カナダのベンチャーもアメリカで会社設立

今日話したカナダのベンチャーの人が、会社は米国籍である、と。どうして?と聞いたら、

「カナダ籍だと、アメリカの会社が買収するのがものすごく大変なので、喉から手が出るほど欲しい会社でない限り買ってもらえない」

とのこと。

Flickrの企業メンバーがエンジェルインベスターになっている会社で、カナダの会社であるところのFlickrがYahooに買収される時は大変だった、だからアメリカで会社登記しておきなさい、という知恵を授かったらしい。

そうか、カナダですら大変なのね、と思った次第。

日本の会社だったらもっと大変。買収だけではなく、アメリカのベンチャーキャピタルから投資を受ける、てのも至難の技となるでしょう。日本で登記しているベンチャーで、法的にどれくらい投資家が守られるのか、とか全くわからないし。due diligenceしようにも、それまでの契約書全部日本語だし。

ということで、「将来はグローバルにしたい」と思っている日本のアントレプレナーの方には、ケイマンで会社を作って、その100%子会社として日本の会社を作り、投資等は全てケイマンに集めることをお勧めしています。長くなるので、この話はまた後日。

カナダのベンチャーもアメリカで会社設立」への7件のフィードバック

  1. >投資等は全てケイマンに集めることをお勧めしています。
    先進国は共同で、租税回避地に圧力を加え始めていますが、問題無しですか?

    いいね

  2. なんか、こういう方向性に無闇な感情的反発を感じないようにすることが大事だなあと最近思ってます(笑)なんかそれは自分の感情というより、「感じておかなくちゃいけないんじゃないか」という刷り込みみたいなものだなと。
    特に売り抜けたいタイプのベンチャーならやりやすい場所でやったほうが良いでしょうし、それを追求してもらったほうが日本人全体としても云々みたいな。(いちいち考えるのも面倒くさくなってきてはいますが)
    自分がやるかはともかくとして、「長くなる後日談」も期待しております。

    いいね

  3. タックスヘイブンや移転価格税制は穴だらけで、穴を埋めきるのは実務上不可能に近いので、規制しきれないと思いますよ。国も手詰まりになってきています。

    いいね

  4. 租税特別措置法で15%以下の法人税の国の子会社にすると税務処理がイヤになりそう。
    ヒットする前のスタートアップからそのがんばりは難しいんじゃないでしょうか

    いいね

  5. ケイマン諸島、良いところですね。一度、行きましたが、綺麗なところでした。John Grisham原作 Tom Cruise主演の映画 ”The firm”で見て、行ってみたのでした。白い砂浜が本当に綺麗。
    Reflectivityという光MEMS(TIのDLP)の対抗技術を開発していた会社もケイマン諸島の登記だったなぁ。

    いいね

  6. そうですね、売り抜けという言葉も必ずしも適切ではないような気がします。新しいアイデアで起業するのと、その後ある程度成長したその企業を経営していくのではまた違った能力が必要です。アメリカには前者だけを得意としている人も沢山いて、自分の会社を売った後は、また新しいアイデアで起業している人が多数います。
    そういう住み分けが社会全体で認められているからこそ、次々と新しいモノが出てくるのかもしれませんね。

    いいね

コメントする