの人口が増えているのは、移民政策もあるけど、それだけではないのですなぁ。

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オバマのワークライフバランス」への31件のフィードバック

  1. 少子化は経済問題でしょうね。
    なぜ、日本ではバブル崩壊後に社会に出た30代の未婚者が多いのか?
    理由は単純で、バブル崩壊による大不況で安定した雇用の場を得られなかった人達が多いからですね。
    当然、収入が不安定な男性と結婚する女性はほとんど居ない。その結果、独身男性と独身女性が溢れる社会になり、子供が生まれなくなった。
    非常に単純です。

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  2. 「家族と行って、ついでに観光」は米国のとてもよい習慣だと思うのですが、残念ながら、日本の会社だと出張先で休暇を取得することは禁止されていることが多いのではないかと思います。
    米国で展示会などに行くと、皆さん家族を連れてらして、羨ましいな~とよく思います。一人でオーランド等に行っても全然楽しくないですからね。

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  3. いつも楽しく拝見しています。
    研究者をしている、1児(1歳)の母です。
    日本では「夫が家事や育児を手伝うか」という文言が良く使われますが、重要なのは、それらも含めて「家族の一体感があるか」なのかと思ったりします。共働きだと、検診、予防接種、保育園の行事のみならず、子供の病気と重要な会議などが重なるなど、数ある突発的出来事に対処する必要があります。これを一つ一つ「家族で」こなすことにより、親と子の一体感のようなものが生まれるように思います。
    毎日、仕事と子育てという全く違うスイッチを押しまり、「今日もなんとか乗り切った」という小さな達成感を重ねるうちに、「もう一人いけるかも?」と思ったりします。

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  4. 実は奥さんが怖くて、自分自身は遅くまで働くことを厭わないし残っている同僚にも悪いと思うんだが、家族との関係を壊したくないので時間を割く人が多いということを聞きました。 オバマ大統領もそうだと知ってむしろ安心。
    シリコンバレーのベンチャーにいますが、「今日は奥さんが」「家族と約束が」という理由で堂々と会議を切り上げたり早退するし、誰もとがめたり冷やかしたりしない。「家族と過ごす権利」というよりもむしろ「神託」にように捉えられている感じです。 おかげでこちらも「娘のバレエのコンクールを見るために東京に三日だけ帰る」ということが気兼ねなく言えたので助かりました。
    でも、これだけ家族を大切にするのに離婚率が高い、というのがよくわからない。 千賀さんなにか仮説ありますか?

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  5. Chika-san,
    ご無沙汰であります。
    10数年前、ソルトレイクのNetware社にいったとき、日曜に当時のVPとゴルフの約束をし、当日現地にいってみると、エンジニアがいて、「VPは急遽息子と釣りにいくことになったので」。電話で「ごめんね」といわれましたが、当時は、「ええ?」と思いました。でもまったく普通なことだと学びました。

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  6. 最初はちょっと驚いたけれど、アメリカ大統領ならありえると思いました。日本の政治トップでは絶対に無理ですね。今後とも。
    『オバマのワークライフバランス』これは日本でも話題になったら面白いと思いました。

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  7. 本記事中で一番うなずいた箇所は,
    >そういう人は、このブログを読んでないと思うけど。
    ここです!ここ!多分ほんとにそうだと思います(笑).だから未だに「女性が仕事と子育てを両立するには」ていう論調が主流だったり.

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  8. Obamaと先生の面談を想像するのが面白いですね。
    先生「娘さんは喧嘩の仲裁が上手です。」
    Obama「そうか!私も見習わなくては。」
    とか。

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  9. いやー、毎晩終電まで働いた挙句、また離婚をした上司とかにも教えてあげたいですね。
    きっと大統領より大事な仕事なんでしょう。

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  10. 「俺は大統領(社長)だー」という勢いだと可能なことも「上司の言うことを聞かなければ解雇される危機」という崖っぷちの契約社員もいるのでは?と思ったけどそれは普段の仕事ぶりによって対応できることなのでしょうかねぇ・・・

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  11. イギリスも17時~18時頃にはオフィスが空っぽになります。
    上司が定時で率先して帰宅し、休暇も消化します。
    日本とは根本的に思想が異なりますね。
    ただ、ブラックベリーや自宅のPCで、退社後も気になってメールを見てしまうケースは少なくないかも(笑)

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  12. ほんまにええ話や・・・
    日経ビジネスオンラインにあった野田聖子さんのインタビューが「今さら少子化対策なんて手遅れよ!」と歯に衣着せぬ論調で面白いですよ。
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100212/212656/
    10年前、橋本聖子議員が妊娠したとき、、「仕事を辞めろ」という抗議文がたくさん届いたから産後5日で復帰したそうです。
    去年の小渕優子議員の時は支援と抗議が半々だったそうです。
    ひょええええー。

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  13. 本当によいお手本ですね。
    仕事の関係でアメリカ人家庭の年収とか家族構成を知る機会が多いのですが,アメリカは年収少なくとも子沢山の家庭はたくさんありますよ。こんな給料でどうやって子ども4人も?!とビックリすることがあります。宗教的な理由(カソリックとか)と、教育レベルの問題(低学歴の女性は正しい避妊の知識を学ぶ前に妊娠してしまう)があると思います。
    日本の少子化対策は男性の意識改革からはじめないと何も変わらないとおもいます。でもその前に日本企業の体質改善が先ですね。。。
    子育てを手伝う男性が増えれば、もう1人産んでもよいと考える女性は多いとおもいます。仕事休むのは大抵女性の方。子どものあいてもできなくて奥さんに任せっぱなし。それじゃ奥さんだって2人目は欲しいと思わないですよね。
    そのためには日本の企業が男性が定時で帰れるような企業文化にしないとイケないと思います。具体的にはどうすればいいんでしょうねえ。。。やっぱり上司がお手本見せないと部下は帰りにくいだろうな。上司が定時で帰るためにはどうしたら?私には分かりません。
    キャリア志向の高い女性の後輩達には、仕事続けたかったら結婚を考える男性を教育するように助言してます。男性の協力なしに女性が仕事を続けるのは不可能です。っていうか、ダブルインカムなら男性が家事するのは当然だと思いますが。

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  14. なるほど。この話は日本でも紹介されるといいですねー。アメリカもちょっと昔は、男の人、大して育児に参加しなかったみたいだけど、オバマくらいの世代はやって当たり前、って感じだし。
    ちなみに、昔、日本で「家事・育児を分担する男たち」っていう題名の本を読んだことがあります。何人もの家事・育児を分担している男の人、およびその奥さんにインタビューした本だったけど、そこに家事・育児をちゃんとする男性は以下の3点のうち2点を満たしてる、って書いてありました。
    1)優しい。
    2)マメである。所謂「お尻が軽い」タイプ。
    3)自分の思想信条として、「男女は本当の意味で平等であるべきだ。そのためには自分も何とかしなくてはいけない。」と信じている。
    オバマは、3つとも満たしてるかな?
    それから、このニューヨークタイムズの記事に、オバマがこうやって家族を大事にすることによって、その部下も家族の都合とか言い出しやすくなったって書いてありました。そうでしょうねー。それに大体、午後いっぱい話して決まらなかった案件は、ちょっと夕食の時間を取って、話しなおしたほうが良いアイディアも浮かぶだろうし。
    というわけで、日本の会社の偉い人も、「自分の家族を大事にすることは、部下を大事にすることにもつながる。」と思って、積極的に家族を大事にしてくれるといいな、と思います。

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  15. ちょうどタイムリーな記事がw

    http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100219/211741/
    でも、とりあえず定時で帰宅するのは良いことです(キリッ
    日本は思想的な成長を果たさない限り、成長のノリシロは増えないでしょうねー。
    残業が増えるばかりでGDPは大して増えない、じゃなくて、勤務時間を減らしてGDPを維持すれば生産性は向上するのに。
    GDPはぶっちゃけ天井頭打ちに近いでしょうから、これからの日本は生産性(ワーク・ライフ・バランス)の向上を目指すのが吉かと。

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  16. 私は都内に住む20台後半の会社員ですが、私の周りでは結婚していないし、するつもりもないという人は多いです。
    収入や忙しさが理由というよりは、そもそも家族というものにそれほど興味がないといった感じです。
    退職後の老人たちのように、気の会う仲間と楽しく過ごしているのもいい、家族とか子供なんてなんか面倒そうだ。と、友人の一人は言っていました。
    私も、家族のために仕事を抜けるのを認めるなら、仲間と釣りにいくために仕事を抜けるのも同じように認めてほしいなと思ってしまいます。

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  17. ちなみに、日本のサラリーマンの「ワーク・ライフ・バランス」がうまく行っていないという場合、サラリーマン同士で飲みに行く時間って、ワークにカウントされてるのでしょうか、それともライフ? 家族向けにはもちろん、ワークだということになっているけど、ライフの部分もかなりあるんじゃないかなーと、昔の自分の父の様子から察します。だとすると、日本の男の人の時間の使い方の問題は、ワーク・ライフ・バランスの問題ではなく、「ライフ」時間の使い方の問題っていうことになるかと思いますが。

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  18. トップが実践するっていうのが大事ですよね。
    こういう社会が理想といったって、トップがやっていなければその下は誰もやる勇気が出ないわけですから・・・

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  19. いつも読んでいる日本在住の30歳女性会社員です。
    eakasさんの投稿わかります。何となく家族も子供いらないんですね。年取るとさびしくなるよと周囲に脅されてもあまりなんとも思いません。のたれ死んでもよいです、と言う感じ。
    今のところ日本が住みにくいともひどいとも将来性をむちゃくちゃ悲観しているわけでもないのですが。
    こういう心理もなんらかの社会情勢に影響されているのだろうなとは思っていますが、答えはなかなか出ませんね。

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  20. ブログを初めて拝見しました。
    記事を見てなるほどと感じました。社会人かけだしですが、私も家庭への時間(プライベートの時間)を確保したい派です。
    私も嘗てNZに住むファミリーの家にお邪魔(homestay)したことがありますが、DADは正にWLBを率先して体現するお方でした。
    航空会社にお勤めのDADは、仕事が終われば直ぐ家に帰り(いつも遅くても6時くらい)、家族の夕食の手伝いに直ぐ取り掛かり、servingをし、また後片付けは全て一人で行い、朝は家族の中で一番早いお出かけにもかかわらず朝一番に起きて朝食を家族全員分作り出かける―といった生活を毎日欠かさず続けており、良い人ですが家事は全くしない父を持つ身としては驚きました。
    ・・・私は率先して手伝いましたが、その他の家族は全くと良いほどDADを手伝わず、「ちょっとDADが気の毒では?」と思う反面、DADが家族の中で一番スマートな体系を保っておられることに、やはり何時か父となった際にもてきぱき率先して家事をこなしたほうが健康にもいいのだな(勿論、愛する家族のためにはserviceする気持は自然と生まれてきますが)、と妙に納得した経験があります(笑)。
    因みに、逆ピラミッド構造の日本企業においては、上司は早く帰るが若手に仕事が大量に降ってきているように思います。大量の管(閑?)理職のいない間を若手がせっせと仕事して支えているので仕方がないのか、と。何だか日本の社会そのものを見ているようです。
    旧来的な日本の企業組織では、会社の寿命自体もあと数十年ともたない、というところが沢山でてくるのではないでしょうか。

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  21. >ちなみに、日本のサラリーマンの「ワーク・ライフ・バランス」がうまく行っていないという場合、
    >サラリーマン同士で飲みに行く時間って、ワークにカウントされてるのでしょうか
    これはひとそれぞれでしょうね。ただ上位の管理職にはライフに感じられ、下位に行けばいくほどワークになっていくような気がします。
    会社としては都合のよい部分をとってきますね。参加は強制でワーク、事故など問題が発生すればライフで責任逃れをする。
    ちなみに私は会社関係で飲みにいく事は全力で「ワーク」です。

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  22. 30代元会社員です。
    私もfuwafuwaさんの気持ち分かってしまいます。
    本音は家族を持ちたいという気持ちが、分からないんですね。でも、既婚者には理解してもらえないケースも多いです。
    『少子化問題は、既に子供がある女性が更にお子さんを産むことでは、解決できない』と聞いたことがあります。
    今、独身或いは全く出産経験が無い女性が、出産することが必須とか。
    少子化の問題と既にある家族の問題は、また別かもしれませんね。
    子供いるいないに関わらず、男も家庭の仕事はせい!

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  23. チカさん、1年ぶり?の投稿です。やっとコメントできそうな話題です。
    私は58歳のアートディレクターです。
    さて、仕事と家庭のバランスとは、結局、日本の場合は男の意識につきると思います。30年前、結婚後さんざん家内に諭されて少しづつ意識が変わりました。5年間ほど、激烈な家庭内闘争がありましたが、勉強になりました。
    以来、私は家事を「手伝う」という言葉は使ったことがありません。
    まして、家族サービスなどというおぞましい言葉も同様です。
    手伝うのではなく、一緒に住んでいるのだから共に家事を行うのが当然で、
    仕事で疲れて帰宅したから、ゆっくりさせろ、というのは男の身勝手で、
    家内も疲れているはずですから、一緒にさっさと家事をするほうが家庭内も
    うまく行きます。職業柄、しばしば午前様になりますが、男の意識が変わると
    女性も理解してくれるようで、「家庭を省みないで仕事ばっか!」などと
    言われることもありません。
    やはり、家庭生活について徹底した話をしないと、埒があかず、
    そういう意味では女性も粘り強く主張/説得しつづけるということが
    たいへん重要であると思います。
    ちなみに、家内は1970年代半ばにメガバンクに就職しましたが、
    上司たちの目に余る「バカ男」ぶりに嫌気がさして結婚後1年でさっさと辞表を出し、以来、専業主婦。
    亭主がうまく飼いならされてしまった、という見方もできますが、
    そうではないと思っています。

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  24. >医療の様に上流階級だけの制度じゃないですか?
    そういうことは無いと、私は思います。私は中西部の田舎で大学教師をしているのですが、ウチの大学の貧乏な男子学生など、「家事をしないとか言ったら、お母さんにはったおされる!」と、よく言うので。
    でもオバマさんは、初めての黒人大統領として、無責任といわれる黒人男性のお手本にならなくては、というか、そういうステレオタイプを壊さなくては、という意識はあるんじゃないかと思います。

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  25. フィンランドでは、同じ人間とは思えないWLBのあり方を目の当たりにしました。
    -東京オフィスでは当たり前のように多くの人が真夜中まで会社にいたのに、7時には誰もいなくなる。(ちなみに隣のご主人は毎日4時半に終業、帰宅)
    -つねにミーティングには定時に始まり、定時に終わる。誰も遅刻も無駄話もしない。
    -先輩(フィンランド人)にアポをとるのに「二、三日前に言ってくれないと..」と言われた。
    -多くの男性が、数ヶ月のPaternity Leave(父親の育児休暇)をとる。
    -会社は7月まるごと休み。
    そもそも「人口がとても少なく、増えない」という前提に立っているので、労働力としての女性は不可欠で、既婚女性の7割が働いています。当然社会的な男女差はほとんどありません。
    さらに、これだけのライフを重んじる社会でありながら、一人あたりGDPは世界有数、学力世界一(それがWLBの原動力かもしれませんが)。我々の国は絶対なにか間違ってますよね。

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  26. 私は、只今育休中の女です。
    日本の大手といわれるところに勤めていますが、みんなが以下のような意識だと感じています。
    ・定時以後の時間も当然仕事に使われなければならない
    ・定時以降に入っている予定は、飲み会くらいである
    なので、突然17時からエンドレスの会議になってしまったりします。質を追求するためには、時間は問わないみたいな。
    この微妙なコンセンサスみたいなものがあるので、結果的に復職後は責任ある仕事はできない(=定時以降の仕事ができないなら)という感じです。
    共働き希望の男性は増えていますが、その対価として家事・育児の分担が必要だということを理解している人はなかなかいないですね。俺は家事・育児をすると言う男性も結構いるのですが、コミットメント(時間とか制約があるもの)を伴うものを想定して言っているようには見えないです。

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