マイクロソフトSongsmithによる経済崩壊メドレー

先日、身悶えするほど恥ずかしいソフトとしてご紹介したSongsmithだが、その後も全米に衝撃を巻き起こし続けている。中でも個性的なのが冒頭のYouTube。(via Mashable)「Charts Music: Crisis Sounds So Cool!」と称して、様々な株価のチャートの折れ線グラフ上の点に音符を当てはめて曲にし、それをメドレーにしてありまする。リーマンブラザーズに始まり、GMなどいろいろ。日経平均もある。どれもこれも、だんだん音が下がって行くばかりだが、途中、だんだん音が上がって行くのもあって、「イラク戦争戦死者数」とか「イラク戦争の武器を供給するドイツ企業の株価」とか。ブラック。

Songsmithの発売以降、過去の名作のボーカル部分だけ残してSongsmithで伴奏をつけたものが続々とYouTubeにアップされているのだが、経済崩壊グラフを音楽にする、というのは新しいアイデアです。もっと画期的なのも出てくるか、と、楽しみ。

ちなみに、世のコメントは、

Gawker ー 製品もそのCMも、家族を皆殺しにしたくなるレベル

Valleywag ー 最低のCMの最低の製品で最低の音楽ができる

TechCrunch ー あまりにもひどくてイタイ:王道ヒット曲Songsmithバージョンの数々

Crunchgear ー Songsmithで、心安らぎ健康で生産的なヒトにあなたもなれる(元歌のメランコリックさがSongsmithバージョンでは全く消え去ることを指して)

などなど。過去のヒットシリーズは、上記リンク先にYouTubeへのリンクがあるが、たとえばPoliceの名作Roxanneは、短調な曲が長調になってしまってて朗らか感がにじみ出る。が、どれも元歌を知らないとイマイチ面白さの爆発が感じられないと思うので、「あ、コレは知ってる」という曲を聞くのがコツです。どれも知らない、という方は、Obamaの演説バージョンなどもあり。(YouTubeのこちらにあります)。

そして極めつけは、あのLinus TorvaldにまでブログでFantastic!と揶揄されていること。エントリーの出だしは

This may be a shock to everybody, but I have to admit that I'm not
generally a huge fan of most Microsoft software ("No, really, Linus?
Tell us more!").

「みんな驚くかもしれないけど、僕はあんまりマイクロソフトの大ファンではないことを白状しないとならない。(『エー、まじで?Linus?それどういうこと!』)」

とジョークで始まるtongue-in-cheekな文章。(tongue-in-cheekは、日本語にするのが難しいので、別サイトListen-ITの方で解説しておきました。興味のある方はそちらを見てください。)

The thing that convinced me was hearing Billy Idol's "White Wedding"
as re-interpreted through Songsmith. Nobody will ever convince me that
that isn't just impossibly brilliant. Sheer genius on just an
incredible scale. I'm getting carpal tunnel syndrome from just clicking
"Replay" over and over again.

いわく、Billy IdolのWhite WeddingのSongsmithバージョンを聞いて、もうこれは不可能なくらい素晴らしく、信じられないレベルの純然たる天才的作品だと納得。YouTubeのReplayボタンをクリックしすぎて腱鞘炎にかかりつつある、と。

しかし、Songsmith、多分もっとグレードアップした音源を使っていたら、ここまでの衝撃を世に与えることはなかったと思うのだが、そうなったらそうなったでただの微妙なソフトで終わってしまったことでしょう。難しい。とりあえず私は十二分に楽しんだので、ありがとうマイクロソフトという感じですが。

マイクロソフトSongsmithによる経済崩壊メドレー」への11件のフィードバック

  1. ♪Songsmithにしてあげる

    か、かみすぐるwww
    On Off and Beyond: 身悶えするほど恥ずかしいマイクロソフトのSongsmith
    On Off and Beyond: マイクロソフトSongsmithによる経済崩壊メドレー

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  2. 前回のエントリーからSongsmithには笑わされっぱなしです。
    意外とまだ日本の曲を使った作品が見つからないのが残念です。何か意外な化学反応が起こりそうな気がします。原曲のレベルが元々低かったりしそうですが。

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  3. > しかし、Songsmith、多分もっとグレードアップした音源を使っていたら、ここまでの衝撃を世に与えることはなかったと思うのだが、そうなったらそうなったでただの微妙なソフトで終わってしまったことでしょう。
    申し訳ございませんが音源グレードアップはオプションとなります。
    世界の作曲者が使っているGarritan Orchestral Libraries より精選した音源を$9.99にて販売しております。ぜひご購入をご検討下さいませ。
    ご参考URL: http://www.garritan.com/
     

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  4. Garritan、コレを使って作ったクリスマス音楽集がサイトにあって聞けるんですが・・・・うーん、何だかとってもシンセサイザーなんですがまだ世の技術はこんなものなのかしらん???でも、確かにコレを使ったら多分ずいぶんましになことでしょう。情報Thank youです。

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  5. chikaですが、すみません、いただいたコメントの大事なつぼを見逃していました。
    「マイクロフト営業担当」さんなのですね。私1990年ごろ購入したスキーウェアのメーカーがMICROFTといいますが、こちらの営業の方でしょうか。音源をグレードアップして、鼻歌を歌いながらスキーをするとフル伴奏となる、といった素敵なことを想像しています。やっぱりユーミンのスキー天国かな。(年が知れますが)・・・。
    MICROFT製スキージャケットの写真
    http://www.flickr.com/photos/chikawatanabe/99585869/

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  6. > Garritan、コレを使って作ったクリスマス音楽集がサイトにあって聞けるんですが・・・・うーん、
    > 何だかとってもシンセサイザーなんですがまだ世の技術はこんなものなのかしらん???
    えぇーっと・・・
    chikaさんがお聞きになったのが「クリスマス音楽集」のどの曲か私は知りませんし、また「まだ世の技術はこんなものなのか」とおっしゃる比較基準が何なのか、よく判らないですね。
    もしかしてオーケストラの生演奏のリアリティやCDクオリティを基準に、ないものねだりしてません?
    Garritanのオーケストラサウンドは、別に最高峰というではなく、手頃な価格で入手可能な選択肢の一つに過ぎません。
    この分野のトップクラスといえば例えばVienna Symphonic Library
      URL: http://www.crypton.co.jp/vienna/
    の評判が高いのですが、楽器数/演奏表現(アーティキュレーション)数/サイズ/価格もトップクラスとなるため、一般の方が自動伴奏で使うには「猫に小判」です。(自動伴奏のような初心者向けソフトには、この種の音源の表現力を使いこなすノウハウは含まれていません。またオーケストラサウンドをリアルタイムでシミュレーションするにはおそらく数十台単位のPCが必要になる事でしょう)

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  7.  このCM、親父が娘? Lisa のアイデアをパクる
    ストーリーで良いんですよね。
    何で Lisa なの? ご丁寧に字幕付で。
    たしか LISA って元祖Macで、マウスの始まりだったと
    思うのですが。
    業界人なら余程の無知か、図太い確信犯なのか。
    Jokeにしても、MSがやると洒落にならないと言う
    見本なのか? 
    余りにも謎の多いCMですね。

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  8. chikaです。
    >フォローさん
    私が聞いたのは、Garritanのトップページからリンクされていた
    http://garritan.com/Xmas.html
    です。
    ページ内に大オーケストラのクオリティ、と示唆されています↓
    “Each of these orchestral recordings were made not with large live orchestras in vast recording studios at huge expense, but rather were created by a single person working on their own desktop or laptop computer.”
    なので、期待が高まりすぎちゃいました。でも聴いた瞬間にシンセサイザー。最高レベルでのシンセサイズドなサウンドがすごいレベルに達している、とは漠然と想定してます。うちのRolandの電子ピアノもかなりのレベルですし。
    >余りにも謎の多いCM
    これは確信犯でおもしろCMなんだと思います。tongue in cheek、なCMなのでは、と推定するのですが・・・。
    http://www.listen-it.com/2009/02/tongue-in-cheek.html

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  9. chikaさんが引用された文章の直前に
    “A community of musicians from all over the world met on the Garritan community forum and agreed to submit their own recordings of holiday music, to be freely distributed.”
    と書かれているように、Garritanの外の一般ユーザが(仕事ではなくおそらく趣味で)一人で打ち込んだ曲を集めたものに過ぎないので、音源の活用も曲表現の完成度もそれなりなんじゃないかと思います。
    ちなみに私の所(日本国内)では2005~2008年分のアルバム曲(mp3)は”Forbidden”エラーとなりアクセスできません。かわりに
      Garritan Presentation of The Nutcracker
      http://garritan.com/Nutcracker.html
    というページにある Garritanのプレゼンを聞く限りは、充分な製品品質を持っているように聴こえます。
    あとどうも一般の方は勘違いされているようですが、生楽器やライブ向け機材はともかくとして、電子楽器~サンプリング製品の世界では 現在では日本産オーケストラ音源の名前があがる事は滅多にありません。
    YAMAHA, Roland, KORG, AKAI 等のフラッグシップ機には少なからず海外有名サウンドクリエイターの手によるサンプルが入っていますし、その音源容量も数十~数百MB程度と現在では貧弱な部類に過ぎないからです。これら機材が活用されるのは、ライブや即興の曲作り等、ソフト音源ではセットアップの手間や安定性の点でイマイチ信頼できない、という場面です。
    まあ悪い話ばかりではありません。chikaさんもおっしゃるように国内メーカ各社はピアノ分野に大きな市場を持っているので、海外の大容量高品質なサンプリング音源に対抗して各種の試みを続けているようです。
    例えばRolandは2009年のWinter NAMM (楽器トレードショー)で 物理音源方式の V-Piano を発表し、サンプリング方式では得られない演奏者と楽器の対話を実現しています。
    サンプリング音源は優れた才能さえあれば音楽スタジオ程度の零細企業でも開発できますが、物理音源方式にはそれなりの研究開発投資が必要になるので、もし(1)自社開発に拘らずに世界の優れた才能を集め、(2)大容量サンプリングに勝るメリットを示す事ができれば、規模と資金力に勝る国内メーカが再び優位に立つ事ができるかもしれません。

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  10. アメリカのカジュアルブランド GAP に対抗して(?)、
    次々とお洒落CMを流して話題となっている UNIQLO ですが
    最新CMは、なぜかSongsmith風アレンジで Songsmith風ビデオになってます。
    Q-Tip UNIQLO http://www.youtube.com/watch?v=phWQhQGUu2A
    「貧弱な音とアレンジ」が、必ずしも「貧弱な表現」につながるとは限らないという好例かもしれません。

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