日本に来て4日になる。初日にテレビを見ていたら、「声から、話しての感情を自動分析するソフトウェア」の紹介をしていた。で、その用途の例として、「自分の話し声を分析してみる」という女の子が登場。
「自分で話してる声を入れてみて、『ちょっと元気がない』という結果になったら、昼ごはんに、お肉食べたりとかしますぅ。。。」
見ていた私は、いすの上でもだえてしまいました。「自分が元気かどうかくらい自分で判断せんかいっ!!」と・・・。
しかし、その後すぐに反省した。「あー、ワタシ、こんなだから『かわいげがない』って言われるんだよなぁ」と。
小さいころ、繰り返し繰り返し言われました。「なんてかわいげがないんだろう」と。しかし、「かわいげ」というのが何のことか、どうしたら「かわいげのある子」になれるのかわからなかったので、改善不能であった。結構悲しかった。
で、4歳くらいのころのある日、近くのお店に祖母と買い物に行った。どういう理由かは忘れたが、行きがてら、祖母はえらく立腹しており、
「ほんとにかわいげのない子だね。にこりともしないよ。」
・・・・そこでわたしは、ハタと膝を打った・・・というのは嘘だが、「そうか!カワイゲってニコニコすることだったんだ!」と、霧が晴れたような気持ちになり、そのあと、お店での買い物の間も、帰り道も、ずっと宙を見据えてニコニコしていた。すると帰り道の途中で祖母が
「なんだろうね、この子は。ニヤニヤして、気持ち悪いよ。」
えーん、おばあちゃん、わかりませーん。。。
(祖母の名誉のために言うと、今も昔も優しい人でございます。多分、よっぽどかわいげのない何かをワタシがその前にしたんだと思う。)
そしてその後もことあるごとに色々な大人に「かわいげがない」と言われた。
で、「かわいげってなんだろう」と考えたのだが、今思うにそれは
「言われたことを、そのまま額面通りありがたく受け取る能力」
ではなかろうか。
「音声感情ソフトウェアで自分が元気があるかどうかを判断して肉を食べる」、という人がいれば「へー、そうなんだ」と受け止める。それがカワイゲじゃないか、と。カワイゲがある人は「自分で判断せんかいボケ」などと突っ込んだりしないのだ。
想像するに、冒頭のインタビューの「元気診断」の女の子も、それを取材している側の人も、きっと「かわいげ」があるんだろうなぁ。女の子が軽い気持ちで言った「自分の声で自分の元気を診断したこともある」みたいな発言を受け、取材の人は「んなこと、わざわざソフトウェアがなくてもできるだろ」などとカワイゲがないことは言わず、「じゃ、それをマイクに向かって言ってください」。それを聞いた女の子も、「えー、そんなことテレビで言ったら私バカみたいじゃないですか」などと屁理屈は言わず、「はい」と。。。。そして広がるかわいげの輪・・・いや、想像ですけどね。
・・・とカワイゲのない私は思ったのでした。
最初になぜか「かけがえのない日本のワタシ」と読んでしまいまして・・・。最後まで???でして、もう一度読み直して、「あーなっとく」でした。「かわいげ」っていうのは、日本の文化?みたいなもんですかね?「かわいい」のではなくて、「かわいげ」ってやつですよね。英語のCharming とはまた違うんですよね。難しい。
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私も親や周りの大人からはかわいげないと言われ続けました。ご飯がおいしいなぁ・・とシミジミもくもくと食べていると(ニコニコせずに食べてるもんだから)
「そんな不味そうに食べるんだったら食べなくていい!」と怒られたり。
何かプレゼントもらったときも、まず仔細に柄を眺めてたりするとダメなんですよね。可愛げないといわれます。まず歓声あげたりニコニコしないと・・。
愛子さまが、にこりともしないとかいう記事を見ると
なんで知らない集団カメラにニコニコしないとダメなんだ?
とわが子供時代を思い出します。
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4歳のときの出来事のみならず、そのときの理不尽な感情を明確に覚えていることがスゴい。自分の4歳の記憶って、あまりないです。
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>「かわいげってなんだろう」と考えたのだが、今思うにそれは
>「言われたことを、そのまま額面通りありがたく受け取る能力」
いつも楽しく読ませてもらってます。
自分がかわいげがないだけだと分かり、勇気が出ました。
これからもがんばって生きていきます。
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カワイゲを発揮してもよい場では、カワイゲを発揮したほうがみな幸せになれますよね。自分の能力を発揮して期待に応えたということになりますから、本人もまわりの人も満足するわけで。
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追記: 上で言っている『満足』は、信頼して欲しい、信用して欲しい、というような精神的な欲求に関するものです。物質的な満足とかそういう価値観では測れないものを指しています。
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私は、逆に、子供時代は素直でいい子(かわいらしい子)と言われてました。幼稚園の先生とかにも、Yokoちゃんみたいな子ばかりだといいんだけど、って言われたりして。
でもだんだん大人になってくると、素直でいい子っていうのは、馬鹿にされてるみたいで、気分悪いです。
高校生くらいの頃、先生が、扱いにくい子には何も言わないのに、私には注意してきたりして、むかつきました。
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最後の2パラグラフを見て気づいた。
かわいげ=大人げ
でもありますな。
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chikaです。
Sarah-san
>「かけがえのない日本のワタシ」
なりてぇ!!と思いましたが、責任重そうだからやっぱりいいですw
Mizuho-san
>「そんな不味そうに食べるんだったら食べなくていい!」
これ!私もよく言われました!
Taro-san
私、色々覚えてますが、本当の記憶なのか、その後自分の中で捏造された記憶なのかは不明です。
毒者-san Yoko-san
「どうせかわいげないし」という諦めが人生の初めのほうにあったほうが、おいおい楽かも。
th-san
そうですねぇ。。。でも、相手の期待にこたえるって、自分にとって本当に満足なことなのでしょうか・・・
CHABO-san
がはは、カワイゲも大人げもない私はナンなんでしょうか。おばさんか?この星の人間じゃないとか~。
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知り合いの家でパーティーで、12才の日本/白人ハーフの女の子と話していたら私の靴を誉められたんですが、かわいげ+大人げを感じました。
かわいげ=相手を思いやる気持ちの表現でしょうか?
表現なので真意は別かもしれませんが・・・
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関西ならchikaさんみたいなタイプの方がウケがいいと思いますけどね。
女性でも「かわいげ」より「ボケ&突っ込み」重視ですから。
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はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいています。
わたしにとっての「かわいげ」ですが、笑顔とか声のトーンとはあまり関係ないですね。ステレオタイプと言われればそれまでですが、かわいげのない人って大抵シャープな人たちな気がします。ディスカッションでは負けないって感じの。そういう友達と話してると、他愛のないトピックにそんなに躍起にならなくても、嗚呼かわいげないな、と感じますね。勿論、自己主張は大切ですが。この場合、Chikaさんがおっしゃるように、「かわいげ」=「大人げ」なのかもしれませんね。
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そんなソフトがあるんですね。論点外してしまうかもしれませんが、その宣伝用の女の子はともかく、自分がどう感じるかと人からどう見えるかはけっこう違うことがあります。まったく元気なのに「元気ないね」と言われたり。もし営業や、人前にたつ職業の人であれば、そういうソフトを使って、時に点検してみてもいいのかも・・・。
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え~?米国のってそんなにかわいいの?
って結構興味津々に読んでたら・・
「かわいげのない日本の”ワタシ”」でした。
“タワシ”って勘違いしちゃった”ワタシ”。
単にオバカでした。
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たびたび拝見させて頂いていますが、書き込みは初めまして。
今日はムギさんのブログから来ました(ご友人だったのですね)。
私は、”かわいげがない”、と共に、”素直じゃない”を小さい頃からよく言われていました。当時は、自分の思ったままの言動なのに、どうして素直じゃないと言われるのだろう?と憤慨し、相手の言うがままに素直に頷かないことを指しているのだろう、と結論づけていたのですが、”かわいげがない”に置き換えた方が、よりしっくりくる意味合いで言われていたのですね。さらに”大人げ”に置き換えると、幼い頃はともかく、今となっては身につけておいた方が良いもののように思われます(幼い頃から持っていたらそれはそれで平和でしたが)。
いまだに(夫から)君は外で見ると、あまりにかわいげがないよね、と日々言われてしまいますが・・・
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> 取材の人は「んなこと、わざわざソフトウェアがなくてもできるだろ」などとカワイゲがないことは言わず・・・
「空気読めない」とも相通じるものがありますね。
疑問を挟まずに、ある種のワールド・ストーリーをつくりあげていくことが良しとされていて、それができない人は不利になる・・・
日本人が(確か)魏志倭人伝の頃から「集団行動が得意」と評されているのも、こういう文化的なセレクションが日常レベルに組み込まれているからなんだろうなぁと思いました
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日本では、アメリカで言う「無知」イコール「かわいい、純粋で素直」と定義されている気がしてならないのですが、(しかも会社なんかでは「無知」な人ほど好まれる気がします。これが会社の足をひっぱる理由になっている気がしてならないのですが。。。)「無知」で一見純粋そうでも実はお腹の中ではいじわるな人も結構多いんだ~と感じる昨今です。「無知」はあくまでもそれであって純粋さ素直さとはつながらないと私は思います。
そういえば、アメリカ人ってまっすぐだったよな~と、とても懐かしく思えます。
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>「そうか!カワイゲってニコニコすることだったんだ!」
小さい頃ほとんど笑わなかった私は、よく男の子と間違えられました。
昔の話ですが、弟を出産するために入院している母に会いに病院に行った父と私。でもどうせ出産するまで帰宅できないとわかった私は病院の入り口で立ち止まって
「どうせ、ママ今日帰れないんだったら、会いに行かない。ここで待ってる」と言ったそうです。三歳です。
可愛げない・・・苦笑
ニコニコよく笑う可愛げのある弟はよく女の子と間違えられたそうです。
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