アメリカにフリーランスが多い理由

昨日書いたとおり、シリコンバレーにはフリーランスの人がたくさんいる。アメリカ全体ではさすがにシリコンバレーほど多くはないが、でもやっぱりいる。

なんでフリーの人が多いのか、、、というのにはいろいろ理由があるが、そのうちの一つが「能力の個人差が大きい」ということ。会社に頼んでも、来る担当者によってデキが全く違うことが多い。それくらいだったら、最初から頼りになる個人に頼んだ方がよいである、ということがある。

どれくらい個人差があるかのよい例が、今朝のSan Jose MercuryのActionLineコラムに載っていた。このコラムは、Dennisというおじさん記者が、読者の困った事態を解決してくれる、というありがたいもの。シリコンバレー在住の人は知っておくと役に立つかも。様々な故障やサービス不備についてのトラブルを actionline@mercurynews.comにメールすると、読者に代わって企業や役所にかけあってくれるというスバラシイもの。

今日の読者からのレターは、苦情というより他の人たちへの注意事項。いわく、

1)DirecTVがアップグレードしろ、と言ってくるが、うかつにアップグレードすると、設置にやってくる担当者のレベルが低くてトラブルは必死(→必至;-p)なので気をつけよう。↓

The subcontractor’s technicians are trained to install only a simple
upgrade, and haven’t a clue how to upgrade any kind of customized
system, resulting in at least three hours of utter frustration while
the technician tried to figure out how to even get sound to our TV, let
alone how to change channels.

Incidentally, our original installers told us they receive at least one call a day with the same complaint.

2)同じく衛星放送のDish Networkを取り付けたが、何度工事の人がきても、そのときは一旦映るがすぐにダメになってしまう。4ヶ月の間に6人がやってきて、あれこれ直していったがダメ。最後に「これでダメだったらサービスキャンセルするぞ」と言ったら、Johnという人がやってきて「トラブルは家の中のケーブルが劣化してるせい。ケーブルを全部交換すれば直る」ということで、ケーブルを全交換。それでぴたりとトラブルは収まった。ありがとうJohn。↓

That is when they sent a wonderful technician, John, on the hottest Sunday this summer.

John reiterated what the other technicians had told me: that my
14-year-old house had “old cabling” that was not compatible with
their dish. He asked if I’d let him run new cables.

Since I was desperate, I let him do it, albeit with little hope.

But lo and behold, I haven’t had any problem for more than a month!

I want to thank Dish Network for taking care of my problem and John in particular for doing the hard work on a hot day.

私だったら、「はじめからJohnをよこせ」と怒りを感じるところであるが、「Dish Networkありがとう」とは良い人であるなぁ。

というわけで、どっかの電気会社に頼むより、Johnさん個人にお願いしたい、と思うのも道理。。。なのでした。

アメリカにフリーランスが多い理由」への6件のフィードバック

  1. Chika-san,
    いつも楽しく読ませていただいております。
    この「能力の個人差が大きい」が大きいと言うのは、アメリカ社会の一つの際立った特徴だと思います。おっしゃる様に、同じ仕事内容(同じ会社)にもかかわらず、担当者(のレベル)によって対応に大きな差があるケースに出くわすことは、アメリカで生活していてよくあることだと思います。実際、銀行、スーパー、オンラインのカスタマーサービス等との会話の中でも、この様なことを思うことがけっこうありますよね。
    確かに職種・業務内容によっては、能力に差があっても、待遇に大きな差が無いような場合もあると思うので、フリーランスが多くなる理由なのかと思います。
    ところで、細かいことなのですが、今回のSan Jose Mercuryの記事の中で、
    John reiterated what the other technicians had told me...
    と言っているので、Johnの前のtechniciansも家のケーブルに問題があることを指摘していたようです。
    さらに細かいことを言うと、今回の問題は「ケーブルの劣化」ではなくケーブルの種類の問題の可能性もあります。
    通常、テレビ向けの家の中の配線には同軸ケーブル同軸ケーブルを使用します。ただ、同軸ケーブルでもいくつか種類があります。最近の衛星・ケーブルテレビのセットトップボックスの接続はRG-6を使用することを指定しています。(例:http://www.dishnetwork.com/downloads/pdf/technology/111/Appendix_a.pdf)
    古い家の場合、テレビ用の家の配線が古いタイプのケーブルを使用しているケースがあります。
    The standard used today for home automation and future CATV/Video needs is “Quad-Shielded RG6”. This type of Coax cable is superior to the older RG58 and RG59 Coax cable standards used years ago. (http://www.hometoys.com/htinews/dec96/articles/moses/catv.htm)
    引用の会話の中で「old cabling” that was not compatible with their dish」と言うくだりがありますので恐らくケーブルが古いタイプのものを使用していたのではと思います。
    確かに問題があったtechniciansもいたのでしょうが、この読者にも直すのが長引いた原因があった様な気がします。他のtechnician達がJohnの様に新しいケーブルに引き直すことを提案したかどうかは不明ですが。。。
    私は以前Sunnyvaleに住んでいたことがあります。San Jose Mercuryは大好きでした。

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  2. chikaです
    yuki-san,
    「大学入学時に、高校までの勉強の補習が必要」という生徒は、日本でも増えていると聞きます。日本もアメリカ並みにできの悪い社会人が増えるんでしょうか。とほほほ。
    Alpha-san
    どもです。
    お手紙は、引用した後の部分がまだあって、いわく
    More important, I want your readers to know that RG-59 cable is bad news. If you have it, I’d urge you to insist new cables be installed.
    If the technician assures you he can “patch up” the old cable, do not buy it.
    ということで、それまでに来た人は「ツギをあてとくからOK」みたいないい加減なことを言ってたみたい。。。
    ただ、ActionLineに手紙を書いてくる人には「悪いのは、君ではないのか?」という人も結構多いです。DellのPCが壊れたから取り替えようと送り返したらダメだといわれた、という苦情では、なーんと本人がシリアルポートに電源ケーブルを強引に押し込んだのが故障の原因だった、とか。「車のローンの支払いが、ホンの数日遅れただけで一日何度も催促の電話をされる。なんとかして。」という人は、さすがに「期日までに支払いしなさい」とサとされてましたが。会社側も、こういうトンでもない消費者に対応するんですから、大変ですよネェ・・・・という気もしますが、ま、アメリカの日常はバトルなんですね。会社側も消費者側も・・・

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  3. Chika-san,
    ご返答と追加のコメントありがとうございます。実はコメントを書いたものの、Chika-sanが引用されている部分だけで推測するのはちょっとどうかと自分でも思っていたので。。。補足説明ありがとうございました。しかし、この件ずいぶん詳しいところまで書いてあったのですね。追加の引用部分を読むと確かにその前のTechnician達はいい加減な人たちだったようですね。最新のセットトップ・ボックスはRG-6指定と言うのが多くなってきているので、今回の人は読者にためになる情報を提供している良識のある人の様ですね。
    本件のメインのポイントは「フリーランスが多い理由」と「個人の能力差」の相関関係だったので本論からはずれ、重箱の隅をつつくようなことを言いまして失礼しました。

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  4. いやー、いいんですよー。っていうか、一人の方が「あれ?」と思うことって、他の方も変だと思っているということ。聞いていただけると、補完説明が出来るので助かります。
    それに、その日の思いつきで書いているエントリーが多いので、間違いや独りよがりの書き方もたくさんあると思います。また、一応「コメントも役に立つブログ」を目指してますので、今後とも気が付いたらすぐ指摘、でよろしくです。

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  5. 日本もアメリカのあとを追いかけてできるできないの差が激しくなっていきそうです。。。さっきまでNYにいましたが、(夏休みデース)半年前とちょっと雰囲気が変わった気が。。。印象的だったのは半年前にはあまりいなかった、「チェンジ・プリーズ」が地下鉄にまた増えたこと、白人の金髪のお姉さんがヨロヨロと、小銭をくださいというとなりで、ヒスパニックのおばさんが口をきっと閉じて、果物を売っていたシーンでした。

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