日本語のTwitterと英語のTwitterは別メディアであることについて

別に、「国民性が・・・・」とか言うつもりはなく。単に1文字にこめられる情報量が違うので、同じ140文字でも、詰め込めるアイデアの量が全く違う。なので、メディアとして似て非なるよね、という話。

たとえば、

日本が誇るベンチャー会計士、磯崎さんのTweet。それぞれ最後のカッコ内数字は文字数

  • (前にも書きましたが)、今でも大半の上場会社の役員はほぼ「従業員代表」だけで構成されているので、「経営危機」にはならないと思いますが。
    逆に、ドイツの例など聞くと、組合側が「経営に取り込まれる」のを危惧する必要があるのかも。 (111)
  • 企業でも、内部で決めた予算等はさておき、外部との契約は経営者が変わっただけでは原則変更できないかと思います。 @mohno 余談ですが、国境/領土とか、戦後補償とか、“国際的な政府の見解”は、政権が変わったからって「あれはナシってことで」というわけにはいかないでしょうね。 (136)
  • 民主党が「公開会社法」で従業員代表を役員にするのを言い出す前に、大学の先生から聞いた話。
    「ドイツ等の共同決定法は、もともとそういう機運があってできたというよりも、あまりに組合が強すぎて、企業経営がニッチもサッチもいかなくなっていたので成立した産物。」 (125)

以上は、中でも特に長くてメッセージ性が強いものを選んでますが、今度はTim O'ReillyのTweetから同じく長くてメッセージ性が濃いものを3つ

  • IMO a SXSW panel worth voting for: Book Publishing, The New Ecosystem http://bit.ly/4nyCSG (registration required to vote) (122)
  • "It does not
    require a majority to prevail, but rather an irate, tireless minority
    keen to set brush fires in people's minds." –Sam Adams (138)
  • Looks like a great SXSW panel idea: Augmenting Your Brain With Smartphones and Semantic Technologies http://bit.ly/TQ812 (120)

もう、見た瞬間に情報量が違うのはありあり。面積違うし。駄目押しでTim O'Reillyの最初のを訳してみると

  • 思うにSXSWパネルは投票の価値有。出版、新エコシステム http://bit.ly/4nyCSG (投票には要登録) (59)

こんなんで英語で書くともう122文字も使ってしまうのですわい。

ちなみに、同じ内容を英語と日本語両方でTweetしている一橋大学院教授の石倉さんの場合。英語では書ききれていない部分を赤字にしてみると・・・・

  • テッド・ケネディ上院議員が亡くなりました。先週はスペシャル・オリンピックを始めたユーニス・シュライバー(テッドのお姉さん)が亡くなり、ひとつの時代が終わったような感じがします。ボストンに住んでいたことがあるので、ケネディ家は何となく身近?に感じます。
  • Teddy Kennedy is
    dead. The end of one era. Her sister, Eunice Shriver who began Special
    Olympics passed away last week, I believe.
  • 東京に帰り、最初の日はさすがに時差でつかれました。さっそくDoctorとのミーティングがあり、今後の対応を検討中自分の家族のことと米国でのヘルスケアの議論とは別世界?というのが印象です。
  • Now back in
    Tokyo, quite jet lagged. Pressed for time for the meeting with medical
    doctor for my mother. Quite different from healthcar

というわけで、英語のTweetになれちゃってると、日本語のTweetは内容が濃すぎて重い!逆に、日本語のTweetに慣れてしまうと、英語のTweetは軽すぎてつまらないんじゃないかと。多分「Twitter小説」なんかも、日本語のTweet密度だったら可能だけど、英語だとちょっと難しそう。

ちなみに、私のTweetは95%英語なので、重く深いことを期待しないで下さいませ。

なお、ドイツ語だと、同じことを書くのに英語より余計に文字が必要らしく、ってことは、ドイツ語のTweetは英語よりさらに軽くなってるってことでしょうか。

それぞれの国でどんなTwitter文化が花開くのか、文化人類学的に大変楽しみ。

参考まで、話し言葉では、単位時間に詰め込める情報量は英語のほうが多いことを書いた赤鼻のトナカイに見る日本語と英語の単位時間当たり情報量というエントリ有り。

日本語のTwitterと英語のTwitterは別メディアであることについて」への22件のフィードバック

  1. 「日本語 #twitter は140という数字だけ同じでも英語と全く違う文化を生んでいる気がする。日本語なら40字がいい線か」
    http://friendfeed.com/jz0f/217e7695/twitter-14040
    と書いたばかりですが、40 は少過ぎで 70 がいい線みたいですね。古いプログラマとしては、日本字一文字を英語二文字と数えるのが「あたりまえ」なので、そう設計してくれたら Twitter もちょうどよかったのに、と思います。

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  2. 私の場合、同じ内容を日本語と英語でつぶやくんで、さらに短くなります。略語は必須 I tweet both Jpn&Eng. My tweets are shorter. Abbr expression is mandatory.

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  3. 漢字だけの中国語なら最強ですね。
    思想も語れちゃいます。
    「子曰、學而時習之、不亦説乎。有朋自遠方來、不亦樂乎。人不知而不慍、不亦君子乎
    有子曰、其爲人也、孝弟而好犯上者鮮矣。不好犯上而好作亂者、未之有也。君子務本。本立而道生。孝弟也者、其爲仁之本與
    子曰、巧言令色、鮮矣仁
    曾子曰、吾日三省吾身。爲人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎」(140文字)
    ※論語より

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  4. ちょうど同じようなことを最近考えてました。特に「同じ事を日本語でつぶやく場合と英語でつぶやく場合に詰め込める情報やニュアンスに差があるな〜」と感じていました。
    http://jp.okada.fm/2009/08/twitter.html
    英語だとシンプルにパキっとcrispに言い切らないと入りきらないですが、日本語だと同じことをかなり「ゆるく」言えるところは大きな違いですね。

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  5. 日本語、英語というよりも、書き手が決定的なファクターなのでは?自分は100%軽い英語ですが、日本語でもやはり内容のある濃い文章は書けなかろうと。
    文章のエネルギー量を定量化しようにも、不定な書き手ファクターが大きすぎるのでたぶん無理、という考察。

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  6. 私は英語も日本語もまだtweetしたことないから、面白いなーって思いました。それにしても、中国語だと思想まで語れてしまうっていうのは、おかしい!ま、現代中国語は古典中国語より、前置詞的な単語とか、時間の前後関係をあらわすためにつけたす助動詞みたいなものがあったりして、また主語とか目的語もはっきりいうことが多いから、現代語だったらそこまで入らないだろうけど。。。ちなみに、中国語のtweetって、きっとあるんでしょうねー。

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  7. chikaです。
    中国語最強~。論語すごい。日に3回反省します・・・・。
    中国ではTwitterはブロックされているので、(中国から見て)海外のproxy経由でないとtweetできません。でもありますヨ。こんな方とか・・・・ http://twitter.com/heqian

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  8. 英語の勉強のためにも日本語と英語のマルチでつぶやいてますが、これは実感します。ただ、英語だとよりシンプルに短く伝えようとするので日本人にとっては勉強になりますよ。

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  9. 俳句とHaikuの世界を見れば、もっと面白くなりますよ。とくに、若い人たちのHaikuへの情熱が凄い。要するに論理的な重層を使わないで、いかに伝えるかということです。でもま、俳句がわかる日本人は少ないので、わからないでしょうけどね。これこそ、「残念」なことなんですよ。

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  10. 千賀さん、石倉です。まだTweetをどう使うのかが???なのですが、英語だとすぐリミットが来てしまうなあと思っていたので、このエントリーはとても興味深いですね。
    ここ数日私のFollowerが桁違い?に増えていて、どうしたのかな?と思っていたのですが、これに書いていただいたせいですね。ありがとうございます。

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  11. 初めまして。やはり皆さん似た様な感想をお持ちですね。必要や遊び心に応じて英語版と日本語版を使っていますが、Twitterやってるともっと他の言語も勉強しておけば良かったとよく思います。皆さん凄いなあ。石川さんが仰っている俳句とHaikuの世界には本当に面白いものが有る様に感じています。

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  12. いつもながら面白いですね。僕も英語で書くのが多いのですが、日本語は入力に時間がかかり、文章書く時、結構、構える。英語は、入力が速くて気楽に書けるけど、ミススペルが無いか、いつも不安になる。たまに、スペル確認してから出したりして、逆に時間が、かかったり。

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  13. 逆に、日本ではTwitterのレシピサービスなどあるのでしょうか?クックパッドのレシピッターのようにリンクを送り返してくれるものはありますが、140字以内でレシピを収め続けられるものがあるなら見てみたいなぁ。。。とふと思いました。
    英語だと、たとえばMartha Stewart のレシピなどありますよね。
    “beatLBbut &3Csug+2egg+tvanil& 1.5tSalt+5CFlour /into2wrap&chillRoll.25″Cut/15m(at)350F”
    これ、Sugar cookiesのレシピですが、クッキーを作るんだ、ということがわかっていれば、LB, but, t とかCの略も想像は付きやすいですが・・・ちなみにWater はH2Oになるようです。

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  14. 続き:英語と日本語におけるTwitterの情報量の差

    やはりこのテーマ、ググるといくらでも出てきました。On Off and Beyond:日本語のTwitterと英語のTwitterは別メディアであることについて例が秀逸。明らかに日本語に比べて英語だと情報量が限ら……

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  15. 同じ語数なら、英語よりも日本語の方が情報量が多そうだということは、以前からなんとなく考えていましたが、記事を読んで納得しました。

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