Scientific American誌のAn Earth Without People。
「人類が今日突然いなくなったら、その後1兆年の間に何が起こるか」
というのをシュミレーション。心が洗われるストーリーであります。
こんな感じらしい。
- 1週間後:水冷システム停止により原子力発電所がメルトダウン
電気が通わなくなると、結構すばやくいろいろなものが崩壊するようだ。もし、うっかり最後に残った人類になってしまったら、最初の数日の間に、発電所等がない場所にせっせと逃げましょう。
- 4年後:寒冷地では、冷凍・解凍の繰り返しで弱った建物が倒壊し始める
カリフォルニアの建物は残りそう。この時期、ネコさんたちは結構生き残る可能性が高いらしい。野鳥などは、人類滅亡後は増えると考えれるので、それを食べて順調に繁殖、と。家畜の牛は野生の猛獣の餌食になるのでダメ、だそう。
- 5千年後:核弾頭のケーシングが腐食、プルトニウム239が流出
- 1万5千年後:マンハッタンが氷河に覆われる
この辺までがよくSFとかにでてくる「人類滅亡後の地球」だな。暗い未来。
- 3万5千年後:自動車の排気ガスから蓄積した地中の鉛の痕跡が消える
- 10万年後:空気中の二酸化炭素が、人類工業化以前のレベルに戻る
- 1千万年後:青銅像だけが人類のいた痕跡として残る
ついに汚染のない美しい地球が帰ってくる。しかし、排気ガスの鉛や二酸化炭素の影響がそんな先まで残るのは、ちょっと衝撃。
- 50億年後:寿命の終わりが近づき、拡大する太陽に地球が飲み込まれる
小学校に入った頃読んだ「星の一生」という絵本にも出てました。
***
さて、地球もきれいさっぱりなくなった人類滅亡1兆年後、何が人類が存在した痕跡として残るでしょうか。それは
テレビ電波。
小林青年がホットドッグを食べる姿、ケイン・コスギが跳び箱を飛んでる姿、といった電波が、弱弱しく、かつ分断しながらも、延々と宇宙を広がり続けるのでした。これをウカツに受信してしまった他の知的生物が、「一体全体これはナニ?」と頭を悩ませる姿を想像すると楽しい。
***
えーなんでこれが、心洗われるかというと、人類が地球に及ぼす悪影響には心が痛むので。
野生動物が、開発、乱獲、地球の温暖化などで、苦しむ姿を見るのはつらい。南極の氷が変わったことで、何十匹ものペンギンが氷の隙間に落ちてただ死んでいくのを待つ姿。北極の氷が解ける時期が早まってエサが減ったホッキョクグマが、溺死の危険を冒して、陸が全く見えない北極海を孤独に泳いで獲物のいる地を探す姿。密猟者に親を殺されたオラウータンの子供たちが、保護してくれた人間にすがり付く姿。
まぁべつに私は、「人間だけが、進化できたエライ動物で、だから人間が全ての悪の元凶」というほどに思い上がってはいなくて、人間がいなければ他の動物が何らかの方法で進化し、結局環境を乱したのではなかろうか、とは思うんですが。
とはいうものの、少なくとも今の人間が及ぼした悪影響が、人間さえいなくなればいつかはなくなる(数万年かかったとしても)、というのはなんだかほっとしてしまうのでありました。
人類が最後に残すもの「テレビ電波」をよくギャグネタに
使っています。つまらないバラエティー番組を見て
「この電波は1日したらボイジャー2号を抜き去り宇宙の
彼方へ飛んでゆく」他の知的生命が見たらどう思うかは
千賀さんと同じオチです。
ちなみに確認されている最古の電波はモールス信号の
SOSです。もう140光年飛んでいっています。
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宇宙の寿命ってあと1兆年もありましたっけ。。。ビッグクランチしてもビッグフリーズしても怪電波は飛ばなくなりそうですよ。
人類が消えたン億年後の地球系のネタで、考証が妙に精緻で面白かったのは「the future is wild」でした。
http://www.thefutureiswild.com/
なんでも、人類が死滅してから1億年後に起きる大量絶滅で、陸生の脊椎動物はすべて死に絶えて、地上に進出した体重8トンのイカが地球上で最高の知性に化けていくんだそうです。(笑)
よくできたSFだと思って見てみると面白いので、おすすめですよー。
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こんにちは。本当に、まだ元に戻る可能性がある、と聞かされるだけで少し明るい気持ちになります。
それにしても10万年とは。最後に太陽に飲み込まれるところもキュンとなりました。それにしてもSF作家はいつの時代も新しく、楽しいですね。「エイドリアン・ベリーのTHE NEXT 500YEARS」を思い出しました。
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『ヒューマン2.0』、遅ればせながら拝読させて頂きました。明日からのバカンスに持って行くつもりで買ったのですが、読みやすいし、内容もとても面白かったので、荷造りの手を止めて旅行前に全部読み終わってしまいました(笑)。僕も技術系でアウトドア、整理整頓が苦手なのでシリコンバレーも良いかな、なんて思いました(笑)。次回作も期待しています。
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「地球を救おう」というキャッチフレーズが如何に傲慢かを再認識させてくれる記事でした。地球さんにしてみれば、「別に積極的に救ってくれなくても、君たちさえ死に絶えてくれたら、あと50億年生きられマース」ってことですね。
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chikaです。
モールス信号で140光年ですか・・・300万光年先のM78星雲に届くのは随分先ですね。シュワッチ。
>宇宙の寿命ってあと1兆年もありましたっけ
ビッグクランチもビッグフリーズもビッグリップも、それぞれ可能性なわけで、1兆年たってもある、っていうのも一つの可能性じゃないでしょうか。小型赤色矮星の寿命は10兆年以上あるらしいし。(そういえば、あんまりフォローしてない間に、「宇宙の拡大速度は速くなってきている」というのが定説になってるようでびっくり)
>8トンのイカ
見たい!!
ちなみに、Caboあたりでは、体長2メートル超になるHumboldtイカがいます。ごくごくまれーに人間を襲う、というのがダイバーの間の都市伝説(都市ってのも変だが)。集団で協力して狩をするそうで、とあるダイバーは、このイカが周囲に柵のように並び、全員でシマシマ状に動く蛍光色をフラッシュしてきた、とか。(イカの中には、ネオンサインよろしく、ものすごい勢いで複数の蛍光色を全身から発することができるものがいる。目くらまし効果で獲物をフリーズさせるらしい。すごいですねー。)
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>宇宙の寿命
宇宙が永遠に膨張していった場合の未来をネタにした話もあります。1兆年どころか、10の100乗年を超える未来まで述べています。途中で恒星は燃え尽きるわ、陽子は崩壊するわ、ブラックホールは蒸発するわと、我々の知っている物質や天体がどんどん消えていきます。
http://www.fathom.com/course/10701055/index.html
アメリカでは「Five Ages of the Universe 」、日本では「宇宙のエンドゲーム」というタイトルで本になってます。
>「the future is wild」
確か、この本では8トンのイカと知性を持つイカは別の種になってましたね。知性を持つイカは比較的小型で、樹上生活をしていて花を愛でています。
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>地球さんにしてみれば、「別に積極的に救ってくれなくても、君たちさえ死に絶えてくれたら、あと50億年生きられマース」ってことですね。
人類が死のうが生きようが、地球は太陽に飲み込まれるまで不滅ですよ。
人類の活動は地球の表面をこすっているだけにすぎません。
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ブログエントリーをGTDしてみる
ブログの更新を怠っています。これは何か改善しなくてはいけないと思い。このブログで書き出してみたいことをGTDしてみました。消化できるまでに時間がかかりそうですが、なんか頭スッキリ、そしていざ眺めてみると一つのテーマがあったりして。やってみました。
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青銅像が一番長持ちなんですね。
高層ビルの廃墟がSFではよく出てきますけど(自由の女神と)
地下鉄とかは化石になったりしないんですかね。
タイタニックが発掘されたり。
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「地球が元に戻る」と言っても、絶滅しちゃった動物たちは戻ってこないですよね。
100年程度でこれだけ人口が増え技術が発展して地球環境を変えてしまうまでに至ったのも、石油があったからでしょうね。容易に採掘できる石油と天然ガスは底を尽きつつあり、それらに取って代わるだけのエネルギー資源はないので、今後数10年で人間の生産活動は大幅に縮小し、既存の社会システムは崩壊し、人口も激減するとどこかで読みました。そうすると都市の廃墟化などは比較的近い将来の話かな、と思います。私には子供がいるので、まず子供の未来を心配しちゃって、皆さんのように達観はできないな〜。
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僕もなんか飛ばしとくかな
自分の生きた証をどうやってこの世界に残そうか、真剣に悩んだことがあります。
On Off and Beyond: 人類滅亡後に残るもの
Scientific American誌のAn Earth Without People。
「人類が今日突然いなくな…
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人類滅亡後に残るもの
人類滅亡後に残るもの (On Off and Beyond) ↑ 非常に面白いの…
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なにもかもが自然の運命。
人間が滅亡すればそうだし、地球が飲み込まれてもそう。
そうしてまた新しい世界ができていく。思いわずらうことなんてない。それに従うことを前提として生き物は誕生した。
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