Cryptonomiconに見るシリコンバレー・ヲタ・ファッション

ちょっと前に、シリコンバレーのビジネスカジュアルのルールについて書いたが、シリコンバレー・geekファッションに関し、最近読んでいる小説、Cryptonomiconで面白い表現を発見したのでご紹介。

コンピュータサイエンスの父ともいわれるAlan Turingも登場する、暗号技術を核にした小説。1150ページの大作、かつ、最初の300ページくらいは単なる前振り、という、時間が最大のリソースである現代においては超贅沢なつくりのお話である。

苦しみながらなんとか400ページに達したところ。やっと何とかうっすら面白くなってきた、ぜーぜー、という感じだ。

小説には、現代のシリコンバレーの暗号技術ベンチャーが登場するのだが、以下、本文中に見つけた「Geekがなぜスーツを着たがらないか」についての表現です。

….good clothes can actuallly be comfortable…….it is not wearing suits that they object to, so much as getting them on.  Which includes not only the donning process per se but also picking them out, maintaining them, and worrying whether they are still in style–this last being especially difficult for men who wear suits only once every five years.

「良い服は、実は着心地がいい・・・geekは、スーツを着ているのが嫌いなのではなく、スーツを着るという行為がいやなのだ。単に着るプロセスのみならず、スーツを選んだり、メンテしたり、流行おくれでないか心配したり、といったこと。特に最後のポイントは、5年に一度しかスーツを着ない人間にとっては難問。」

つまり、「おしゃれを楽しむ」なんて気持ちはさらさらないわけですな。(で、冒頭にリンクした過去のエントリーで述べた「シリコンバレービジネスカジュアル」は、そういう非ファッション的人物でも「これに従っていればそこそこまともに見える」という、明快なルールなわけです。)

小説内には、アジアの王様と商談、ということで、普段ヨレヨレのジーンズしかはかないgeekたちも、ぴしっとスーツを着なければならないシーンがある。もちろんgeekたちには、そんな場に来ていける服はない。そこで、普段から投資家めぐりをしたり、ビジネスプランを書いたり、といった「ビジネス担当」の人間が全て面倒を見る。社内の主要geekの寸法をスプレッドシートに持っていて、上海の仕立て屋に注文を出して、全員分のスーツを作るのである。便利。

ちなみに、Cryptonomicon、ダンナと私とそれぞれ買ってしまい、家に2冊ある。こんなオタッキーな本が2冊ある家も少ないのでは・・・いや、シリコンバレーなら結構あるかな。

Cryptonomiconに見るシリコンバレー・ヲタ・ファッション」への5件のフィードバック

  1. はじめまして。カナダ、バンクーバー在住の名無しです。HNが思いつかず「芸無し」だ。次回は、ぜひ女性のビジネス服のルールをお願いします。ひじょーに興味があります。引用されていたDraper Fisher の写真にも数名女性がいらっしゃいますね。まあ、こちらはフォーマルってことでしょうけれども。余談ですが、広告、マーケティングの仕事をしている自分から見ると、Draper Fisher の集合写真は考えただけで絶叫ものです。これだけの人数の時間合わせ、水に足を入れてはしゃぎまくる参加者、全員がそれなりの表情、、、しかも苦労した割には、なにが言いたいんだかわからん写真になり、コンサバな人から文句が出たりして。悪夢じゃ。。。これからも楽しみに記事を待っております。

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  2. 女性のビジネス服は、なんでもOKなんですよね。。。。つま先が見える靴はNGってくらいじゃないでしょうか?以前、40台の白人女性がノースリーブでプレゼンをしていたときは、彼女の二の腕のそばかすと脂肪がやたらに気になって
    「うーむ、あまり肌を出すのは、いろんな意味でよくないのだな」
    と思いましたが。。。
    >Draper Fisher の集合写真は考えただけで絶叫ものです
    そういう見方もあるんですね。笑った・・・。
    今後もよろしく。

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  3. はじめまして。
    女性のドレスコードですか…ミニスカートはもちろん、やっぱり背中ぱっくりはダメなんじゃないかなあ…
    内勤だとなんでもアリアリですが、アメリカでIT系とはいえ、結構女性の服装は様々みたいですね。
    サンノゼに行くと、ラフな格好をした女性も多いかもしれませんが、ワシントン郊外のほうなんかは客がお役所関係なので、たっぷりサイズの方でも結構ぴしっとしたジャケット着用だったりします。
    それにしても…IT系の女性はスーツでもパンツ派が圧倒的に多い?
    ネットワーク系企業に勤めてますが、営業はタイトスカートでも、エンジニアはパンツ系ですねえ。
    私はロングスカート派なんですけどねえ。
    ロングスカート仲間増えないかなあ。

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  4. 藤間-san,
    >ミニスカートはもちろん、やっぱり背中ぱっくりはダメなんじゃないかなあ…
    確かに。そういう服、プライベートでも着てる人をそうそう見ないので、そういう選択肢があることを忘れておりました。でも、確かにそうですよね。
    むかーし、ミラノでのこと。朝の通勤途中のイタリア人のお姉さんが、真っ赤なボディコンワンピを着ていたのですが、な、なんと下着が上も下も透けすけだった。さすがイタリア。びっくり。こういうのも絶対ダメですね。
    私は圧倒的にパンツ派です。スカートだと、ストッキングはかないとならなくて面倒だから。Julia Robertsみたいな足だったら生足でもいいんですが、ちょっとねぇ・・・・。6年ほど前にがんばって着ていたミニスカートのスーツ類は、最近、ついに思い切って全てチャリティに寄付してしまいました。

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  5. シリコンバレーのルール?

    この本、そうそうキャンベル、プルーンヤードの本屋で見つけたんですよねぇ。
    でも結局買いませんでした。私に耐えられるかわかりません。最初の300ページが単に序章にすぎないなんて!
    スーパービジネスマンを目指す私にですら、ちょっときつい本かも。
    スーパービジネスマンを目指したい人はこちら。

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