この間、ダンナが運転、私は助手席に乗っていた。すると、急に隣のレーンの車がこちらのレーンに入ってこようとした。私たちの車には気づいていないようだ。そこで、
「クラクション」
と言ったが、ダンナは「へ?」。えっと、クラクションは claction、 craction、cluction、 cruction の4パターンがありえる(スペルはともかく、LかR、つぶれた「ア」か、あっさりした「ア」の組み合わせ)と、全部言ってみたが通じない。そうこうしている間に危機は過ぎ去ってしまった。で、思い出したのだが、アメリカでは「クラクションをならす」は honk なのであった。(クラクションそのものは horn 。だが、クラクションを鳴らす、という意味でblow a hornとはまず言わない。ネイティブの人(ダンナ)いわく、通じないこともないが、「ホーンを口につけて吹く」みたいでちょっと変な感じに聞こえるとのことである。)
Googleで「クラクション」を調べてみたら klaxon という商品名なんですね。
車関係では、そのままだと全く通じないカタカナ名称が多い。
ハンドル→ steering wheel
フロントガラス→ windshield
ボンネット→ hood (イギリスではボンネットで通じるという噂も聞いたけれど本当でしょうか)
ナンバープレート→ license plate
バックミラー→ rear-view mirrow
車と関係ないところでは、アメリカ・日本、どちらかでのみ、商品名が一般名詞として使われる例もある。たとえば:
ホッチキス:これは日本だけ。アメリカでは stapler。Hotchkissという会社が20世紀の初頭にホッチキスを作っていたらしいが、今では(少なくともアメリカでは)ほとんど誰も知らない。
半田:半田ごての半田。英語だとsolder。
Kleenex:日本の「ティッシュ」はアメリカでは「クリネックス」と呼ばれる。tissueでも通じなくも無いがkleenexと呼ばれることが多い。(2013年追記:最近は tissue と聞くことの方が多くなった気がする)
phillips:スクリュードライバーのプラスは phillips。マイナスは standard か slotted 。「プラス」「マイナス」は通じません。プラスのスクリュードライバーはこちらにあるとおりPhillips さんが発明したらしい。 (追記:日本のプラスとアメリカの phillips は実は微妙に違う、というコメントをいただきました。)
ちなみに、コピー機はちょっと前まで「Xerox machine」と呼ぶのがアメリカでは普通で、「コピーをとる」という意味でも「xerox」が動詞として使われていた。が、その後、ゼロックス社の業績が悪化、市場シェアが激減するにつれ、photo copy photocopy(動詞:コピーをとる), copier(コピー機)という言い方が普通になってしまい、今ではxeroxは一般名詞として流通しなくなっている。
商標が一般名詞化するのは、企業にとっては困った事態なのだが、(「一般名詞だからもう商標として守ってあげない」と法律に見放されてしまうので)一旦なってしまった一般名詞から見放されるのは寂しい。
アメリカ以外の国の商標の一般名詞化の例では、去年メキシコはコスメルの空港で、カップヌードルが売っていたが、そこには手書きで「Nisshin Maruchan」と書いてあった。売っているのは日清が作っているカップヌードルのみ。(マルチャンの製造元は東洋水産)。かの地では「マルチャン」が「カップめん」という意味で一般名詞化してしまったのであります。
有名なところでは、東南アジアで「Honda」が「バイク」という意味になってしまっている、というのもある。また、一時期ベトナムでは「IBM」=パソコンとなっていたようだ。富士通のPCを売る商談をしにベトナムに行ったら、
「富士通のIBMと、IBMのIBMはどう違うのか」
と聞かれて呆然とした、という人に会ったことがある。
「ペプシのコークはコカコーラのコークよりおいしいのか」みたいな質問でしょうか。
おあとがよろしいようで。。。
うんうん、と頷きながら読みました。
私の場合、アメリカに行って間もない頃、「同僚の車のタイヤがパンクした」というのをpunctureで表現したら通じませんでした。というか、センテンスにも問題があって、「彼が刺された」と受け取られてしまったのですね。
ええ、その時はちょっとした騒ぎになりました。
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セロファンテープがscotch tapeというのも有名ですよね。
これからだと、ハイブリッドカー=priusと呼ばれるようになったら面白いなぁ。
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10年前は全ての携帯カセット・CDプレーヤーがWalkmanと言われていたような気がしますが、iPodの攻勢にやられて携帯オーディオプレーヤーの代名詞としてのWalkmanは見る影もない、といった感じでしょうか?
iMac, iBook, … [小文字のi]+[単語]はかっこいいぜ!と自社製品の名前に適用して広く人気商品に育てたアップルは凄いですね。”iPod”も、最初聞いた時は「なんじゃそりゃ?Pod?」と思ったけど今となってはしっくりくる名前。iPod=Coolなイメージ。iRiver=かっこ悪いイメージ。
Podcastingって初めて聞いた時は、iPodでしか使えない何か、かと思いました。キャッチーなネーミングセンスに脱帽。思いついた奴に座布団3枚。
あー、何書きたいのか判らなくなりました。頭悪い。
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こんにちは。
honkで思い出しましたが、昔子供の学校のparent nightで、歌に出てくる動物の鳴き声を言うというゲームがあったんですが、私の番が丁度ガチョウでした。当時はガチョウの鳴き声の英語など知らず、”ガーガー”と言ったら先生の変な顔。
その日以来ガチョウは英語で”Honk”と鳴くのを覚えました。
カタカナ英語とはちょっと違いますが、擬音系も悩みますよね。
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愛車のプリウスのタイヤに釘が刺さったのでタイヤ屋さんに修理に行ったときの話。
受付で「名前は?年式は?車は…あそこにあるハイブリッド?」と聞かれ、全部答えて伝票を貰ったら、そこには “Make: TOYOT Year: 2004 Model: HYBRD” と印字されてました。
逆パターンですが、いまやハイブリッドと言えばプリウス?
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ホッチキスの孫は日本人
珍品中の珍品、ステープラーじゃないホッチキスをご紹介します。すごいでしょ、これ?…
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「富士通のIBMと、IBMのIBMはどう違うのか」
PCのことなら問題ないですが、あれのことだとよくないそうです。というのは結局あのことはもう言ってはいけないということで示談が済んでるんだそうです。
なんのこっちゃ?…
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こんにちわ。英語ブログをGoogleで探しているうちに
こちらに引っかかりました。
今、私はマレーシアにいるのですが、シンガポール同様、
一応英語圏で、また想像以上に他民族が多いので、
コミュニケーションは英語が使われます。
ティッシュはおっしゃる通り、クリネックスですが、
こちらマレーシアでは「tissue」で通じます。
あと、「walkman」もそのままで割と使えます。
iPodはまだこちらではメジャーではないので(つまり
知らないので)通じませんが、シンガポーリアンは結構
iPod使ってる人、多いです。プレイリスト見せてもらうと、
ウェスタンミュージック(いわゆる洋楽は、こちらでは
そう言います(^^)ものばかりでした。まあ、これは当然
ですが…。
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リコピーしたあとホチキスする
渡辺千賀さんのBLOG「On Off and Beyond」の最近のエントリ「アメリカで通じないカタカナ英語」を読んでます。
いきなり「クラクション」から始まる話がなかなか面白いです。日本でマイ��…
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トラックバック先、とても面白いです!!必読!実際にホッチキスさんの孫に会ってホッチキスブランドの新製品(ステープラーじゃない)をもらった話(とその写真)。これはすごい!
あと、ホチキス兄弟の話とか・・・。
wakaba-san,
パンクした、はpunctureで通じると思うんですけど・・・My coworker was puncutredは騒然としそうですね。
め-san,
Scotch TapeのScotchって、3Mの商標なんですね。Scotchの由来は、すんごい人種差別的で笑えます。
http://www.3m.com/about3m/student/scotchbrand4/
を読んでみてください・・・。
ケチなのはアイルランド人だけかと思ってたらスコットランド人もケチなのかな。
ジョージ-san,
えー、iRiverかっこ悪いですか・・・でも、iなんとか、.comと同じ運命をたどらないといいですね。あ、.comといえば、昔NECが「どっと混む」というキャッチフレーズを使ってISPの宣伝してたなぁ・・・。
naotoj-san,
だんなに「なんでガチョウはhonkするというのか」と聞いたら、「だって、ガチョウって、自転車のホーンみたいな声で鳴くじゃん」とのこと。(自転車のホーン=豆腐屋のラッパみたいな感じ)えーそうかな???やっぱりガーガーですよねぇ。。。
garyu-san,
うちも一台あります、Prius:-)
mm-ug-san,
確かに、tissueはtissueでも通じるかも・・・。でも、誰も言わないんですよねぇ。みんなKleenex。ウェスタンミュージックってなんだかカッコイイですね。クリントイーストウッドが歌ってくれてそう。
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[English] Xerox
アメリカで通じないカタカナ英語より。 >> ゼロックス社の業績が悪化、市場シェアが激減するにつれ、photo copy(動詞:コピーをとる), copier(コピー機)という言い方が普通になっ��…
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こんにちは、トラックバックさせていただきましたM.H.です。そういえば箱ティッシュはkleenexだけどトイレットペーパーは「bath tissue」ですよね?長期出張中、そこが一番不思議でした。
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車関係は他にも アクセル→gas pedal とか サイドブレーキ→emergency brake, parking brake, hand brakeとか、日本語で慣れていると咄嗟に出て来ないかもしれません。
医者にかかると、単語は似てるのに発音が違って通じないものが結構ありますね (カタカナ語はドイツ語由来なんでしょうか) ツベルクリン→tuberculine、チフス→typhus、等々。
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M.H.-san,
こんにちは。トラックバック先、面白かったです。うちでは、トイレットペーパーはそのままトイレットペーパーと呼ばれています。toilet tissueということもありますが、bath tissueはおしゃれな感じ・・・
Shiro-san,
どうもどうも。そう、カタカナでなれちゃってると、とっさに英語が出てこないことありますね。特に似てると困りますよね。Bachがバック、とか。
***
あ、あと二つ面白いのを思い出しました。
Tバック→G string
マカロニウェスタン→Spaghetti Western
(後者はこのブログでも前に書いたような気がする)
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初めてコメントさせていただきます。いつも興味深い記事をありがとうございます。とても楽しく、そして唸らされながら読んでいます。
私はパキスタンでちょっと仕事をしているのですが、ここでは、乗り合い軽トラック(屋根つき荷台の両サイドに長椅子がつけられ、五人ずつ向かい合って座る。助手席には二人乗る)が人々の足として良く使われています。ほぼ全てがスズキ製の軽トラックを使っているため、「Suzuki」が乗り合い軽トラックを意味する固有名詞になっています。
同社の見事なアジア戦略の一端が垣間見られます。
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昨日友人(アメリカ人)の誕生会にて。「jerousって日本語でなんていうの?」と聞かれ、「嫉妬じゃない?」というと、一同薄い反応。聞こえないのかな?と思い、「嫉妬よ!し・っ・と!」ふーん、というカンジで皆違う話題へ・・・・。約20分後「はっっ!」と気づいた私。「やきもち」と言えばよかったのですね・・・
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たしかサランラップもたしかもとは商標名でしたよね。
それからゼロックス。っていうのも確かそう。。
それから
香港では、「出前一丁」がインスタント麺の一般名詞になっていてこてこての中華料理のメニューの中に突然、
「出前一丁 加(加えるの意) 3元」
あちこちのレストランに書いてあります。
出前の意味も一丁の意味も知らない人が大部分ですが
「出る」「前」「一」「丁」ともになんだか殺気だった雰囲気が香港にぴったりのような気もします。
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maki.m-san,
こんにちは。パキスタンでお仕事とはすごいですね。尊敬・・・。
sarieri-san,
苗字が「と」で始まり、下の名前が「だいし」という知人がスタンフォードに留学していたときのアドレスが「daishit@」だったのを思い出しました。深く考えずに「first name + last nameの頭文字」で申請してしまったそうな。日本人が読むと余計おかしい、、。
yoshika-san,
え、香港でインスタント麺が出てくるんですか?鍋物とかの最後にインスタント麺を加える、って言うことでしょうか??
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初めまして.ちょくちょく覗かせて頂いてます.
イギリスでボンネットが通じるのは本当です.英語学校で「イギリスではbonnetだけどアメリカはhoodなのだよ」と聞きました.
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やっぱりbonnetはイギリス語だったんですね。それ以外にも車関係ではイギリスから入ってきた言葉が多いと聞いたので、イギリスだったら通じることも多いのかも。
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handle は、車のハンドルという意味では当然意味が通らないので使えませんけれど、バイクや自転車のハンドルのことは handlebar と言います。
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確かにそうですね。handleっていうと、なんとなく直線的なものをイメージするので、車のハンドルは丸いからだめなのかな?
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ピンバック: アメリカで通じないカタカナ英語2 | On Off and Beyond
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