23andMeのDNAテスト

GoogleのSergei Brinの奥さんがファンダーで、Googleが投資した民間向けDNAテストベンチャー、23andMe。倫理的にそういう投資をしてよいのであろうか、、、という話しはさてはおきつ、テストで判明する健康項目を見ていたら、おお、なんと「耳あかのタイプ」が!これって日本の研究者の方が発見した遺伝子ですよね。

話しのネタとしては面白いけれど、「あなたの耳あかは湿っている」って言われてもなぁ・・・。

酒を飲んで赤くなる、とか、目の色、とかもあって、「それって、わざわざDNAテストされても」って感じですよね。

もちろん、グルテンが消化できないCeliac Diseaseとか、消化管に炎症が起きるCrohn’s Diseaseといった病気もわかるのであるが。うむむ。

病気ではなく人種・民族的ルーツも調べてくれる。アメリカ人的には、こちらの方が面白いかも。「自分の祖先がどこから来たか知りたい」という欲求が強い人たちなので。

何で突然23andMeのサイトを見たかというと、先週末のNew York Times Magazineに特集があったから。とある心理学者が23andMeを含めDNAテストをしてみて、結局「大して意味のあることはわからない」という結論に至った話し。なぜなら、既にわかっていること以上には、何も明快にわからないから、と。(彼はかなりシビアな遺伝病のキャリアであることはわかったにもかかわらず、子供がいないから関係ないし、と)。

So if you are bitten by scientific or personal curiosity and can think
in probabilities, by all means enjoy the fruits of personal genomics.
But if you want to know whether you are at risk for high cholesterol, have your cholesterol measured; if you want to know whether you are good at math, take a math test.

「科学的または個人的好奇心があって、確率的に物事を考えられるならDNAテストをしてみるとよい。しかし、コレステロール値が上がりがちか知りたかったらコレステロール値を検査すべきだし、数学が得意か知りたいなら数学のテストを受けるべき。」

この「確率的に考えられるかどうか」って結構難しい。「全体としては特定の傾向を示すが、個人ではそれが出現するとは限らない」ということ。昨日のReal Educationもひたすら確率統計的な話しだったりしますが。

23andMe、TechCrunchのMichael Arringtonが自分のDNAを調べてその結果を公開している記事もあります。

ちなみにこの会社、他の個人向けDNAテスト会社と一緒に、去年の7月にカリフォルニア州政府から営業停止命令を受けている。「医師が注文しなければならない」というルールに反しているので。しかし、会社側は反論。今でも普通に個人が注文できる模様。

日本だったら、行政から営業停止命令を受けて「いや営業するぞ」と言い張って戦うって、なんだか呆然、ではないでしょうか。

23andMeのDNAテスト」への4件のフィードバック

  1. 23andMeの場合、自分のDNA「の極々一部」を調べていると言うべきでしょうね。しかもDNAのコードだけで病気になるかどうか決まらない病気の方が圧倒的に多いので、イメージ的には「自分のDNA」で売ってるけど、実際にやってることとの間にはだいぶギャップがあると思われます。
    ちなみに耳あかのタイプは体臭とも関連があるので、結構需要はあるかも。

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  2. いつも新しい切り口での見方、楽しくブログを拝見しています。
    DNA検査というと身近では乳ガン子宮ガンに掛る傾向調査のためにDNAを調べたい、という同僚がいます。確かに癌は遺伝もあるので・・と思うものの、保険もきかないので「そこまではいいかな」と一歩引いてしまっています。
    分かればいいけど、分かった結果子供を作らない方がいい、というのは寂しい。自然淘汰では仕方ないと思いますが、仮に自分の子供に障害があってもその可能性を伸ばしてあげたいと思う。<ぐるぐるしてますが
    別件ですが、JTPA2009に参加します。もし可能であれば3/19or20にSVで1-2時間程直接会ってお話したいです。
    Name@gmailで連絡いただけると嬉しいです。

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  3. chikaです。
    >耳あかのタイプは体臭とも関連が
    これ、実際に耳垢見るのではダメですかね?
    >分かった結果
    リスクが高い人は、体外受精で遺伝子チェックをしてOKな受精卵だけ使う、という手もあります。倫理的には微妙な感じですが、たとえば恐ろしいハンティントン舞踏病のキャリアとかだったら、、、と考えるとぐるぐるします。
    >3/19or20
    JTPAのコンファレンスの準備等もあるので、申し訳ないのですが・・・。

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  4. >JTPAのコンファレンスの準備等もあるので、申し訳ないのですが・・・。
    返信ありがとうございます。200人規模となると準備も大変ですよね(^^; 
    2ヶ月後ですが、お会いできるのを楽しみにしています!
    &ブログも楽しく拝見させていただいています。。

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