アマノイワトと流しそうめん

昨日の続きっぽいのだが、日米での中途採用の感じについて。

日本の新興ベンチャーだと、これはと思う人材を大企業から引き抜いてこようというときには、三顧の礼で手を変え品を変えお願いし続けて数年がかりで呼び込んでくる、という感じになる。

一方、シリコンバレーは3-4年でどんどん転職するのが普通の場所。一つの転職に時間をかけるのは無駄。よって、次から次へと登場する候補者をどんどん面接して評価して、よさそうな人はさくっと取らないと、別の会社に行かれてしまう。

つまり、日本の中途採用は「アマノイワト型」。隠れてしまったアマテラスを誘い出すために、みんなで飲めや歌えの大宴会をしてじわじわと誘い出す形式。

シリコンバレーは、そうめん流し。目の前に流れてきたそうめんをサッと取らないと、そのそうめんは流れていってしまう。が、そうめんは次から次へとやってくるので、またいつかはいいそうめんがやってくる。シソとネギの刻んだのもプリーズ。

アマノイワトと流しそうめん」への9件のフィードバック

  1. こんにちは。アメリカのサクサクっとした感じが好きです。就職のサクサク感も好き。大阪にもサクサクって感じになって欲しい。別に、全国どこでも『アマノイワト』方式じゃなくてもねぇ。

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  2. そうめん!?
    ”白人=熊”説のときも感動しましたが、今回の”アマノイワトとそうめん”もぴったり~。(笑)
    子どもの親友のパパがシリコンバレーに引っ越してきてからまだ2年ほどしか経っていないというのに、もう4社目だそうです。しかも、決まるのが早い早い。あまりの早業にびっくりしていましたが、そうかそうめんだったのか~(納得)しかもだんだん高級化していくようです。

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  3. 初めまして。
    何故かたどり着きました。。
    シリコンバレーではヘッドハンティングはないのですか?
    読んでいてどのように引き抜いているのか興味出てしまいました。

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  4. thresholdが高いか低いかの差であり、閾と閾の間にどれだけ良質な労働力を確保できるかが重要だと思います。

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  5. 会社が腐敗した時にはこの差は重要ですよね。
    「こんな腐った会社に未来はない。出来る限り早く辞めてやる。」と決意した時に、すぐ辞めても(比較的)影響の少ない米国式に対し、辞めるまでに数年の時間を要する日本式。数年もかかるようだと下手をするとその前に会社が潰れてしまい、転職でも足下を見られるようになり不本意な条件でも受け入れるしかないということも起こります。
    またその数年の間は抜けていく人を新卒や中途採用の増加で補おうとして、さらに犠牲者を増やすことになります。厄介なことにこういう末期状態の会社は、辞めていく人が多いので採用者の数だけは非常に多いということですね。2次的な犠牲者の数は決して少なくはないでしょう。新卒でこういう会社に入ってしまうと、人間不信に陥ったり、世を儚んで自殺したり、ニートになったりするのも頷けます。
    企業の健全化という意味では、労働市場の自由化というのは避けては通れない問題だと感じています。
    ちなみに私は失う物も守るべき家族もないので、さっさと辞めました。おかげで今はとっても貧乏ですが、鬱状態も脱して精神的には安定しています。配偶者や子供のいる人だと大変ですよね。家族を人質に取られているようなものですから。

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  6. chikaです。
    日本から見ると、確かにシリコンバレーの転職事情は「さくさく」。でも、中で悪戦苦闘する当人たちからすると、「どろどろ」「やれやれ」「ひーこら」なんですけどね。
    当地のヘッドハンティングは、辞めるつもりもない人に片っ端からアタックする、という日本型ではなく、転職希望者を登録しまくって、人を探してそうな会社に送りつけまくる、という、強いて言うならお見合いばばぁのような仕事です。「競合のこの会社から引き抜いてほしい」と頼むと、クライアント名を伏せたまま、その会社の従業員に次々とアタック!といったようなこともしてくれますが。
    貧乏神さんの語る日本のIT産業は、八甲田山みたいですねぇ。。。なんかどうなっちゃったんでしょね。

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  7. 「外から見ると、確かに日本の終身雇用は「安心」「安定」。でも、中で悪戦苦闘する当人たちからすると、「ドロドロ」「やれやれ」「ひーこら」なんですけどね。」
    特に「ドロドロ」がひどい。一度「ドロドロ」してしまうと中からの改革も外からの圧力も無意味で、ペナルティ付きでも転職が唯一の希望になります。転職できない人は、まさに地獄でしょうね。中央線なんかで人生にリセットかけるのも流行ってるそうですよ。
    >八甲田山みたい
    こういう問題の芽は、昔からあったんだと思いますよ。それもずーーっと以前から。
    それが高度経済成長の終焉とかバブル崩壊とかによって最悪の形で表面化してしまっただけです。しかも厄介なことに、いまや中枢に巣くっているのがバブル時に入社して年功序列で上がってきた世代。管理職や経営陣を適切に評価する制度がなければ一度腐敗したら最後です。
    しかも厄介なことに転職は容易ではなく、会社は滅多なことでは潰されず、経営者の責任を問うこともない。危機感がなく状況が悪化するのを手をこまねいて見ているだけの経営者を、辞めさせることさえできないんですよ。
    もちろん中には優秀な経営者のリーダーシップのもと、適切に評価し動いている企業もあるでしょう。そう言えば日産のゴーン氏も、現状に危機感を抱いた前社長がスカウトしてきたそうですね。でもそういう危機感や行動力のない経営者の元ではどうでしょう?新しい経営者をスカウトするどころか、保身のために自分を批判する対抗勢力を排除し、身の回りをYESマンで固めたりします。
    おまけに本来ならそれを適切に批判し、糾弾する側であるべきマスコミ自体が腐敗してますからねえ……ライブドアの一件で、買収をかけられた日本のマスコミがどういう反応をしたかご存じですか?それまでは無批判でいたくせに、身内の話になった途端に手のひらを返したようにコレですよ。「有罪が確定するまでは無罪」という原則なんて、彼らは知らないのでしょうね。特に身内が関係した事件では。
    http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060510_livedoor/

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