Blade Runnerに思う技術の進化速度

最近Blade Runnerを見た。もう数え切れないほど見ているのだが、もともとは1982年の映画。で、久しぶりに見て時代背景にちょっとショックを受けた。「未来物SF」で、2019年のLos Angelesが舞台。で、2016年ごろに作られたレプリカントが登場する。レプリカントは、DNA操作によって作られた業務用人造人間。「200キロの原子材料を素手で運べる」といった能力を持つが、感情は持たない。そして感情が生まれるとまずいことになるかもしれないので、4年たつと自動的に死ぬ。

ひえー、そんな高度なことがあと8年でできるとは到底思えん。というか絶対できない。

最初に私が見たのは1983年。ゆえあってオーストラリアで見たのだが、そのときは2019年という時代設定はまったく変だと思いませんでした。当たり前かもしれないが。

しかし、実際「あと8年」という今になって見ると、まったく現実の技術が追いついていなくて結構さびしい。分子生物学ってなかなか思ったように進化しませんね。これ以外でも、ヒットラーの遺伝子でクローンを作る、というThe Boys from Brazilは1978年の映画だが、ここで「すでに実現した技術」として出てくることもいまだに結構最先端だし・・。やはり人間の命という倫理に関わることが分子生物学発展を妨げる最大のネックでしょうか。

一方、Blade Runnerより現実世界の方がずっと進化しているのが「モニター」。映画内では2019年でもブラウン管で、コンピュータ画面は緑のぼんやりしたローマ字が羅列、というIBMのダム端みたいな感じ。1990年だってもっとましだった。

消費者のエンタテイメントにかかる技術は思い切り進化した過去25年、ということでしょうか。

Blade Runnerに思う技術の進化速度」への6件のフィードバック

  1. ・・・そういえば,1995年制作の,サンドラ・ブロックが出てた映画「ザ・(ザ?)インターネット(原題The Net)」で,汚染されたファイルのやりとりのために”フロッピーをDHLみたいなので運んでた”シーンがあったと思うのですが・・・今思うとフシギ・・・

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  2. 最後の部分の返事なのですが、
    、、、ということはどういうことなのでしょうと?
    私、最近現実感覚が何か変でついていけないのです。
    日本ではストリートビューのシステムが昨日あたりから変更になり、
    パロアルトにあるスタンフォード大学内部の建物の正面の写真やら、
    Wikipediaの説明とリンクしてたりしてます。私、地方に在住なのですが、あこがれのシリコンバレーにも住民気分でぶらつくことができます。
    気になるたてものの名前をコピーしてyoutubeで検索すれば動画は出てきますし、スタンフォード大学の授業も動画で見れます。
    それってどういうことなのでしょう?
    地方に住んでいて感覚としては素朴な私はついていけませんし、自分のまわりの人に説明してもわかってくれません。
    話はそれで終わりません。東外大言語モジュールという便利な多言語
    入門の動画ページがあり、NHKに行けば毎日多言語でニュースがipodにいれられます。そんなことしばらく続けると耳の感覚が変わってくるのです。youtubeのフランスの女優のインタビュー、ドイツのtv totalというトークショー、韓国の「ここが変だよ日本人」と「から騒ぎ」を足したような番組、分かるとはいいませんが耳の感覚は生々しいのです。
    今、入力しているパソコンsecond lifeを体験するために買いました。
    筋金入りのMatrixfunの中には仮想と現実の区別がつかなくなっている奴がいるに違いないとnetのどこかで読んだのですが、そんな感じです。少なくとも現実世界にいるのは私の抜殻で魂はネットの中に吸い込まれたような感じです。ただし、そう自覚できるだけましだと思いもしますので文面読んで心配なさらないでください。下手な文につきあってもらってすみません。

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  3. 私も先日、Blade Runner見ました。(私は千賀さんみたいにカシコでないので、、、)話の内容よりも、ショーン・ヤングの衣装の肩幅広すぎ!しかし若いからきれい。が今は変なおばちゃんになっている(らしい)。ハリソン・フォード&ルトガー・ハウアー、もうおじいちゃんになったなあ。ダリル・ハンナもおばちゃんに。(あ、私もおばちゃんにっ!)映画のテンポが今のに比べて遅い〜。それにしても、リドリー・スコットって、おじいちゃんのはずなのに今もなお超メジャーな映画をバンバン撮っている。すごい。(愛人を映画に出演させる監督として私の頭にインプットされている。)と変なことばかり思ってました。

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  4. chikaです。
    The Netって、255を越したIPアドレスが登場して失笑をかった映画じゃありませんでしたっけ?別の映画で、CIAから情報が盗まれている!どんな高度な方法で!?と物語が高まった挙句、「それはUSBメモリで盗み出していたのでした」というオチで涙したものもありましたが・・・。ははは。
    >現実世界にいるのは私の抜殻で魂はネットの中に吸い込まれたような感じ
    そういえば、Blade Runnerでも、通信手段は原始的で、携帯電話すらないので、連絡を取りたいときは人間が物理的にやってきます。(そして折り紙のユニコーンを置いていったりする)。そのあたりもレトロ感でいっぱいでした。インターネットってすごいですよねぇ。どこでもドアみたいなものかと。
    >ショーン・ヤングの衣装の肩幅広すぎ!
    あと2-3年したらまたあれが流行りそうな気が。ハイウェストに幅広ベルト、ストラクチャーバリバリなスーツにデコラティブなハイヒール。(すでに一部始まってますが)。不景気にはモード!15年前買ったハイウェスト用のベルトが再度使える日は間近。

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  5. Blade Runner、去年か今年か、上映してるのを見に行きました。
    ラストシーンの、レプリカントのリーダーの独白のシーンの強烈さは今でも忘れられません。
    思い出すと、胸が熱くなって、いつかもっと大きな自然現象と、地球規模の現象ともうまくつきあうようになって、太陽系とさえつきあうようになって、銀河系とさえつきあえるような技術の進歩を夢見ずにいられません。
    僕は、技術の進歩のどこまでにつきあえるんだろうか。
    どこまでも付き合えないのが悔しいです。

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  6. ACクラークの「2001年宇宙の旅」では既に恒久的な宇宙ステーションと月基地が完成し、木星有人探査船まで登場しますよ。2010年だとソ連製の探査船も出てくるんだったかな。
    死にかけて混乱したコンピューターが死の間際に「デイジー、デイジー」と歌うのも、まだ難しいかな?
    逆に進歩した方だと携帯電話。CIAやのエージェントとかならまだしも、普通の中高生が携帯電話で待ち合わせするなんて想像していなかったですからね。古いマンガやゲームなんかを見ると、待ち合わせ場所に相手がいなくてすれ違うシーンなんかがあります。新しいものだと相手がいなければ携帯電話で連絡を取り合うだけなんですよね。

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