ありえない窓施工

世紀の金融危機の真っ最中だが、シリコンバレーの日常はこともなく。CNNMoneyでもつけない限り、全然関係ないという感じ。まぁ、関係あっても特に何もできないわけで普通にやってます。

ということで、我が家の現在の最大の関心事は家の建替え。アメリカならではの「ありえないできこと」がいろいろある中でもびっくりしたのが、最近取り付けられた窓でございます。写真の通り、枠に隙間が空いている。

Horrific window installation

この状態で「施工終了」と、窓業者が去ってしまったのであった。

ここだけじゃなく、8箇所ほどきっちり同じだけ隙間が空いている

ありえない。あまりにもありえないので、第一発見者の私は

「もしかして、これ、この後何かが起こるので、わざと隙間をあけてあるのだろうか?」

と首を傾げつつ一旦退散したくらい。

しかし、これは、「計測違い」に基づく大いなる間違いなのだった。

ま、話せば長い事情はあり、なぜ間違いが生じたかはほぼ推測がついているのだが、それにしても、この窓を取り付ける人は、「さすがにまずい」とか思わなかったんだろうか?

想像するに実態は

「あれ、枠の長さが足りない。まいいか、俺の知ったコッチャないから取り付けて帰るぜ」

という感じかと。

しかし、この後誰も気付かないとでも思ったんですかねぇ・・・。家の持ち主が

「あ、隙間だ。隙間だ。でもいいや」

と言うとでも?

うーん、作業の人が日本人だったら、長さが足りないことに気付いた時点で代理店(雇い主)に連絡してなんとかしようとするんじゃないかと。一旦取り付けてしまったら外すのも大変なのだ。

全くわからん。わからんが、とにかく隙間。そして、窓が取り付け終わらないと、全ての後工程の作業ができないので工事はストップ。

実は今までにも窓関係のトラブルは複数あり、そのせいで2-3週間ほど工期が遅れている。で、今回の「隙間」は最後の一押し。窓の代理店への支払いはクレジットカードを止め、明日話してらちがあかなかったら裁判所に訴えます。はい。

「いや、しかし、ありえないよねぇ」と、ちょうどキッチンキャビネットの納入チェックに来ていたキッチンデザイナーのイングリッドに嘆いたら、

「私もキッチンデザイン・取り付けの仕事を40年やってきたけど、昔はこんなことなかったのよ。本当に。」

とのことでした。

どうも、アメリカの工事現場は、年を追うごとに、いい加減な輩が増えている模様です。やれやれ。

ありえない窓施工」への14件のフィードバック

  1. これでは製造業での復活は難しいのではなかろうか?
    もっとも、イギリスもありえないらしいし、ロシアも酷くてトヨタも苦労しているようだが。

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  2. サブプライムで、大工のモラルが落ちたのだろうね。日本も建売住宅が大儲けしていたときは、釘が打てれば大工としてつかってくれるところが山のようにいたそうな。ただ、昔だろうと現代だろうと、工事の前に、大工とは面接して、酒ぐらい差し入れしておくこと、それから工事の初日は立ち会うこと。あとは、できたら大工仕事の技術に詳しい人にいろいろ教えてもらうことが一番大切だったりする。直接、見えない部分で手抜きや安い材料を使われてしまうと、時間がたってから欠陥がでてくる。もっと酷いのは、他の現場の残りものとか不良品とかが回ってくることも心配した方がいい。とにかく、大工の所得が高ければ良い仕事にこだわるけど、そうでない場合は、冒頭に書いたとおりに、酒とかチップとか先にはずんでおかないと、無理だろうな。日本の場合、ひどい場合、工務店ごといなくなってしまって。で、もとに戻すと、アメリカのサブプライムで建てられた住宅は、建築物として悪いから評価額も落ちたんだとも考えられます。とにかく、大工仕事は、ドイツ風に言えば、アートなので、本来は高い。高くて手がでないなら、ホームセンターで材料を仕入れて自分で工事するしかないということです。それに、いい仕事ほど、時間と手間がかかる。

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  3. 「ありえないねえ」と思いたいけど、それはあくまで目に見える所だけというのが日本企業じゃないかな。
    IT業界にいると、そりゃもう品質の悪さと言ったら、本当に救いようがない。でも品質を無視してコストダウンを追求する経営者にとっては、これこそが最適解なんですよ。だから今後も日本ではこういう自体は増えていくでしょう。

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  4. イギリス在住ですが、周囲で評判の良い大工さんというのが存在しています。
    事前に評判をリサーチしてから依頼した方がより確実だと思いますが、Chikaさんの場合は発注業者と下請け業者による典型的な分業化による責任の所在はどこ?的な感じですね^^;

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  5. chikaです
    アメリカの製造業は・・・難しいというかダメでしょうね。よっぽど特殊なノウハウが必要だったりしないと人件費も高いし。
    大工と面接して物事がうまくいく、というようなそんな牧歌的なものだったらいいんですが・・・。もちろん、工事元請のMarkや、その下で働く現場監督のJames君とは仲良くして日々連絡を取っているんですが、それ以外にいろんな業者が入れ替わり立ち代り来るんですわい。窓、ドア、ガス管、防水、ドライウォール、などなど、全て別の人。
    また発注形式としても
    「基本的に元請のMarkが内容確認はするが、金銭的には我が家が直接契約」
    という相手も多い。
    今回の窓もそれで、形式的には我が家から直接発注した窓を窓業者が設置する、という流れ。(つまり私たちがしっている大工であるところの現場監督、Jamesは直接は関係ない)。でも、その窓業者を選んできて、発注の中身を確認したのは元請のMark、というまさに「典型的な分業化による責任の所在はどこ?」という状態であります。
    まぁでも、今建設のタイミングとしてはいいんでしょうね。$700 billionも投入したらやっぱりインフレになると思うので、できれば、毎年10%くらいのインフレになって、10年で家の値段が3倍くらいになるとすばらしいかと。ははは。

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  6. はじめまして。
    最近は、日本の大工さんもがんばってますよ。
    新築やリフォームの現場で、建具の取り付け失敗による隙間を壁紙の接着剤で目張りしたり、ドアが閉まらないので電ノコでドアの形変えちゃうとかは頻繁にあるそうです。
    かく言う我がも家増築時に、250x200cmくらいのサッシ窓を平行四辺形に付けられて猫が通れる様なでかい隙間を作られちゃいました。
    長い修行時間のかかる大工さんが経営不振で店じまいする中、公共事業の現象でリフォーム業界に大挙鞍替えしたコンクリート幕板大工(大工とつくが精度はあくまで土木)さんたちがあちこちで被害者を作っているようです。
    うちの場合は事故を指摘したら値引きを提案して来たので、値引きはいらないのでちゃんと作り直せと言う事になりました。

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  7. 効率最優先で利益カツカツの米国施工業界で、Reworkほど利益損失につながるものはありません。だから「言われなきゃ直さない」といったメンタリティの会社も多いかと思います。労賃が日本の2倍以上なのに(特にカリフォルニアは)、工事費が半額以下の米国では、コントラクターも死ぬ気で仕事をしていますから。日本のように職人気質に無駄にこだわり時間をかけダラダラ仕事をする施工会社は存在しません。金がかかっても、こういった頭痛を減らすため、General Contractorをゆういつの元請けとして使うのも手だと思います。直接契約は結果的に高い買い物になる場合を多々見てきましたし。今回のような不良工事でも、これをそのままにして周囲のドライウォール工事を始めると、法的に「施主は施工に合意した」ことになりますので、不良があった場合、ただちに書面で連絡を取るのが大事かと思います。Good Luck。

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  8. >明日話してらちがあかなかったら裁判所に訴えます。はい。
    おお、契約法の授業で出てくる例そのままのような典型的な契約不履行のケースですね!ささっと解決するといいですね~。
    Good luck! です。

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  9. こんにちは。
    それは、根本的に有り得ない以前の話ですね。
    日曜大工やど素人でも、そんな仕事はしないです。
    やっつけ仕事もいいところ。
    国は関係なく、心を込めて仕事をしたかどうか。
    それは仕事ではないです。
    仕事の仕の、漢字1字を左右分解しても
    人に仕える事、つまり人の役に立つことが仕事です。
    まともに仕事が出来ないなら、返金・返品どころか時間ロスの損害賠償ものですね。
    他の職人さんに遅れる影響があるならなおさらです。
    スケジュールで動いているのでしょうから。
    そう思いませんか、chikaさん。

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  10. chikaです。
    >建具の取り付け失敗による隙間を壁紙の接着剤で目張りしたり、ドアが閉まらないので電ノコでドアの形変えちゃうとかは頻繁にあるそうです。
    それ多分アメリカだと普通の工法だと思うんですが・・・・・(そうしてもいいように各パーツができてる。)
    >工事費が半額以下の米国
    商業建築はそうなのかもしれませんが、シリコンバレーで一般住宅を建てる場合はそうでもないです。日本が今坪50万円くらいが相場じゃないかと思うんですが、当地は$300/square feet=坪約11万ドル、110万円なり、くらいが最低線かと・・。単純比較はできないですが。
    >そう思いませんか
    はぁ・・・(涙)。

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  11. >当地は$300/square
    相場とは言いがたいですね。正確な数字は統計を見ていただくのも手ですが、確か米国全体で$140/sf。ベイエリアでも、$300とはバブル時代の施工会社の根拠の無い言い訳で、$200でも高いくらいでしょう。
    東京は平均の建設坪単価は75万ですが、仕上げ、仕様はアメリカの家と格段にグレードが低いので、単純な坪単価比較は危険です。
    ちなみに私が関わっている商業建築の場合、建設費の差はさらに大きく、日本の建設業界がどれだけドンブリ勘定で施工をしているのか良くわかります。日本の設計の品質の低さなどの複合的な問題もあるので、施工会社だけを責めるわけでは無いですが。

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  12. 日本の我が家でも、新築時に発注していたカーテン(縦のブラインド型)が、すべて測量ミス。床上20センチくらいのつんつるてんで取り付けられておりましたです。わはは。(←と、私は思ったのですが母は大激怒)その後も、畳がかびたり下水管が臭ったりドアの建てつけがおかしくなったりと、色々ありましたが、これは設計サイドからしたら普通。住まい手はこんなことでいちいちめげてはいけないのだ(と実感)。そしてそういうメンテナンスも設計者のお仕事。アメリカではそういうサポートはあるのでしょうか?
    余談ですが、デティールも施工もアイディアも素晴らしく、各雑誌でも未だに引っ張りだこの某有名建築事務所による某住宅は、特殊すぎて住めないということで裁判沙汰になった模様。住宅って色々と大変ですね。

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