ゲームで勉強を

Technology ReviewのGame for Learning
コンピュータゲームやテレビゲームで遊ぶ子供の方が学業成績がよく、またゲームをカリキュラムに組み込むとより成果が上がる、という話。

以下、いずれもイギリスでの調査ですが:
2001年の調査によれば

those who play computer and video games regularly are more likely to be academically successful, to go to University and to have better employment prospects.

1998年の調査では

children who were taught reading and comprehension tasks via interactive entertainment improved their abilities more rapidly than a cohort engaged in tutorial-based activities.

2004年のUniversity of London’s Institute for Educationの調査では

computer games are useful in the development of critical thought, and could be used as a text, in a similar way as traditional literature, to examine character development and narrative structure.
The results also suggest that game play promotes social development, during both in class exercises and on the playground.

ということで、ゲームをする子供の方が成績がよく、就職率も高い。また、ゲーム形式の学習は成果が出るのが早く、しかも分析力を養う、と。

Kids report leaving because traditional subjects don’t "speak" to them or are irrelevant in their increasingly tech-centric lives.
"What stands in the way is what I call the ‘fact fetish’," explains James Paul Gee, author of What Video Games Have To Teach Us About Learning and Literacy. "For me, learning an area like biology should be about learning how to ‘play the game’ of biology, that is, learning to think, act, and value like a biologist."
Gee argues that the learning supported by computer gaming could replace traditional teaching models — where teachers speak and students take notes — with arenas in which students are active consumers who are engaged by simulations that literally allow them to interact with and manipulate virtual worlds.

通常子供がよく言う「学校の勉強がつまらない、実生活とかけ離れていて興味がわかない」という不満は、丸暗記的な(本文ではfact fetish。意味もなく事実を愛するファクト・フェチ)教育方法のせい。現状のようにファクトをひたすら教えるのではなく、例えば生物だったら「どうやって生物学者のように考え、行動するか」という「生物というゲーム」を教えるべき、と。

***

日本のゲーム市場はここ5年横ばいで、今後も伸びる可能性は殆どないそうだが、これまでに培った開発スキルを生かして、真剣な教材が作れるかも。

MITは全カリキュラムをオンラインで公開して話題を呼んだが、高等教育をさらに高度にするのはアメリカに任せておいて、日本は、得意とする「普通の人の底上げ的教育」で世界に打って出られるのでは。既に塾の「公文」はアメリカや東南アジアでもかなり流行っている模様。(我が家の近くにもあるし、ハワイの姪も5歳の頃から通っている)。

ゲーム教材で世界中の子供たちの学習意欲が増し成果が上がれば、世のため人のためでもあります。

(追加:「ゲームをする医者の方が、手術のミスが少なくてしかも速い」という内容のエントリーも以前書きました)

ゲームで勉強を」への9件のフィードバック

  1. > 日本は、得意とする「普通の人の底上げ的教育」
    は、先行き怪しいかも知れませんね↓
     学力低下がゆとり教育の目的 (2004-12-28)
     http://umi.no-ip.com/simple/pdone.html?id=415
    一方のエリート教育は聞こえてこないので片手落ちの気が。

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  2. はじめまして。
    日本ではマスコミがこぞって某大学の教授の研究を取り上げていた時期がありました。基本的にはゲームしすぎると脳を使わなくなって廃人化するのでゲームをやっては駄目です、というものです。応用パターンとして携帯メールをやると同様の結果になると言うものもあります。
    http://www.tv-game.com/column/clbr05/
    あまりにも正反対の研究結果なのでどう考えればよいのか逡巡するところです。

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  3. うやびん-san
    まだ字が読めない人とか、足し算ができない人の話は聞かないので、当面は大丈夫じゃないかと思うんですがどうでしょ。日本の小学校6年生の読解力は格段によくなっている、なんていう調査結果も数年前読んだ気がするし。。。。
    diver-san
    ゲームって激しく脳を使う気がするんですけど。。。でも、何事もしすぎるとよくないので、一年中毎日10時間ゲームしちゃだめ、というのはあるでしょうね。あと、ゲームは面白いから、ついついやめれなくなるというのはちょっと困りもの。
    個人的には、時間の無駄遣いというのに加え、最近肩こり等体に支障が出るので、ゲームは控えざるを得ません。。とほほです。

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  4. たまごっちは知能をあげると何かで読んだことがあります。うちの二人の姪は片時もたまごっちを離しません。最近では携帯電話につなげて他人とたまごっちを通じて対話できたりするみたいです。世界旅行にもいけるし、何かよいことをするとご褒美がもらえてそれでお買い物が出来たり。笑
    私もスーパーマリオブラザーズの世代ですが、1年くらい夢中になってそれで終わり。もう少しゲームをしておくんだったな。

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  5. たまごっちも進化してるんですね。
    たまごっちはEmotional IQもあげる・・・かも?思いやりの心とか、耐え忍ぶ心とか・・・。

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  6. 「1週間コンピュータなしで暮らそう」–米で『無使用週間』実施へ

    「1週間コンピュータなしで暮らそう」–米で『無使用週間』実施へ
    1週間インターネットなしで暮らそうが正確な表現でしょうか。
    僕の場合仕事でインターネットを使うので、
    これやっ…

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  7. >たまごっちはEmotional IQもあげる・・・かも?思いやりの心とか、耐え忍ぶ心とか・・・。
    そうなのだと思います。
    書き方がかなり悪かったですが、たまごっちは
    「脳を活性化」させるのだそうです。
    おばとしてはもっと外に出て遊んで欲しいのですが、彼女達はお母さんの傍でたまごっちをしている方が良いみたいです。笑

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