いつもながらアメリカのいい加減なハナシ2

おほほ、今日はユナイテッドのマイレッジ会員予約電話システムがいい加減、というハナシ。
電話したところ、機械音声の問いかけ。
「次の4つの選択肢から、一つ選んで、その言葉を言ってください。reservation, account information, miles needed, program information (予約、アカウント情報、必要マイル数、プログラム情報)」
どれかの言葉を言うと、音声自動認識で、次の、これまた自動音声認識のステップに進むわけです。

しかし、どれも違う、、、と思った私は、しばし悩んだ末ヤケクソ気味に
「upgrade using miles(マイルでアップグレード)」
と、選択肢にない発言をしてみた。すると
「Did you say you would like to talk to an agent?(人間の担当者と話します?)」
という機械音声からの福音。「Yes」と言ったら人間の担当者が出た。

・・・・同じ番号に次に電話したときは、4つの選択肢を聞かれたところで
「Agent(担当者)」
と言ったら、
「Ok, I’ll connect you to an available agent(担当者におつなぎします。)」
という自動音声が流れて、すぐ人間につながった。

コールセンターの人間に電話を処理させるとコストが高い。だから、会社側は何とか全て機械的に処理したいと思っている。よって、「人
間のエージェントと話す」という選択肢が表に出てこないようになっているのである。しかし、時には機械処理しきれない問題が生じるわけで、そういう時だけしぶしぶ担当者を出す。そういう意味では、「いい加減」なのではなく、緻密に構築されたシステムなんですが。(IkeaのAnnaさんボットもご参照あれ。)

で、電話をかける側としては、いかに素早くこの「しぶしぶループ」に入れるかが、戦いのポイント。

以前は、どれも電話機の番号を押して選ぶ形式だった(XXXを希望する場合は「1」を押せ、みたいな)。そのころはとにかく「0」を押せば人間の担当者につながることが多かったが、最近は、選択肢に無い「0」を強引に押すと
「その選択肢はない」
と機械音声に諭されることが増えた(TT)。。なので、今回、選択肢にない「Agent」が認識されたのには実は驚きました。はぁ。

アメリカは国土が広いので、「窓口に行って処理する」ということが日本に比べ極端に少ない。何でも電話。最近では、コスト削減のため、全て機械処理、というのが増えてきており、なかなか人間と話せない。(顧客からの電話を一回処理するコストは、人間を出すと数十ドル、音声認識だったら数十セント、くらいの差があるらしい)

この「人間につながらない」というのがものすごいフラストレーションなんです。テレビの宣伝でも
「うちの会社のカスタマーサポートに電話すると、すぐ人間が出ます」
と偉そうに言っている会社もあるが、テレビCMのネタになるほどの大きなセールスポイントということ。

CapitalOneというクレジットカード会社は、非常に緻密な顧客プロファイリングで知られている。顧客からの電話が掛かってきた瞬間に、発信番号を照合して顧客を割り出し、会社から見た顧客の重要度を判断、さらに通話内容も予測(こういうタイプの顧客は、こういう内容の電話をかけてくる可能性が高い、とか)、最初から最適な部門にいきなりつなげる、という処理をしているらしい。(つまり呼び鈴が鳴ってる間にここまでの作業が終わる。)で、大事な顧客と判断されると人間が出て、懇切丁寧な対応。クレジットスコアが低い「重要じゃない顧客」は、安上がりの自動音声システムにしかつながらない。(「クレジットスコア」は借金履歴に基づく「借金返済能力点数」。アメリカで生きていくために必要な基礎の基礎。クレジット返済怖い参照)

アメリカに来たばかりでクレジットスコアが地を這っていたころ、CapitalOneに電話して、カードの解約をしたことがあった。自動音声が快く解約を承ってくれた。しかし、アメリカで長いことクレジットスコアを築き上げているダンナが、同じころCapitalOneに電話して同じくカードを解約しようとしたら、人間の担当者に誠心誠意止められていた。さびしー。

そういえば、大学生のころ、就職活動で某電通に連絡したことがある。大学の公衆電話からまずクラスメート(♂)が電話。
「東大のXYと申しますが、資料請求をしたいのですが。」
すぐさま面接の時間が設定され会社に呼ばれた。同じ公衆電話から、間髪をおかず私が電話
「東大の渡辺と申しますが、資料請求をしたいのですが。」
「まだ資料はできておりません。1ヵ月後くらいに再度お電話してみてください。」

ほほほほ。

ちなみに、私が就職した当時、大手商社のうち三井物産だけは女子の総合職採用をしていなかった。他の商社に総合職で入社した女子連中で話しても、誰一人物産の面接に呼ばれた人はいなかった。しかし、一人だけ、
「あ、わたし、行きましたよ、物産の面接」
という人がいた。みんな驚いて
「えー、どうやって?」
と聞くと、
「いや、電話して『一橋大学のTですが』と言ったら、『では、この日に来てください』と言われて、その日に出向いたんですけど」
そこでハタと気づいたのだが、彼女は「男声」なのだった。女子を面接しない、と公言するのは違法なので、会社側は「声」で相手の性別を判断してたのだ。(当たり前か)

どうしても強引に採用面接に行きたかったら、友達の男に代わりに電話してもらえばよかったんだ。。。ま、別にいまさらどうでもよいことであるが、もしかしたら、この「性別謀り」、将来何か役に立つことがあるかもしれない。裏技として心にしまって置きたいと思います。

いつもながらアメリカのいい加減なハナシ2」への13件のフィードバック

  1. chikaさんでも認識間違いされるんですか。ほっ。
    わたしの場合、ペイパルで「どこから電話してる?」と聞かれ、「ジャパン」というと「グッバイ」と間違えられ、電話を切られます。
    AgentとかHelpが使えました。いい加減うんざりしたのでしばらく使う気ありません<ペイパル。

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  2. 日本のサポセン電話はまだ比較的簡単に人間に繋げられるように思いますねえ。少なくとも選択肢の自動音声認識タイプはまだ経験したことがありません。
    とはいえ、日本でもサポセンの中国移行は進んでいます。ただ人員の日本語力がやや不十分なせいか、定型的な対応しかできていない感が強い。たとえばこの前、ADSLの障害でプロバイダのサポセンに電話したときのこと。
    「PCの○○の設定を確認してくださいです」(やや怪しい日本語)「問題ないです。でも、明らかにPCとモデムじゃなくて回線の問題だと思うのですが……」→5分くらい待つ→(さっきと違う人がまた怪しい日本語で)「モデムの○○の設定を確認してくださいですます」「問題ないです。でも、回線の問題だと思うのですが……」→5分くらい待つ→(さらに違う人)「モデムをリセットしてください」……の繰り返しを5回くらい続けて、ようやく日本人の技術スタッフが回線の問題を解決してくれたとさ。てな具合に顧客満足度を下げる一方。
    こんな対応をするくらいなら、機械で上手く処理できる部分は機械に移行した方がいいわけで、日本のシステム屋さんにとって美味しい商売ネタがこの辺にまだまだありそうです。
    ところで、サラ金の無人契約機の仕組みってのはどんなものなのでしょうか。さすがに最近はATMの裏側じゃなくて、ネットワーク経由で人員が監視しているのだと思いますが。

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  3. 消費者金融の無人契約機はテレビ電話とFAX機を組み合わせたものと聞いたことがあります。
    センター側にオペレーターや審査担当がちゃんといて、単に彼らの存在感を消そうとして画面とコンソールでやり取りしているだけだそうです。
    ロボットの着ぐるみみたいなもんで、中に人が入っているのとそんなに変わりませんね。

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  4. 以前、「人間につながるまでの時間と手順が長すぎる」ことにフラストレートしたアメリカ人が、主要な会社のToll-freeで、最短で人間につながるShort-cut集っていうのを作ったというニュースをみました。
    その情報を集めるのは手間がかかると思うのですが、それが公表されてからしばらくして、各社、機械のメッセージと手続きを変更して、そのShort-cutが使えなくなっていたのには、笑ってしまいました。。

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  5. こんにちは。名無しin vancouver です。上記のサイトはwww.gethuman.com ですね。ボランティアによって運営されているとか聞きましたが。

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  6. chikaです。。。
    >chikaさんでも認識間違いされる
    エー、、、一応私のメイヨのために弁解しますと、認識間違いじゃなくって、「選択肢以外のことを言ったのでAgentにまわすべし」と正しく認識されたんじゃないかと思いますです。どうでしょか。うーむ・・・・ジャパンは、「じゃぺあん」と言ってみたら通じるかも。
    >消費者金融の無人契約機
    実はワタクシ、トライしたことがあります!!三菱商事を辞めるとき、会社が保証人だった住宅ローンを全額返済しないとならず、しかも、借り替え先のローンは、それまでの住宅ローン残額より2千万円近く低かったので。途中で遠隔地にいる担当のオネーサンと、機械のスピーカー経由で語り合う、という単なる窓口業務に切り替わりました。結局断られました、借金。はははは・・・(乾いた笑い。)
    >www.gethuman.com
    うぉーーーこれは、ものすごい便利だ!スバラシいです。Unitedの”Agent”も書いてある!

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  7. あ、読み違いすみませんでした。うっかり「同志が!」とぬか喜びをしてしまい、失礼いたしました。

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  8. 私は、アメリカの音声認識はしょっちゅう間違えられるし、日本の音声認識もダメなんです。レンタカーのカーナビとか、大抵行きたい場所へは連れてってもらえなくて、東京から静岡へ道案内されたりするんですよねえ。。。
    人間につながっても相手がすごい訛りだったりすることも多いので、私は人間相手のテキスト・チャット方式が一番すきです。

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  9. —女子を面接しない、と公言するのは違法なので、会社側は「声」で相手の性別を判断してたのだ。
    日本の大企業もいくらなんでも今でもこんな露骨な差別を(半ば)公然と続けているようなことは無いのでは。Chikaさん達のような頭の良い人を採ろうというのですし、しっかりばれているではないですか。
    それに今だったら証拠のテープを録っておいてブログで公開する人がすぐに出ると思います。有名な企業だったらあっという間にテレビや新聞で取り上げられるでしょうし。。。と信じたいです。

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  10. chikaです。
    ヨシダ-san
    以前、風がびゅーびゅーと吹く戸外で飛行機の予約を変更しようとしたときは、誤解されっぱなしでへこみました。oneっていってるのに、「Did you say seven?」みたいな。。。。
    えり-san
    人間相手のテキストチャット、なんかこう電話より親近感が湧きません?そもそもチャットがプライベートで友達とするものだからか??
    Yuki-san,
    イヤー私の就職したのはもう20年近く前なんで、当時の話です。今はもっとよくなってると思いますよ!(悪くなってたりして;-) )

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  11. マイルの貯め方

    【警告】突然ですが、年間120,000マイルを貯める方法があるって言ったらどうしますか?この裏技を知ってしまうと、海外旅行に毎年、無料で何度も行けてしまいます!

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  12. 日本の場合は,0120-114466に電話をかけて,「オペレーター」と言えば,オペレーターさんが出てくれます。

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