これからいくつかのエントリーに分けて「日本企業・日本人アントレプレナーの米国進出方法」についてまとめていきたいと思います。先日セミナーで話したことを元にしています。私のこれまでの社会人経験の総括に近いので、かなり長くなりますが。
まずは「企業」が進出する場合。主にIT系企業がシリコンバレーに進出することを念頭において書きます。今日は「アメリカでの組織づくりはトップから雇用する」です。
まずは前置きで全体像をば。
日本企業がアメリカに進出する場合、日本企業の「したいこと」には次の4つのパターンがある。
- 売るものが決まっている
- 日本で売ってきた製品(含サービス)をかなり変更する必要がある
- 日本でも売っていないものをアメリカ向けにゼロから開発する
- 何をしていいかわからない
また、進出の「手段」としては次の4つがある。
- ゼロから組織を立ち上げる
- 米国企業に投資する
- 米国企業を買収する
- 米国企業とジョイントベンチャーを作る
さて、では、まず前述の「したいこと」のトップバッターから。
- 売るものが決まっている場合
ビジネス向けの製品では結構あり得る。「日本で売って成功したものを、そのままアメリカで売る」というパターンだ。マーケティングの仕方など、それなりに工夫は必要だろうし、売っていく中でアメリカ向けのローカライゼーションも必要になってくるかもしれないが、とりあえずは「これを売る」というものが明快にある。
しなければならないのは、売るための組織を作ること。
そのためには、
- ゼロから組織を立ち上げる
- 米国企業とジョイントベンチャーを作る
- 米国企業を買収する
という3つがある。このうち、まずは「ゼロから組織を立ち上げる」場合について。
この場合、最も大事なのが
トップを最初に雇用する
ということ。
アメリカの仕事は個人ベース。信用や評判が会社名で決まる傾向の強い日本に比べ、個人に依存する傾向が非常に強い。
もちろん、会社の信用がない、とは言わないが、「あの人がするなら」という、「who」が判断基準になる傾向が大いにある。
アメリカの企業では、新しいCEOが来ると、彼のそれまでの側近の部下がまるごとその新しい会社に来てしまう、というようなことが起こりがち。ゴーンさんが自分の部下を連れて日産にくるみたいな感じ。
全く同じことが、ごくミクロなレベルでも起こる。
特にシリコンバレーで優秀なエンジニアを雇うのは至難の技なわけだが、優秀なトップを引っ張ってくると、あとは芋づる式にその人の過去の部下などが集まってきて、みるみるうちに組織ができる。
「そういう優秀なexecutiveに来てもらうのは大変じゃないですか」
とよく言われるのだが、優れたエンジニア10人雇うのは、優秀なexecutive1人雇うよりもっともっともっと大変なのであった。
というか、不可能に近い。
探し出すだけでも大変。「シリコンバレーのエンジニア」といっても、かなり使えないレベルの人がうようよいる。そしてジョブマーケットにいる多くの人はそういう人材。(考えてみれば当然です。多くの会社が優れたエンジニアを欲しがっているので、そういう人材が大量に市場に溢れているはずがない。決していなくはないが。しかし、普通に募集をかけた場合の応募者のS/N比は超低い)。
そして、面接してオファーを出しても断られがち。まぐれで一人採用できても、つぎの人を取るのに手間取っているうちに辞められて、振り出しにもどる、とか。
「そんなハイエンドの人じゃなくていいです」
と思うかもしれないが、「普通のエンジニア」をとるのだったら、シリコンバレーに来る必要はない。「普通の人」でもシリコンバレー相場で高給。何度も言っているが、別にシリコンバレーだからと言って普通の人も優秀なわけではない。
というわけで、せっかくシリコンバレーで組織を作るなら優秀な人材が欲しいわけだが、それには、どれほど大変であっても、「まずトップから取る」というのが本当に大事なのであった。
エンジニア以外でも、「あの人が行くなら」ということがすべての業界で起こる。
「優秀な部下が行った会社に上司があとから行く」と言うケースもあるが、「上司」が芋づる式に連れてくる部下の量に比べると、部下がつれてくる上司は数が限られる。
とにかく、組織図は上から埋めていくのがアメリカの常識である。
一方でしてはいけないこと。それは、
決して「なんちゃってバイリンガル」をトップにしてはいけない
「なんちゃってバイリンガル」とは、言葉はそれなりに日本語も英語もできるが、あなたの事業を米国で立ち上げるのに適した業界経験・マネジメント経験がない人の事。
逆を考えてみて欲しい。あなたがいる業界で、日本でゼロから事業を立ち上げたいアメリカの会社がある。そのアメリカの会社が、ちょっと怪しい日本語が流暢にできるだけで、日本の業界知識もない人を雇う。その人を核にして事業が立ち上がると思いますか?無理でしょ?
逆も無理です。
「事業を立ち上げる」というのはそれはそれは大変なことなのだ。業界経験も、マネジメント経験も、さらにいえば、事業を立ち上げた経験も全部あって、それでも上手くいかないことも多々ある。いわんや、そうした経験のない人をや。
トップとして採用するのは、
「こんな素晴らしい人に任せれば必ずやバラ色の未来がひらけそうだ」
「こんな人が来てくれるとは、うちの会社も大したものだ」
と惚れ惚れするような人にすべし。そういう人すらまだ、うまく行くも八卦、うまくいかぬも八卦なのです。
そのような得難い人材で、さらに日本語もできたら、それは大変素晴らしい。素晴らしいが、めったにいない。というか、まずいない。
では「言葉の壁」をどうやって超えるか。
「通訳を雇う」または「トップを雇うためのバイリンガル人材を雇う」という二つの方法がある。
1.通訳を雇う
採用面接時点から雇う。雇用後は、日本とのやりとりにはすべて通訳をつける。フルタイムで雇ってもいいくらい。ニュアンスがわからないまま適当にやりとりを進めると齟齬が広がる。新しい事業をどうやって立ち上げていくか、というような複雑な意思疎通が必要な場合は特に。
「通訳でも伝わらないことがある」
と言う人もいる。もちろんそのとおり。でも、通訳がいないより100倍マシ、というか、もとがゼロだから無限大マシ。
「通訳のコストが・・・・」
などと心配するんだったら、そもそもアメリカ進出しない方がいい。高確率で失敗に至る「なんちゃって人材」を雇う方がずっと高コスト。
ちなみに、この「通訳を雇う」というのはすぐに実現出来ることなのだが、日本の会社が実際にやってるのを見たのは、某NTTが主催した複数社参加の日米テレビ会議で一度あっただけ。(韓国の会社の日本支社では、ちょっとした会議でも通訳を使っているケースがあった。)
「アメリカで事業をする」のは、「英語でビジネスをするという度胸試し」でも、「分からない言葉での冷や汗モノの会議の我慢大会」でもないのです。丁々発止の議論ができる英語力がない人はさっさと通訳を雇いましょう。
なお、通訳、というのも、分野別に違う人がいるので、きちんと自社事業分野を得意とする人を雇ってください。
2.アメリカのトップを雇うためのバイリンガル人材を雇う
まずは意思疎通できるバイリンガルな人材を雇う。1の通訳の役割を果たしつつ、米国会社設立やら、オフィス賃貸契約やら、もろもろのセットアップなどもこの人にしてもらえる。この人は、上述の「なんちゃってバイリンガル」でよいのだが、その人のミッションは、トップになることではなくトップを雇うこと。そして、トップを雇ったあと、その人と日本のトップとの間のやりとりを円滑にすること。
この手の人材は、組織の立ち上げ期に特に必要なので、その期間だけコンサルタントとして起用するという手もある。(←こういうのが私の仕事の一部でもある。営業だ。笑)。
それなりに米国トップと日本のトップの間のあうんの関係ができたあとは、上記1の「通訳を雇う」に移行することも可能。
===
この
「アメリカでの事業立ち上げでは、まずはスーパー優秀なトップを雇う」
ということがどれだけ重要かは、何度言っても言い過ぎということがないくらい重要。これをやる気が無いのだったら、アメリカで事業を立ち上げるための組織を作ろうなどと夢にも思わない方がいい。
「でも、日本から送り込めるのはミドルマネジメントで」
というのであれば、その人にアメリカでの「上司」であるトップを雇わせること。
先日のセミナーでもこれは一生懸命強調したつもりなのだが、そのセミナーを聞いた人と話していて、
「・・・とはいえ、やっぱりまぁ、うちの会社がいきなりバリバリのアメリカ人を採るというのもなんだから、まずは日本語のできる人の採用面接をすることになっていて・・・」
といわれたときは、かなりがっくりきました。
ユニークな事業で、シリコンバレー系VCから相当額な増資もしている日本のベンチャーで、世界進出の足がかりとしてシリコンバレーに支社を設立、という「好条件」が揃った会社なのに。
・・・しかし、なんとか立ち直って思うに、これは、「優秀なexecutiveを雇うためのゴール設定・報酬体系のありかた」とか、「優秀なexecutive候補に出会うための方法」という具体的な話をセミナーではあまり突っ込んでしなかったので、「優秀なトップを雇う」ということに現実味がなかったのかも。
ということで、この2点は、別途また書きたいと思います。
僕はプロセスよりベンチャー経営者側の問題のほうが深刻と見ています。
雇用アプローチ、報酬体系、キャリアパス整備、戦略のローカライズ、トップ同士のコミュニケーション方法、将来を見据えた法人設立アプローチ・キャピタルストラクチャーのデザインなどのプロセスを完璧にアドバイスしても「それは嫌だ、とにかく駄目だ、うちはうちのやり方で成功できる」と考えて話を聞かないベンチャー経営者がほとんどだと思いますが、どうでしょう・・・
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chikaです。
竹槍系ですね。ベンチャーに限らず、大企業でもそういう傾向がある人はたくさんいるのでは。
一度とある企業の人に人づてで
「アメリカ進出に当たり一度話をしたい」
と言われて、初めて会って、こうしたほうが、、、ああした方が、、、と言っていたら、相手が
「うちは世界で成功した大メーカーだ。ハードで成功した我々が、ソフトごときで失敗するはずがない。あんたにあれこれ言われる筋合いはない」
と高飛車に「叱りつけモード」に入ったので、私は突然すっくと立ち上がって帰ってきましたw。15分もいなかったかも。
ていうか何のために私と話したかったんだ?「すばらしいですね」とか褒めて欲しかったのか?
人生で、ミーティングの途中で立ち上がって帰ったのは二度しかないけどそのうちの一回です。
ベンチャーでも大企業でも、わかってくれる人はわかってくれますが。
「嫌だ」というタイプの人は、特にこの「トップから雇う」というところにものすごい抵抗があることが多い気がします。「そんな生意気なヤツはいらない」みたいな。
ただ、そういう人(or人たち)でも、ベンチャーだと1年、大企業だと5年くらい失敗し続けたところで、もう一度「こういうやり方だとうまく行くんじゃないですか」と言うと、結構聞いてもらえることもあるかも。
いずれにしても、「わかっていながら、すべて無視してわが道を行く」のであればご自由に、という感じですが、そもそも「そんな選択肢があることを知らなかった」という人が一人でも減るように、と思ってこの「アメリカ進出連載」を初めてみました。いつ終わるんだろう・・・・。
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面白いエントリで非常にためになります。日本でスタートアップ始めましたが、いずれはグローバルでビジネスしたいな、と思っています(まずはグローバルニッチから、ですが)。
> 失敗し続けたところで、もう一度「こういうやり方だとうまく行くんじゃないですか」と言うと
前職で大企業の中でビジネス企画をやっていましたが、同じことを感じました。
どれだけロジカルに説明して説得を試みても、「自分自身の失敗を明確に認識するまで」は、特に中間管理職以上の人たちは他人の言葉に耳を傾けませんね。「このままだと失敗しますよ」とどれだけ忠告しても。
で、半年後や1年後あたりに(僕の言った通り)失敗して、みんな驚くんですが(苦笑)。で、さらに「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」って言ったら、ものすごい嫌な顔されました(笑)。
知力を尽くしている気がしないし、人生を浪費している気がしてきたので、結局私は辞めちゃいましたが。
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ああ、なんかブログに書いちゃうのもったいない内容ですねー
でも書けちゃうのがブログのいいところなんですが。
「IT系企業がシリコンバレーに進出」に限らず、「外食産業がシンガポールに進出」でも当てはまる気がしますが・・・
>人生で、ミーティングの途中で立ち上がって帰ったのは二度しかないけどそのうちの一回です。
そのうち、この(↑)残りの1回も書いてくださーい♪
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とっても面白かったです! ぜひ、ジョイントベンチャーをつくる/買収する/投資するケースでのお話も聞きたいです◎(ぁ、読みたいですヵ)
なんちゃってバイリンガルを雇ってはいけない、って確かにそうですよね。でも、やっぱり日本側(ってなんだw)としては、自分たちと直でコミュニケーション出来る人をアメリカのトップに置きたいって気持ちは、分からないでもないなぁ(苦笑)。(でも、そんなに直に密なコミュニケーションとらないと不安なら、自分たちが英語を使えるようになればいいですね)
でも、そもそも
* ゼロから組織を立ち上げる
* 米国企業とジョイントベンチャーを作る
* 米国企業を買収する
の3つの中では、それぞれ一長一短あるにしろ、ゼロから立ち上げるって一番難易度が高いように感じるんですけど、実際のところどうなのでしょうか?
「売るものがある×ゼロから組織」って読んでて、ソニーの盛田さんが、ラジオを持って自らアメリカに乗り込んだってエピソードを思い出しました。英語よくわかんねーけど、とにかくトップ自ら突撃って凄いですよね(笑
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おっしゃるとおり竹槍系は大企業も共通ですね。大企業がプライドが高いのもわかりますし、ベンチャーの場合でも、日本の経営者は株の持分が高いキング状態に慣れておりプライドが高く、「下手すると自分よりスーパー優秀」で「下手すると自分よりスーパー高給」な人材を雇う事への大きな壁があるように感じます。ただ、そうやって自己流が海外で通用すると思っている時点で、何をアドバイスしてもその後の戦略のデリバリー時点での失敗率が高いというウワサもあり、やはり日本側のトップの資質が重要かと思います。
何にせよ、打ちひしがれてつらい思いで帰国する人が多すぎるので、事故を未然に防ぐためにもこういうマニュアルを広げておくべきですね。
しかしこりゃあ文量的には本が一冊書けるぐらいの奥が深いトピックですな。書いても買う人少なそうだけど。
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ところでoff topicなのでお返事不要ですが、セミナーで質問があったH1-Bでの起業について。僕もH1-Bで起業を試みたことがありますが、弁護士にH1-Bでは勤務先のFounder’s common stockを大量保有できないといわれました。Stock optionにしてvestingされてもexerciseしなければいいのかもしれないですが、バカバカしくて辞めました。これがOKだったらみんな自分で起業して自分にH1-B出してグリーンカードに切り替えちゃいますから、当然っちゃ当然ですね。
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アメリカ進出に限らず、日本の会社が「自分の上司になる、自分より優秀な人を採用する」ことがはたして出来るのか、そこが一番難しそうですね。
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トップを最初に雇用する
セミナーに参加した者です。渡辺さんのお話の内容にすべて同感でしたが、特に 「トップを最初に雇用する」には大同感。これが日本企業アメリカ進出の一番のネックだと思います。自信のないマネージャーは自分よりできる人は絶対取りません。レベルが5のインセキュアなエグゼキュテイブを最初に雇うと、会社全体が4以下のレベルにしかなりません。ところが自信のあるレベル10のエグゼキュテイブを雇うと、その人は自分の業績をあげようとして11以上の能力のある人をどんどん雇うので会社のレベルは12以上になるというわけです。これに対して反論疑問があるならどうぞスレしてください。それに対してお答えします。
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セミナーに参加したものです。凄く面白いテーマですよね。今後も楽しみにしています。
chikaさんに比べたら私は吹けば飛ぶような経験しかありませんが、最初に凄いトップを雇うのは私も本当に重要だと思いました。事業を始めるときは、非常に小さい組織で、ベータ顧客を開拓したり、アナリストから業界情報を得たり、検証作業のための提携活動を開始したりする必要がありますが、そういうときにモノを言うのはやっぱりコネで、凄い人だとそういう人と電話でどんどん話を進めていってしまいます。事業体としての信用が全然無くても、個人の信用でビジネスを進めていく、という感じですよね。
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Ustream のセミナーを(今さら)拝見しました。
「トップから雇う。自分の上司を雇う」という話を聞いていて、 Sergey Brin と Larry Page が Eric Schmidt を雇ったという話を思い出しました。
Google、Schmidt会長がCEOに就任
http://journal.mycom.co.jp/news/2001/08/07/51.html
古くは、Steve Jobs が自分の会社をクビになったこともありましたが、こういう「Founder であることと Executive であることは別である」というカルチャーが根付いているように感じますね。
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日本の大企業(ハイテク企業でも)では、事業部のトップはだいたい天下りで研究所などからアホな人が”落ちて”きます。大企業の経営者にとって”新会社設立”=”ポストの確保”なので、アメリカ人の優秀な人を雇うという選択肢はそもそも頭にないのだと思います。
一部上場のハイテク企業でもこの有様ですから日本のハイテク産業の未来は暗いですね。
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思い当たりますね・・・
他国に打って出ようとしているのに「外のもんはいれたくない」というClosedな態度、自分の力に応じた手段をとればいいのに、冒険しすぎかびびりすぎになる英語に対する妙なコンプレックス・・・
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このテーマぜひ継続お願いします。ちょっと話がそれますが、竹槍、大企業を問わず現場で気になるのが見てくれの件。ビジネスカジュアルで(ググってください)よしとされるシリコンバレーですが社外ミーティングの際はドレスコードの再確認をぜひ願いしたく。高価でもオシャレでも(個人の価値観ですが)穴あきジーンズや、襟なしトップスで社外ミーティングでは先方から常識or先方へのリスペクトを疑われかねませんのでご注意を。
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できるだけ早く一度挑戦してみたいと思います。
やってダメだったら帰って修行します。
他国に留学を希望していますが、ちかさんの場合、
大学院に行ってから起業したことがよかったでしょうか。
それともとくにどちらでも結果には関係なかったように思われますか?
どこかのエントリーに記載されていたら申し訳ありません。
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遅レスですが….
以前カリフォルニアで日系ウェブベンチャーの責任者をしてました、日本から片道切符 笑 ケース的にはゼロから立ち上げてました。
個人的には展開するビジネスの内容と下記の選択肢によって、トップがアメリカ人でなければいけない場合と日本人でもいい場合があると思います。
1.売るものが決まっている
2.日本で売ってきた製品(含サービス)をかなり変更する必要がある
3.日本でも売っていないものをアメリカ向けにゼロから開発する
4.何をしていいかわからない
個人体験は2に当たりますが、最近の日系ベンチャーのシリコンバレーでの動きを動きを聞いてると2のパターンでもそれなりにいけている企業もあるようですね。
(ウェブに関してはメガサービスを目指すのであれば、3のゼロから作り上げるという事が必須だと思いますが)
でも2の中でも日本からの駐在の人がトップをしてしまっているというのがほとんどではないでしょうか?
逆にほとんど成功例が無いといわれている中で数少ない成功例(今回chika-sanが指摘したような優秀なアメリカ人トップを採用した例)があれば知りたいです。
日系企業においてはご指摘の通り、「進出はしたいけど、英語しか話さず、そんな生意気な奴はいらん」と思っている人たちがほとんどなのではないでしょうか。(結果、草食系のアメリカ人が日系企業に集まるw)
採用はkojima-sanのご指摘の通り経営側の器が問われるところですよね
次回エントリも楽しみにしています。
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chikaです
>ゼロから立ち上げるって一番難易度が高い
その通りです!えっと、この先いろいろ説明した先に出てくる予定。結構この連載遠大な計画なんです。ミニマムでも20回くらい行くんじゃないかな、と推定。
>本が一冊書けるぐらいの奥が深いトピックですな。書いても買う人少なそう
>ブログに書いちゃうのもったいない
本だと、まぁ2000冊も売れたらびっくりって内容じゃないでしょうか。そして半年もすると買うことすらできなくなる。ということで、これはブログで書くのが正解なトピックである、と思っています。
>ビジネスカジュアル
4年前にこんなエントリーを書き、懇切丁寧に解説してありまする。 http://www.chikawatanabe.com/blog/2005/12/post_2.html
>他国に留学
・・・・したらアメリカで起業するのは非常に難しいです。ビザが取れないから。といったことはいずれこの連載に出てくる予定です。(企業の進出、が終わった後は、個人の進出、のパートになるのでした)。
>最近の日系ベンチャーのシリコンバレーでの動きを動きを聞いてると2のパターンでもそれなりにいけている企業
たとえばどのような?
>数少ない成功例
きちんと組織づくりが出来ているところ、というのはあります。この会社は、日本の社長が自ら50%の時間をアメリカで過ごすことでその下のVPクラスに優秀な人を取っています。事業が成功するかどうかはまだこれからですが。
あと、これも今後連載に登場する予定なのですが、新事業というのは成功する確率のほうが低い。なので、もっと何十社もまじめに進出しないと、絵に書いたような成功事例はでないと思います。。。
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千賀さんのように、言葉にしたことはなかったけど、確かにアメリカはトップダウンで決める傾向がとても強いですよね。教授会の力が私立などよりずっと強い州立大学ですら、学長がやめると、その後がまはローカルな人ではなく、他の大学の人を選びます。さらに新しい学長には、前の大学で彼の下で一緒に働いていた人がくっついてきて、彼のブレーンとして働いてます。日本の大学だと新学長は、たいてい学内の人から選ぶのに。
このことについて、私が日本の大学の様子を説明して、「だって、ローカルな細かいことはローカルにしか分からないじゃない。」って言ったら、同僚のアメリカ人の先生は、「もちろんそうなんだけど、アメリカだと、それよりもローカルの外のことが分かって、学校を新しく建て直せるんじゃないか、っていう期待のほうに価値を置くんだよねー。」って言ってました。本当は両方、分かっている人が必要なんだけど、どっちかということになると、アメリカ人は外の人、日本人は内の人を選びたがるんでしょうね。
あと、「通訳雇え」っていうのも、良いアドバイスですね。アメリカ人はストレートだっていうけど、やっぱり微妙なニュアンスって沢山あるし。本当かどうか知らないけど、森英恵さんは英語上手だけど、ビジネスのときはいつも通訳を連れて行くという話を聞いたことがあります。誤解のないようにというのと、通訳させている間、彼女自身が交渉内容について考えることが出来るという二つのメリットがあるという説明でした。
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