昨日に続いて、日米文化論でございます。
最近、中村うさぎさんという作家の方が週刊文春に連載している「ショッピングの女王」、転じて「さすらいの女王」というエッセイをまとめた文庫本を4冊まとめ読みした。
なぜかというと、気圧が低下するせいか、飛行機の中でつらく悲しいものを読むと、ひじょーにつらく悲しくなるので、その対策として「笑うのをこらえるのが大変なくらい楽しいものを」と、日本からアメリカに帰ってくる直前に買ったもの。結果として、大いに笑ったんだけど、その実、エッセーの中身は、うさぎさんの人生におけるかなりつらく厳しく痛い話の連続。面白おかしく書かれてはいるんだけど。
というのも、この方、買い物依存症なんですね。私が買った4冊は、1998年から2002年の期間に書かれたエッセーをまとめたものなのだが、その間に、うさぎさんの興味はブランド品からホストクラブへ、さらに美容整形へと移っていく。が、買う対象がモノからサービスに移っただけで、依存体質に変わりはない。一日で200万円以上のブランド品を買い込んだり(シャネルのスーツにエルメスのバッグに・・・みたいな)、ホストクラブで一晩に110万円使ったり。港区の住民税滞納整理マンに追われ、借りてるマンションの敷金、電話、銀行口座等が差し押さえになる。ガスまで止まり、夜中に電気のホットプレートで焼肉を作って食べたりとか。その一方で、腎臓が300万円で売れると聞き、
「300万円あったらオーストリッチのバーキンがふたつ買えるよ」
なんて思ったりしてるご様子。
これぞ、ビョーキ文学。
明らかにビョーキであることはご本人も承知で、なんども「買い物依存症」という言葉が出てくる。なんと「買い物依存症女」としてテレビ番組にまで出演なさっている。
そして、そのビョーキに関して、いろんな人に説教される話が出てくる。
一般読者からは
「贅沢しまくってんじゃないのよ!不愉快だわっ!」
とか
「とうとうのっぴきならないところまできてしまったのですね。可哀想に・・・というのは冗談で、実はちょっとスッとしてます。だって、こっちはまじめに税金払って暮らしているのですから」
とか投書が来る。
さらにとある読者から「相談に乗ろう」という持ちかけがあって、会ってみたらヤクザで、ところがそのヤクザさんからまで
「買い物は税金払ってからにしろ」
と説教される。
お金の神様、邱永漢と対談すれば
「お金を大事にしない人のところからは、お金はすぐ逃げ出すんです」
と、これまた説教される。
うーん、みな血も涙もないのぉ。そういう問題じゃないだろう。本人に「無駄な買い物をしている、このままではヤバイ」という自覚が激しくあるわけで、要はアルコール依存症と同じく本物の病気です。このエッセーを読んで、それでも尚説教してくる人々、借金を申し込んでくる友達(うさぎさんは借金を断れない)、みな病人に鞭打つ鬼のようじゃ。
病気なんだから、絶対効くとは言わないまでも治療方法がある。だから、まずは精神科へ~というのが王道だが(女王道?)きれいさっぱりそういう話は出てこない。どうして、誰も勧めてあげないの?それとも日本では治療できないの?もしかして行ったけど書いてないだけ?それとも、2002年以降にいっていらっしゃるのかしらん?と、勝手にハラハラ。
ちなみにアメリカでは、全人口の2-8%が買い物依存症とのこと。グループセラピーや抗鬱剤による治療がなされるようです。
まぁ、このなんでも「病気」として治療の対象にするアメリカのやり方は、それはそれで行き過ぎが問題になってはいる。
例えば注意欠陥・多動性障害(ADHD)にはRitalin、またはそれに類する薬が処方される。そして、この薬を飲むと集中力が上がって勉強の効率があがる。この薬、覚せい剤をおとなしくしたようなものなので、当然の成果である。「シャブを打って48時間運転し続けるトラック野郎」よろしく、ガリガリ勉強するのだな。ということで、「高校生・大学生の3割がADHDの薬を飲んでる」、なんていうまことしやかな噂が流れたりする。
(最近のちゃんとした調査では、「18歳以下の子供のたった2.9%、中でも多いクラスターであるところの6-12歳の子供でも4.8%しかADHDの薬を飲んでいない」とのこと。4.8%ってことは、20人に1人。それってかなり多い気がするんだが、アメリカ的には、「ふー、たったこれだけだった、よかったよ」という状態のようだ。)
ちなみに、私も脳内物質をいじる薬としては睡眠薬愛用してます。時差ボケのときとか本当に素晴らしい効き。昔と違って、飲んですぐ効いて、一定時間後すっきり効果が消えて爽快に目が覚め、しかも常習性が殆どないという、世にも不思議な睡眠薬があれこれある。AmbienとかLunestaとか。慣れれば「2時間だけ寝る」なんていうワザも可能。いやー、技術の進歩だ!文明だ!アメリカでお医者さんに
「海外旅行するからAmbien(またはLunesta)くれ」
と指定すれば、簡単に処方してくれます。
というわけで、もし、うさぎさんのエッセーがアメリカで連載されていたら、いろんな読者から
「この薬が効く」
「このセラピーを試してみて」
みたいなお手紙がくるんだろうなぁ、と想像する。
とはいうものの、うさぎさん的には、
「うるせー。治していらん。私の病気は私そのもの、私の想像力の源泉じゃ。民草よ、勝手に破壊しないでくれたまえ」
ということになるようにも思うな。余計なお世話か。日本的にビョーキをそのまま抱えていくことで、そこから突出した芸術が誕生するということもあるし。ただ、「いい気味」みたいな投書はひどいと思うんだけどなぁ・・・・。
***
ちなみに、私もオリジナルの路線はうさぎさんに近いです。脳内体質的に近い。(多分)。例えば、うさぎさんのエッセーにドラクエ的ゲームをやりだすと止まらなくなる話がある。いわく
努力すれば誰でも必ず達成できるわかりやすい目標(勇者になって魔王を倒すとか)と、戦えば戦うほど経験値が入る単純なリワード
(報酬)システム。このふたつのポイントが与えてくれる強烈な達成感は、現実の人生で女王様が求めながらも味わえないでいる究極の歓びであり、ゆえに、私
のような人生欲求不満女は時間を忘れてその快感に溺れてしまうワケである。
「わかりやすい目標と単純なリワード」・・・すんごいよくわかります。私もこの手のものにハマりがち。RPGより、もっと短時間で結果が出るもの(つまりよ
り単純なもの)の方が好きですが。そのハマり方ときたら、(ちょっと古い話だが)対戦ゲームの鉄拳タッグや、単純なパズルであるサイのゲームソフトを、ゲーム機から遠く離れた倉庫にワザワザし
まった位である。イライラしてる時に慣れ親しんだゲームをすると、明らかにドバッと快感を導く脳内物質が放出される感じがして、
「こういう脳内構造が『依存体質』『強迫神経症体質』なんだろうな」
とよく思う。
加えて、うさぎさんの、2000年ごろのエッセーに
「出版社への前借、サラ金と質屋の借金があわせて1196万円、これに加えて住民税の未払いが850万円」
という記述が出てくるのだが、へへーん、その頃の私はもっと借金があったぜ、自慢じゃないけどな。(と、うさぎさんの文体をまねてみる)。というのも、買ったマンションの価値が半額に下落したところで、住宅ローンを借り替えなければならず、やむなく数千万円分損切り、プラス会社を辞めたんで社費派遣で行ったビジネススクールの学費を返済することになったからである。その後全部返したけど。
(参考:Bay Areaの住宅相場・金利・日本の経済)
当時思ったことは、
「私はリスクテーカー。サラリーマンという仕事はリスクが低すぎてリスク欠乏症となり、ついつい取らんでも良いリスクを私生活で取ってしまう。この先、同じ失敗を繰り返さないためには、もっとリスクを取る仕事に移らなければならない」
ということ。その後、それなりにリスクある自営業となり、さらに緑溢れるシリコンバレーでロハスな暮らしに突入、今では割とバランスある人生を送るまでに社会復帰したが、あのままサラリーマンを続けていたら今頃破滅してたかも。
うさぎさんはいまだに文春にエッセーを続けているので、まだ破滅してないようですが、私が読んだ分の2002年より後はどのような生活になっていらっしゃるのでしょうか。続きの本も、近いうちに入手して読ませていただきます。
ということで、皆さんもよかったら本を買っていただけると、うさぎさんの家計に貢献する、、と思います。もう、とっくに立ち直ってて、余計なお世話かもしれませんが、一番新しい週刊文春によれば、整形手術に凝ってるようなので、その費用の足しにはなるかな、と。
こんにちは、渡辺さん。本題とはそれますが、「時差ボケには睡眠薬」に驚きました。私は何事も気合でというベタな日本人なのですが、今日も14時起床でワールドカップ&ロンドンの時差ボケが取れないので、早速試してみます。
買い物依存症にリスクテーカー。私のエネルギーの矛先は、反抗心・・・でしょうか。なにか反抗していないとだめなんですよね。
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うさぎさん、確か去年風俗嬢にチャレンジしたとかで
話題をさらってましたな・・・
こわいです
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Sato-san,
睡眠薬ですが、Ambienは短時間寝るのによく、Lunestaは長時間ゆっくり寝るのに良いとのことです。お試しあれ~
DrGIANNI-san,
うーん、あの話は本当だったんですね・・・・。なんか、そういう見出しを目にしたことがあった気がしたけど、
「きっと、『ソープに客として行ってみました』っていうのを見間違えたに違いない」
と勝手に思ってたんですよね。だって、「ホストクラブでビキニダンサーに目の前で踊られて気持ち悪くてまいった」なんて書いてたのに・・・やっぱり破滅への道をまっしぐらなのかしらん?壮絶だなぁ・・・・。救いはないの?
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彼女ってバブル経済を考える上では面白い存在といえるけど、彼女の本を買う気にはとてもならない。なんていうか、いまは借金とか離婚とかホスト通いっていう分かりやすい破滅体験だけで無頼派を気取れる時代じゃないと思う。一般人も十分に破滅してるから。だから西原理恵子のような真性アーティストじゃない限り、あの路線だと作品のネタのために積極的に破滅を欲しがる柳美里のようなマッチポンプ作家になるしかないのでは。
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大学の時の一般教養の先生(たしか有名な心理学者かなにか)が、「うつは心が風邪をひいたようなもの。しかし周囲の人は、体が風邪をひいた時は栄養をとって休めというのに、心の風邪には外に出て寒風摩擦をしてこい的な対応をすることが多い。」と言っていたのを思い出しました。
たしかに、日本社会ってこういう面ではキビシーですよね。仕事で過労死・自殺をさせてしまうような精神土壌とつながっているような気がします。って、なんだかロジックがとんでますが。
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中村さんのエッセイは週刊誌とかでしか読んだことがないのですが、どちらかというと依存症なんて「自分には全然関係ない」と考えていて、興味本位で面白がって読むような読者を対象にしているような気がします。アメリカでは依存症(ドラッグ、アルコール、タバコ、過食、仕事、賭博)はもっと庶民にも身近な事のように扱われるし、新聞やテレビでもほとんど毎日取り上げられます。
一昔前のアメリカにも中村さんのような破滅型のキャラクターが映画や本に出てきました。でも今では依存症はきちんと治療を受ければ治る可能性のある病気というのが一般的な認識ですし、その治療法もいろいろとあります。だから依存症がテーマになる場合は必ずRecoveryに焦点を当てたドラマになります。
そういう今のアメリカの考え方に慣らされてしまうと、中村さんのようなストーリーはすごく古めかしく感じられてしまいます。ちゃんと治療を受ければもっと良い人生を送ることが出来るかもしれないのに、病気を放置したままにしておくというのは野蛮な感じがします。
テレビ(Dr. Philとオプラ)から得た私のつたない知識によれば、中村さんは自分の症状を自覚はしているけれども依存症のHarmful BehaviorによるPayoff(執筆稼業のネタ)があまりにも大きいため真剣に止めたいとは思っていないものと考えられます。
さて渡辺さんのゲームプレーと中村さんの買い物の違いは、そういう行為を現実逃避の手段として利用しているかどうかだと思われます。依存症ってつらい現実から逃れるためにはまっていってしまう場合が多いそうですし、本当に依存症になると脳の構造まで変わってしまうそうです。
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こんばんは。
リスク欠乏症って、すごいですねえ。尊敬してしまいます。chikaさんは、生まれながらのリスクテイカーなのでしょうか?それとも、何か人生の転機でもあったのでしょうか。
ところで、下のようなページがございます。お時間のあるときにでも、ご覧になってくださいませ。もしご存知でいたら、すいません。
中村うさぎの動画人生相談室 – 無料動画を配信中 – BIGLOBEストリーム
メールで寄せられた「オンナの悩み」に時に厳しく、時にやさしくアドバイス!
豊富な人生経験を持ち女性から絶大な支持を得ている中村うさぎ。そんな彼女がメールで寄せられた「オンナの悩み」に時には怒り、時には優しく語りかけながらズバリ回答してくれる。職場での悩みや恋愛相談はもちろん、整形の是非など、女性ならではの深刻な問題にも親身になって答えてくれる。独特の歯に衣着せぬ語り口と自らの体験談がアナタの心に響くはず!
http://broadband.biglobe.ne.jp/program/index_usagi.html
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こんにちは。
うさぎさんの「女という病」に風俗で働いた詳細が書いてありました。
整形→風俗にいたるきっかけが、
ホストとの一夜の経験なんですが、そこで女としての価値が落ちたことを痛感した、と。この場面はとても胸に詰まりました。
それで理想の顔を手に入れ、次には自分の女としての価値を金銭で確かめたかったとのことです。
つきつめると、そうであるし、そうせざるをえなかったのかな、とも思います。
東電OL事件(・・嫌な呼び方だが)の追い詰められ方に、合い通じると思いました。日本独自なんでしょうか?
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chikaです
insighter-san, mizuho-sanのコメントは、「中村うさぎさんの状態は、病気ではない」という前提でのものではないか、という気がするのですがどうでしょう。東電OL事件も、「病気」としてきちんと治療してればああはならなかったんじゃないかなぁ、と思います。
メンタルな病気を「気合で治せ」というのは、日本以外の国でもあるかもしれないので、必ずしも「日本独特」ではないと思います。ただ、それに加えて、性におおらか、男尊女卑、発展途上国から先進国への過渡期、といういくつかの条件が重なったところに誕生したのが東電OLであり、中村うさぎさんである、という意味では、日本独特かも。
「メンタルな病気を病気を認めない」ということに関しては、たとえば熱が40度以上ある人に、
「人間、生きていれば熱はあるもんだ。文句を言うな」
という人はいませんよね。
なのに、それがメンタルなこととなるといきなり
「人間、誰でも落ち込んだり、何かに依存したりするもんだ。それで挫折するのは本人の責任」
となっちゃうのかな、と。
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Chikaさんのコメントで”発展途上国から先進国への過渡期”というところにひっかかりを感じました。東電OLも中村うさぎ現象もこの10年以内のことだと思うのですが、まだこの国はポスト発展途上国なのですね。とすると、何をもって先進国になれたといえるのでしょうか?(話題からそれてしまってスイマセン)
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いえ、「発展途上国から先進国へ」は70-80年代前半のことです。うさぎさん、東電OLは、この時代に20歳前後という多感な時代をすごされた、という意味でした・・・。
80年代半ばまでが過渡期だった、という話は
http://www.chikawatanabe.com/blog/2003/11/post.html
にもちらりと書いたのでご参考まで。
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こんにちは。
本題とはそれますが、冒頭のsatoさん同様、脳内物質をいじる薬に反応してしまいました。
比較的頻繁に渡米するので、melatoninをつかっているのですが、ご紹介のお薬がよさそうだったので少し調べてみたところ、このような記事がありました。
Ambien Linked to Sleepwalking
http://www.healthday.com/view.cfm?id=531551
稀なケースということですし、既に認識済みとは思いましたが、ご参考までコメント致しました。
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お久しぶりです。
今月号の「日本版月刊プレイボーイ」に中村うさぎさんがロングインタビューで出ていて、かなり詳細に自己分析語りをしてらっしゃいました。
http://m-playboy.shueisha.co.jp/playboy_interview/index.html
デリヘルをやることで、いかに自分が「偏見がない」ふりをしているにも関わらず実は「もの凄く彼女たちを見下すことによって自尊心を安定させていたことに気づいた」とか言っててですね。
で、そういう「欺瞞」が許せないのは、なんか、「クリスチャンの父と純日本的な母に育てられて、”神を向いた絶対的な価値”と”世間様だけ見てる相対的な価値”のギャップに悩み続けた結果が自分の人生に出てるんだと思う・・・とかおっしゃってますね。
つまりは「知vs情」の「ザ・夏目漱石の苦悩」ってやつでしょうか。
プラス「関西人体験」ゆえに、「マトモな道とオモシロイ道があったら、オモシロイ道を選ばずにはいられない性質」になったんだとも。
・
マッキンゼーに入ったかと思えばやめてホストや訪問販売をしたあげく、現在筆一本でインディに生きている僕としては、チカさんと同じく中村さんにはもの凄くシンパシーがあります。
「そんな全然得にならない人生送らなくても・・・」って言われても、クスリでケミカルに簡単に治せちゃうのよ?って言われても、野蛮だと言われても(笑)・・・「だってそっちのほうがオモシロイじゃん!!」ってな誘惑には勝てないんですよねえ。
もしクスリでマットウな人間になって、普通にマットウな仕事をマットウにできる人になったとしても、「オモシロクナイ」からダメなんだと。
なんか、むしろ他人から「なんでそんなアホなことしてるんですか」って言われるのが快感・・・・みたいなところがあるっていうか。
それを画一的に「病」とか言われると、うーんって思うというか、むしろ太宰治の「人間失格」やサリンジャーの「ライ麦畑に捕まえて」とかニルヴァーナの「スメルライクティーンスピリット」に「くうううう!わかるっ!」ってなれないような人生ならそんなものはゴミ箱に捨てちゃうんだっていうか。
かといって自殺とか隠遁生活はしたくない、そのギリギリのところでやっていきたいわけですけど。
ただ僕が思うのは、チカさんにしろ中村さんにしろ、そうやって生まれついてしまったんならどこまでもそれで行くしかないっていうか、「脳内快楽物質」のために身を持ち崩したとしてもそれはそれで本望なんじゃないの的な感じが、僕はします。
もちろん、納得できるQOLの確保は睨みながらってことですし、むしろ大逆転的に富を得ることは確信犯的に狙ってるんですけどね。
どこまでも行きましょう。ってか行きます(笑)
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追伸というか言い訳というかなんですが、上記のコメントは
「僕はそう生きるし、そう生きたい人ってのもいるんだから、病だとか言ったらその人自身が”うるさいなー”って思うんじゃないかなー」っていうことが言いたかったので、「そう生きる人が正しい生き方だ」「そうじゃないヤツはダメだ」とか言いたいわけじゃないです、すいません。人それぞれ自分が満足できる生き方しなきゃですね。
どうもアメリカンにフェアな発言のマナーがなってないなあと最近反省してますけれども。恨みがましくなっちゃうのは良くないですね。
ただ、うまく言えないんだけど、「治る」「治らない」とか言う言い方をされるとムッとしてしまう心理・・・みたいなのが、「今の社会で認められている生き方のパターン」に違和感のある人間のココロからするとあるんだけど、アメリカ的に「知的なコンセンサス(っていうか議論の枠組みっていうか)」がしっかりしてると、日本のように「無気力に引きこもる」ことができずに何らか「極端にポジション取らなきゃいけない」ようになっちゃって、息苦しいんじゃないかなーとか、情緒的な感想を持ちました。
日本の「情けなーい感じのオタク」になってれば無害なところ、ドラッグやもの凄く破滅的な生き方やなんやら「ポジション取ってスピークアウト」しなきゃなんないという(笑)
男はもうちょっと「情けなーい感じ」になるのを許容してもらえるとラクだしそのうち「覚悟」を決める時期までモラトリアムを延長できたりするわけですし。
また、そういう「情けないオタク消費者のキビシイ選別システム」が確固としてあるからこそ世界に冠たる「萌え文化」もあるんだと思うんで。
日本の、「ニートで将来展望まるでないんだけど、別に反社会的になるでもなくそれほど卑屈になるでもなく2次元の世界の女の子だけをお友達に生きている」みたいな層って、アメリカではいずらそうじゃないですか?
なんかチカさんのブログで「アメリカ人のオタクは堂々としている」的な話を拝見した覚えがあるのですが、そういうのはアメリカ社会の良さである反面、逆に「生きにくさ」もあるんじゃないかなーと想像したりします。
「イエスノーどちらでもないこともあるでしょ」みたいな時にもなんか言わなきゃなんないみたいな。
「萌え」が世界的に売れつつあるのは、「人それぞれで生きられるような環境にするべきではあるけど、でもある程度”見かけ上”男尊女卑的なキャラ差の新しいビジョンがあったほうが(実は女性にとっても)カンフォタブルじゃないっすか」的なマインドがあるような・・・気がします。
なあんていうとかなり微妙な話ですけど、でも、女性のプライドを傷つけずに、男のプライドも傷つけずに、両性感にちゃんとふれあいを持てるようにするための希望みたいなのが「KAWAII」や「MOE」文化の中で色々思考実験されてる感じはするんですよね。
なあんて。
すいません、なんか場違いにたくさん書いてしまって。最近考えてることとドンピシャだったんで。
しつれいしました・・・
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ほんとすいません何度も何度も大量に。なんか執筆中の作品のネタとかぶりまくってて、一人で話しまくってしまいました、なんか場違いっぽかったら消しちゃってください。
ただ、男女の役割文化については、「制服廃止運動を熱くなってやってたけど廃止してみたら逆に私服がスゲー面倒臭かった」的なところがあるんじゃないかと思ったりするんですよね。
アメリカは世界に先駆けて「制服廃止運動」をやってくれてるので、お陰様で旧時代のばかげた押しつけをぶっ壊していってくれてて爽快ではあるんですけど。
ただ、「セックスインザシティ」とか「ハッピーマニアby安野モヨコ」とか読んでると、案外その「制服廃止運動最前線の女性」の方が、「むしろ私服ってつらくない?制服あったほうがよくない?」って思ってるんじゃないかと思うところがあり、でも古い時代の役割分担にはムカツクから戻りたくないし・・・・ってところが、中村うさぎさんを見てても思うところなんですよね。
萌え文化が消費されるのは、そういう「お互い納得できる新しい女らしさ&男らしさのヒナ型」を作っていこうとしてる感があるっていうか、「どっちもサドでどっちもマゾ」な関係を、作る「新しい男女関係のありかた」みたいな感じが・・・します。
「古い関係」も馬鹿馬鹿しいけど、「今の関係」はちょっとお互い無理しすぎてないか?みたいな。女が「男のマネ」するのも実はシンドイし、男が「必要以上にナイスな男」であり続けるのも無理があるのに、なんかみんなでやせ我慢大会してるような感じだというか。
あー、いいのかなーこんなに大量に書いて。
この連続三投稿を読んで「お?」と思われたら、ぜひ拙著「男ゴコロ解体新書」をお読みください。アホっぽく書いてるけどマジメな本です。
以下のサイトで半分まで無料で読めます。
クリックしてtoallthejapanesewomen.pdfにアクセス
あー、いいのかなー宣伝までしてしまった。ううむ。ごめんなさい。ぐむむ。
日本にいるから、そんなことが言えるんだ・・・ってのが凄く真実をついてると思うので、ほんとアメリカ人さんってのは一人一人ご苦労様だなあって、最近は思ってるんですよ。
やっぱり「自分の生き様」によって「他人に影響与えたい」ってみんな思ってるわけで、中村うさぎさんもそれが理由であんなことしてるとこあると思うんですけど、アメリカ人ってアメリカ人であるだけで世界的にそういう意味での「影響力」でかいですしね。
だからこそある意味「演劇的空間」を生きてくれてるわけで、「情けなーい人のフリ」をしてる日本人は、感謝しなくちゃなーと思ったりしてます(笑)。
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またまた話が飛んでしまいますが…
港区の私の職場横に、うさぎさんが通ってる喫茶店があります。
最近は私自身、店に行っていないため何とも言えませんが、今年の4月〜5月頃のうさぎさんは
傍目に元気そうでした。
(…うー、読み直すと具体的な根拠は何もないですねこのコメント(汗)
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倉本san
やっぱり、「熱が何度か」っていうことかな? 37度5部だったら仕事ができる程度の微熱だけど、42度あったら解熱剤を注射するよ、と。
他人に影響・・・はまぁ与えられると嬉しいけど、ワタシはまず自分が幸せなほうが大事だな。他人への影響はその次ですな。
kata-san
おおっ、元気そうというお話は良いお話です。ちなみに、ワタシ、有名人を見分けられません。中村うさぎさんを見て判断できるとは尊敬!!
(昔、東京のとあるパーティーで、スラっと背の高い素敵な女性を紹介されて、
「お名前は何ですか」
と聞いたら
「西田ひかると申します」
あの西田ひかるさんでした。全然気づかなかった、はずかし~。
この間は、東京のホテルで、
「あ、デンゼルワシントンがスーツで朝ごはん食べてる!」
と思ってまじまじと見たら、タイガーウッズだった・・と思ったら、デンゼルワシントンとタイガーウッズを足して2で割ったような顔の、普通の人だったということもありました。わからーん。)
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chikaさんのコメントで、たしかに病気という前提を捨ててることに気づきました。
著者自身も、タイトルに「女という病」とつけているので、
「個人の病気」という視点ではなく、「~症候群」みたいな社会現象の極端な例として自分を見ているのではないかと。
そんでもって「じゃぁ現代の女の欲望って、それを煽る社会って何」というのを追求するのに向かって、
「治療しなければ」という発想に結びつかない。
言われるとおり、気合とか精神を改善せねば、というのが染み付いてて、「治療薬で治る」といわれると拍子抜けしてしまうんですよね。
ちょと話それますが、出産も、アメリカでは無痛分娩薦められますが、痛みを経験しないと駄目なんじゃないか、とか精神論出てくる自分がイヤ(笑
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Chikaさんへ
中村うさぎさんその後です。
日経BPで「ボク様未婚男の叫び」という未婚な今風男子の特集があったんですが、その著者と中村うさぎさんのインタビューが写真を交えて掲載されていました(http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090807/173344/
)。ご当人、wikiの情報から推測するに御年50overなはずなのですが(http://ja.wikipedia.org/wiki/中村うさぎ)、見た目30代ですね。。。
やっぱり美容整形の力はすごいです。
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