日本の夫婦別姓と辛子

日本でも、外国人と結婚すると夫婦別姓でOKです、という話。ワタシのダンナはカメ星人・・じゃない、アメリカ国籍なのだが、そのダンナとの婚姻届を日本で出した際には、
1)親の戸籍から独立して、ワタシ個人の戸籍を作る(名前はそのまま)
2)一応、備考欄に「夫、米国カリフォルニア州カメ」などと書かれる
3)終わり
という感じ。(婚姻関係は「備考」だから、消すのも簡単なのか。それとも、やっぱり離婚届が必要なのか。不明である。)

ちなみに、親の戸籍から出て自分の戸籍を作る際、私の苗字は本来、渡邉という字だったのだが、

「あー、この『邉』の字はもう戸籍で使えないんですよー。この中から選んでください」

と、7つくらい似たような難しいナベの字が並んだ紙を渡された。

「これなんか、近いんじゃないですか?」

とひとつの字を指差しながら言われたのだが、そんな理由で、また面倒くさい新たなナベという漢字を他人に強要するのはいかがなものか。ということで、

「いえ、だったら、一番簡単な『辺』でお願いします」

ということで、ワタシは正真正銘、渡辺千賀になった。

(ちなみに、この申請をしたのは港区役所だったのだが、外国人との婚姻届を出す人が多いようで、「婚姻届けだしたいんですけど」と言ったら、最初の質問が「日本人の方とですか、外国人の方とですか?」で、外国人ですと答えたら、即座に「外国人との婚姻届サンプル」をくれた。さすが日本のすばらしいefficiency!)

かように、ごくごく簡単にワタシは日本国民のまま夫婦別姓となった。非常に得した気がしたんですが、考えてみると、このように普通とちょっと違うことをすることで、ワープ的ソリューションにたどり着くことは多分にある。少なくとも、それがワタシの日本国に対する印象である。

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ちなみに、ワタシの母は幸子というのだが、昔まだ戸籍が手書きだったころ、戸籍上は

辛子

になっていた。結婚して戸籍を動かした際に、担当者が間違えて書いたようである。その後直ってしまったようだが、どちらかといえば辛子という名前のほうが似合っていたので残念だ。

渡辺の「なべ」という字は、何十個もあるのだが、その多くは、こういう人間のミスが積み重なってできたんじゃないかなぁ、と思います、はい。

日本の夫婦別姓と辛子」への8件のフィードバック

  1. こんにちは
    いつもONとOFFの両方楽しく拝見しています。
    うそみたいな本当の話ですね。特に辛子は笑えました。
    ブログいつまでも続けてください(日経産業新聞のコラムも)。
    BY THE WAY
    日本で講演とかする予定はないのですか?(私が企画できれば良いのですが、そういう実行力は無いので・・・)。あれば参加したいです。

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  2. こんにちは。
    僕も国際結婚になるので、同じような感じでしたが、戸籍と婚姻は別事象なので、離婚には離婚届けをださないと、他の人とは結婚できないっすね。それ以外は、忘れていても、罰せられはしないというレベルじゃないでしょか。離婚届けをだすのと備考欄が自動的に変更されるのかはようわかりませんが。
    そういえば、僕の名字の”藤”も、親は十冠というので登録してましたが、さくっと、草冠にしてしまいました。マイナーな字でアイデンティティ出しても面倒ですしねえ。

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  3. (クレーン車救出の写真から飛んできました)
    私(外国籍男)は逆パターンです。
    日本の女性と結婚しましたが、これまで自分の持ち家で「外国人登録」上、自分が世帯主になっていたんですが
    区役所で、妻の住民票を移したとたんに、妻が世帯主になってしましました。
    「日本人じゃないと世帯主になれないんですよ。」という説明。
    確かに、私は妻の住民票には載らないので、そういう方法しかないのかなーとも。
    でも、正直言って、自分が苦労して建てた家をとられたみたいで嫌ですね。
    それと、この状態で子どもができると(うちも夫婦別姓)、母子家庭と間違えられそうです。。。

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  4. 日本の制度は追いついていない

    On Off and Beyond 日本の夫婦別姓と辛子という投稿より
    国際結婚の手続きがどうなっているのか?というのは知らなかった。
    戸籍に「備考」として載るだけなのか。いい加減なものだな〜。
    日本でも国際結婚の数は今後増えていくはずで、実際、結婚の件数は全体的には減っているのに国際結婚の数は逆に増えている。まあ、ご他聞に漏れず離婚も増えているのだが。。。
    てことは、日本の戸籍制…

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  5. 夫婦別姓問題って何だろう?

     連続して絡むつもりはなかったのだが、またしても渡辺さんところの記事。実はウチも国際結婚であり、夫婦別姓を選択している(Blogで公表するのは初めてかな?)。
    “かように、ごくごく簡単にワタシは日本国民の……

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  6. コメントありがとうございます。
    日本に帰国されることがあるようでしたら、是非高原さんとご一緒に食事でもさせてください。
    ちなみにウチの家内も中国人ですよ。

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  7. こんにちは。国際結婚のことでたどり着きまして、自ブログの中からも簡単ながらリンクさせていただきました。記事自体面白く読ませていただきました。

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  8. ラフタークレーン

    ラフタークレーン(ラフテレーンクレーン)とは、不整地を走行のできるクレーンでホイールクレーンの一種です。ラフタークレーン(ラフテレーンクレーン)は四輪駆動、四輪操舵システムを装備しており、悪路でも走行・作業が可能です。しかし、ラフタークレーン(ラフテレーンクレーン)は最高速度が50kmまでしか出せない車種が多いです。…

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