頭が良くなるのは大変だが、頭が良いように見せかける方法はある。あんまり無理すると笑われるだけだが、ちょっとだったら底上げ可能。
というわけで、Psychology TodayのBlinded by Brilliance
オリジナルの記事は、「超優秀な人と一緒に仕事をしなければならなくなったら、どうするか」というまっとうなもの。冒頭には、例として、ビルゲイツの若かりし頃のマイクロソフトでの逸話が載っている。
When teams of slick, seasoned Microsoft sales guys set off in search of
corporate-software business 25 years ago, a young and scruffy Bill
Gates often tagged along. He looked more like a tech-support guy than
the CEO. Customers usually turned their attention to the older and more
polished "suits" who traveled with him. But inevitably one of the
Microsoft executives would toss a question to the floppy-haired kid:
"What do you think of that, Bill?" Ignoring the skeptical gaze of
middle-aged execs and computer engineers, Gates would hold forth about
hardware, software, floppy drives and the interfaces between them. With
others you sipped at a water fountain, but when Gates spoke it was like
"drinking from a fire hydrant," said a former sales chief.
きちんとスーツを着た営業が、オタクな外見の若いビルゲイツを連れて客のところに行く。最初のうち、客はビルゲイツを無視しているが、一旦ゲイツが話し始めると、誰もがそのほとばしる怒涛の知性に圧倒される、という話。
「普通の人と話すのが、ウォータークーラーから水を飲むようなものだとすれば、ビルゲイツと話すのは、消防用のホースから水を飲むようなものだった」
と。で、本文は、圧倒的に頭の回転の速い人の能力はどんな風に顕在化するか、とか、そういう人と一緒になっても、びくびくしないで、自分の能力が最大限に引き出される良い機会と捕らえよう、みたいな話へ続く。
人間の能力が平均値の周りにどっと固まっている日本と違って、劣等なほうもさることながら、優秀なほうの裾野も著しく広いアメリカならではの記事ともいえます。実際「ぎょー、こんなに頭のいい人がいるのか」みたいなことがままある。
「1」
と言うと
「5」
と返事がかえってくるとか、
「えー、1.2で2.5で5.3で・・・・」
みたいな、要領を得ない話をこちらがしているのに、
「君の意見は平均すると3だが、私は4だと思う」
みたいな整然とした答えが返ってきたり。。
この手の会話はアドレナリンが出るので結構楽しかったりするのだが。
記事には、それ以外に、「相手のハッタリを見抜く」という囲みがある。どういうときに、相手を優秀だと勘違いしてしまいがちか、という例として
1.外向的な人
2.批判的な人
3.自分の得意な分野について語っている人
が挙げられている。これ、コンサルタントの3つの得意技、とも言えます。コンサルタント的にはどう活用するかというと:
1.外向的
→とにかくたくさん話す。必殺「質より量」である。あれこれあれこれ弾丸のように話している中に、相手の琴線に触れるものがあれば、
「おお、この人は良いことを言う」
と思ってもらえる。それ以外は、話したこと全部を覚えていられないくらい、とにかく滝の流れのように話す。さすれば相手は、「良いこと」と思った一点しか覚えていない。
しかし、立て板に水であれこれ話して、一つもヒットしないと、ただのおしゃべりに成り下がる、という危険もあるので、ヒットを増やすべくベース知識を常に仕入れておく必要はあるのだが。
本当は、無口で時々ポツリと語る一言がすごい、というのが格好いいが、マッキンゼー時代もそんな人はみたことない。成功するコンサルタント=饒舌、です。少なくとも仕事の時には。ただし、早口である必要はない。
2.批判的
→相手を個人的に批判すると角が立つが、相手の会社や事業を批判するのは有効。もちろん、深い準備と、それに基づききちんとポイントを付いた指摘でないとダメだが、「あなたの会社を考えていればこそ」と、ビシビシと難点を指摘する。
また、よりプライベートな話の場では、そこにいない第3者を批判する、というのも有効。「誰それはダメだ、なぜなら」といった感じで、単なる好き嫌いじゃなく理由を明快にして批判する。さすれば、アーラ不思議、まるであなたは優秀な人のように見えます。
3.自分の得意な分野について語る
→これは、まぁ当然といえば当然だが、いかなる話も自分の得意な分野に引き寄せて語る、という話術が必要なのだな。
***
しかし、あんまりこういうのをたくさん繰り出すと、自分より優秀な人から見透かされるので、程度をわきまえておくのも重要かと思います。はい。
<追記:クロスカウンターパンチ的エントリを書きました。自分を良く見せる努力より他人を知る努力。ご参考まで。>
「大学院に入ったとき、周囲の人が皆ものすごい速さで喋っているのにびびった」みたいなことをPaul Grahamが言っていましたね。「でも自分もすぐにそのやり方をマスターした。倍の速度で考える必要はない。同じことを倍の言葉を使って話すだけでいいんだ」
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[備忘録]エドガー・アラン・ポー関連メモ
”THE ESSENTIAL TALES and POEMS of EDGAR ALLAN POE”(BARNESNOBLE CLASSICS)で”The Bells”という詩に使われている”tintinabulation”という言葉の注釈に、 ”Ringing or jingling; Poe used difficult words partly to appear more educated than he was.” とあって・・・と数日前書いた。 自分がこの話題に関してどういう関…
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うわ、なにこの負け犬的発想。
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企業の IT って、知性が必要か?
渡辺千賀さんのブログでコンサルタントが頭が良いフリをする方法というテーマのエント…
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shiro-san,
笑。言葉少なく優秀な人ってのは、ほんとにすごいですよね。
め-san,
早速の2の実践、なかなかです 😉
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自分より頭の回転数が近いか遅い人とは,少し話すとどれくらいの回転数なのかわかるけど,ずっと速い人とは,2倍速いのか,3倍速いのかわからないな,という法則を感じる今日この頃.
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「この人無能だな」と思われる人の3つの特徴
主に、上場会社の経営幹部クラス、もしくは重要プロジェクトのキーパーソンクラスのリーダーorディシジョンメーカーに、「この人無能だな」と思われる人の特徴を以下の記事がまとめてくださっていました。 [http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/03/post_9.html:title=頭が良いフリをする方法] 1.外向的 →とにかくたくさん話す。必殺「質より量」である。あれこれあれこれ弾丸のように話している中に、相手の琴線に触れるものがあれば、 「おお、この人は…
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日本人にも「ぎょー、こんなに頭のいい人がいるのか」って人いっぱいいるよ。そういう喋り方は日本人に向かないからみんなしないだけ。かっこ悪いからね。ホリエもんみたいに胡散臭く感じるよ?
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060329メモ
Numark iDJ2:iPodミキサー – Engadget Japanese Numark to debut iDJ2 iPod mixer with pitch control Unlike the original iDJ, the new iDJ2 features only one iPod dock, but can play two songs simultaneously from a single iPod. The mixer provides real-time……
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2の実践じゃないんだけどね。とにかく、自分が人からどう見られているか、に心を砕くのは人生の無駄だからやめなよ。ジョブズの言葉「Stay hungry, stay foolish.」を思い出した。
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↑どうみても2の実践です・・・
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>↑どうみても2の実践です・・・
「理由を明快にして」批評することが2ですよ?実践ではないとおもわれ
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[memo]明確な「負け」というのは結構快感なんじゃないかと。
自分より明らかに優秀である人に出会うと嬉しくなります。 自分がMだからかもしれませんが、かなり快感。 なんて突然言い出すのはこんなエントリを読んだから。 On Off and Beyond: コンサルタント:頭が良いフリをする方法 http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/03/post_9.html 人間の能力が平均値の周りにどっと固まっている日本と違って、劣等なほうもさることながら、優秀なほうの裾野も著しく広いアメリカならではの記事ともいえます。…
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頭が良いように見せかける
On Off and Beyond: コンサルタント:頭が良いフリをする方法 http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/03/post_9.html
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[ビジネススキル]コンサルタント:頭が良いフリをする方法(On Off and Beyond様)
コンサルタントとしての業務に携わっていない人であっても、人と話す機会がゼロという商売をしている方は、なかなか稀ではないかと思います。 このエントリーのタイトルである「頭が良いフリをする方法」では、あくまでも「フリ」という言葉を使われておりますが、実際に文章を読んでみて筆者が感じたのは、スタートラインについた状態であっても、ある程度のセオリーや常識をしる事によって、結果を残せるためのガイドラインのように感じました。 そういった気持ちを持って物事に望んでいけば、自ずと良い結果を導けるのではないかと思いま…
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2の「誰それはダメだ、なぜなら」って本当に効果あるのでしょうか。
「そんなこと本人に言えよ」って思われてしまうのでは…
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発言量が多く、批判的な人は賢い人と見られがちだが。
頭が良いフリをする方法 http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/03/post_9.html というエントリーが非常に面白く、共感する部分もあったので紹介です。そこから少し抜粋。 頭が良くなるのは大変だが、頭が良いように見せかける方法はある。あんまり無理すると笑われるだけだが、ちょっとだったら底上げ可能。 どういうときに、相手を優秀だと勘違いしてしまいがちか、という例として 1.外向的な人 2.批判的な人 3.自分の得意な分野について語っている人 が挙げられ…
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あいう-san,
2については、私はよほどの根拠と必然性がある場合意外やらないように気をつけてます。キャラとしてイマイチ得手でない、、っつうか、私がやると本当にやなヤツになっちゃうと思うので。(謙遜のような自慢のような)
ただ、周りを見てると、効果はかなりあるようです。
ただし、アメリカ人は議論慣れしてるので、「批判攻撃」に敏感。
「論戦となったら、相手の論拠をこっぱ微塵に粉砕しよう」
とてぐすねひいている人たちがゴマンといるので、うかつにこの攻撃を繰り出すとトンでもない目に会います。なので、長い間アメリカで過ごしてきた人は、まぁある程度の年になると、反撃を避ける話法として「批判しない」というのが身についてることが多いように見受けられます。いちいち全面核戦争してたら大変ですもんね。
「そんなこと本人に言えよ」となるのは、
1)批判(評論でもなんでも)が、その場の話の論旨と関係ない
2)聞いていていやになるような、ただの悪口・愚痴
の場合じゃないでしょーか。
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御無沙汰してます。
頭の良いように見せるテクニックも、何回も目にすると慣れました。
去年、おととしと、アメリカのロースクールに居て、日米の弁護士さんに会ったんだけど、能書きは多いんだけど、1) 論点のはぐらかし、2)そんなことも知らないの? と言うとバカ扱いする、人が多かったです。
(弁護士さん(特に日本)って、なんでも、他人にお願いする人が多かったけど。)
でも、そんなこと知りませんよ、というと、当惑する人が多かったけど。
あと、金融業界に多かったのは、自分は経験していないことについて、可否を述べる人。
個人的には田中角栄は頭良かったと思いますけど。
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訂正:
“2)そんなことも知らないの? と言うとバカ扱いする、人が多かったです。”
は
“2)そんなことも知らないの? とバカ扱いされた、話相手が多かったです。”
に修正します。すいません。
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無能と自意識過剰
他人の目を気にせず、我が道を行く。
それとも他人の目ばかりを気にして、人に意見を合わせてしまう?
他人と意見を同調しないと排除されてしまうKYな風潮、なんとかならないものかとボヤきつつ、まずは自意識過剰なのかどうかと、図ってみたり。
他人の目を気にしすぎ? あなたの「自意識過剰度」
http://beauty.yahoo.co.jp/fortune/artlogy/20080110/index.html
やり方は簡単。4つのにじみ絵があるので、直感でどれかひとつを選択するだけ。
…
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コンサルタントという職業
若いころ何度かコンサルティングファームの面接を受けた。不合格になったから今の仕事…
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